「Windowsが起動しなくてパソコンが使えない・・・。」
このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
Windows 10が起動しないことでパソコンを使用できないといった局面を回避するためには、原因や解決する手法について知っておくことが不可欠です。そこで起動しない状況下でどういった行動をするかについて解説していきます。
【この記事でわかること】
パソコンが起動しない状況において適切に対策を講じるためには、発生する症状や主たる原因について理解しておくことが必要不可欠です。そこで、ありがちな症状と主な原因について説明していきます。
よく見られる症状のひとつとして、「くるくる」が永遠に終わらずに起動しないといったケースがあります。「くるくる」とはメーカーのロゴが表示される画面を読み込んでいる際に、画面の中心に表示されて現在進行中であることを意味するものです。
正常に起動する場合は短時間で終了して次の画面へ遷移しますが、起動しない場合はいつ終わるともなく表示されています。原因はWindows 10において何らかに不具合が発生している可能性が高いからです。なお、Windows 10の更新作業においても読み込み時間が長くなりますが、この場合はいずれ「くるくる」は終わるでしょう。
パソコンの画面が黒色もしくは青色となり、メッセージが表示されて起動できないといったケースがあります。画面が黒色もしくは青色となってしまうため、何か異常なことが発生しているのではないかと予感するでしょう。
この画面が表示されることで起動しないケースが多いことを理解しておく必要があります。このパターンで起動しない原因のひとつとして、記憶媒体がパソコンに接続されたままであることです。もうひとつは電気が帯電していると起動する処理が正常に進められないこともあるのです。
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パソコン自体が起動しないといったケースもあります。電源を入れてもパソコンに反応がなく起動しなければ、どのようなソフトウェアでも動かすことは不可能です。パソコンの電源がオンにならず動作しない場合の多くはハードウェアが原因となっています。
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Windows 10が起動しない状況になった際は必要な措置を講じる必要があります。素早く対処できなければ、業務に悪影響を与える時間が長くなってしまいます。差し障りなく対策を講じるためには、前もって解決方法を押さえておくことが効果的です。
まずはパソコンの画面に何も表示されない場合の対処法について解説していきます。
最初に電源コードがしっかりとパソコンに接続されているかを確かめましょう。電源がオンとならない原因が延長コードの可能性もあるため、タコ足配線を利用して接続している場合は、壁のコンセントへダイレクトに接続してから電源をオンにしてみます。
電源コードを一旦コンセントから外して、時間を少し空けてから再び接続するだけでも電源がオンとなることがあります。またノートパソコンの場合は、ACアダプターの細い接続ケーブルが破損しやすくなっているために注意が必要です。
パソコンの静電気が帯電していることが原因で、正常な動作を制限されて起動できないこともあります。この場合はきちんと放電することで起動するようになるでしょう。放電する方法は電源ケーブルを外したうえで、バッテリーを取り外した状態で数分間待つだけです。電源供給がない状態で一定時間放置すれば、自然に放電が行われます。
起動しない場合は周辺機器を取り外して再起動するとうまく起動することがあります。周辺機器を新しく接続した場合、必要となるドライバーが新規にインストールされると前回起動時との環境が変化します。そのことが起因して起動しないこともよく見られるため、周辺機器を取り外すことによって、前回起動した時と同様の環境にして起動を試してみることが解決する方法となるのです。
次にパソコンの画面に何かしら表示されている場合の対処法について解説していきます。
Windows 10は起動しなかった場合、自動修復画面が表示される仕様となっています。この画面における詳細オプションを使用することによって、システムの復元やセーフモードの利用ができるため、幾つかのオプションを実行することは有効な対策となり、起動できる場合があるので意識して記憶しておくと役立ちます。
BIOSとはオペレーティングシステムの起動や、パソコンと接続された機器との入出力をコントロールするプログラムのことです。BIOSを初期化することによって、起動する場合がありますので試してみましょう。なお、BIOSを初期化することはパソコンの機能に多大な影響を及ぼす可能性があることを理解しておくことが必要です。
パソコンが起動しない原因は幾つかありますが、どの場合においても初期段階では簡単にできることからチェックしていきましょう。
