「タブレットって、大体何年くらい使えるんだろう?」
「タブレットをできるだけ長持ちさせるにはどうしたらいいんだろう?」
こんな疑問をお持ちの方も多いと思われます。
適当に使っているとすぐに故障してしまうこともあるタブレットですが、普段の使用方法に気を配ることで、タブレットを長持ちさせることが可能となります。
この記事では、タブレットが寿命を迎えてしまう原因や、長持ちさせるためのコツなどについて具体的に解説していきます。
【この記事でわかること】
タブレットは総じて高価なものなので可能な限り長く使用したいものですが、何年くらいもつのでしょうか?
ここでは、タブレットの平均寿命や、タブレットが寿命を迎えてしまう原因について解説します。
タブレットの平均寿命は約2~3年と言われています。
理由は、一般的な使用頻度の場合は2~3年でバッテリーが寿命を迎えるからです。
多くの場合、タブレットはバッテリーの劣化によって寿命を迎えます。
タブレットの寿命は、バッテリーの寿命とイコールであると言っても過言ではありません。
「バッテリーが寿命を迎えただけならば、バッテリーだけ交換すればいいのでは?」と考える方も多いと思われますが、タブレットの場合、個人で分解してバッテリー交換することを想定していない作りになっているため、基本的には自分で行うことができません。
バッテリー交換を行うとすれば、メーカーや専門業者に依頼するしかありません。
保証期間内ならばメーカーが無償で交換してくれるというケースもありますが、バッテリー交換はすべて有料、無料保証期間があったとしても条件付き、というメーカーも