パソコンにUSBで接続されている全ての周辺機器を取り外してから、再度電源をオンにしてください。このことによって起動する場合は、周辺機器あるいはUSBコネクターの不具合である可能性が高いため、原因となっているものを特定しましょう。ただし、パソコンのUSBポートに不具合が発生していることもあるため、機器を絞り込んだ際は別のUSBポートにも接続してみてください。
周辺機器に問題がない場合は、続いて電源やディスプレイのケーブル接続が緩くなっていないか着脱チェックしてみてください。ケーブルは予備があれば交換すると良いでしょう。ディスプレイのケーブルを確かめる際は、ディスプレイ自体が故障していることもあるため、他のディスプレイやテレビに接続してチェックすることも有効となります。
この手順は、パソコンの電源がオンになっている状態で作業しないように注意してください。より重度なダメージをもたらす懸念がありますので、パソコンに付属しているマニュアルに記載された手順通りに実行してください。
パソコンは電子デバイスであるため、使っていると微弱な電気が滞留することが原因で起動しなくなるケースがあります。電源やLANケーブルを全て取り外した後に、ケースの電源もしくはリセットボタンを5〜6回押下すると簡易放電に、その時から30分程待つことによって完全放電となります。最初に簡易放電してから、電源ケーブルだけを接続した後に再起動ができなかった場合は完全放電を試してみてください。
他にも、引越や部屋の装いを一新したことによって、パソコンを移動させた場合は、以下の理由で起動しないことがあります。
基本チェックにおいて起動しなかった場合は、もう一歩踏み込んだ調査が必要です。ここでは主に起動しない具体例と対処法に関して説明していきます。
電源ボタンを押下した後、マザーボードメーカーやWindowsロゴが表示されたままになったり、これといった理由なくUEFI画面に遷移する症状について解説します。
パソコンは起動する際に全てのドライブにアクセスするため、ハードウェアの不具合や起動ドライブ以外に実行ファイルが存在するとアクセス中に停止したり、ドライブが存在しないと判定されてUEFI画面に遷移することがあります。
マザーボードのロゴが表示されたままにはならないが、Windowsのロゴが表示される画面へ遷移せずにUEFI画面が表示される場合は、ハードウェアの不具合ではなく、Windowsファイルの損傷であることが考えられます。原因を切り分けるため、まずUEFIで起動ドライブが認識されているかを確かめてください。
マザーボードメーカーのロゴが表示されてから、Windowsロゴが表示される画面へと遷移するがそこから先に進まない場合は、Windowsシステムファイルが破損している可能性があります。
Windows 10が起動しない場合は、気がはやってしまい正しくない対応をしてしまうこともあります。重要なポイントはじっくりと状況によく合った対応をすることです。
初期化することによって起動していた状態に戻せるため、普通に起動できる可能性は高くなります。しかし、インストールしていたアプリケーションやカスタマイズされた設定は全て消去されてしまいます。よって初期化する場合は、データのバックアップをしておくことで削除されたアプリケーションを再インストール作業が必要です。
それゆえに手間を取られてしまうことがデメリットとなるため、衝動的に初期化するのではなく、できる限りデータや設定をキープしながら修復することによって、正常に起動させることをゴールに設定することが基本となります。初期化は最終的な選択肢としておきましょう。
Windows 10が起動しなかった場合は、自動修復機能も起動できないケースがありますので、インストールメディアによって起動させる方法が効果的です。ただし、インストールメディアは起動できるパソコンで作成しておく必要があります。
そのため、インストールメディアを作成していない場合は使用できません。すでに作成しているインストールメディアが存在する場合は、必要に応じてすぐに使えるように確実に保存しておくことが大切です。
独力でありとあらゆることを試したとしても、確実に起動できる状態にできるとは限りません。自動修復機能を利用することによって、結構多くのケースにおいては正常に起動できる状態とすることができますが、改善しなかったり、原因を特定するまでに至らないといったケースも存在します。
またハードウエアの不具合が原因となっている場合は、正常に起動させることはかなり難しいでしょう。多岐にわたる解決手段を試したとしても、どうしても起動できない場合はありますので、修理に出したり再購入したりすることも視野に入れる必要があります。
パソコンが起動しなかった場合の対処方法について紹介しました。これらの方法でも改善の兆しがない場合は、個人のチェックでは問題解決の糸口が見つからない可能性も考えられるため、パソコンサポートセンターもしくは電話サポートをぜひご利用ください。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。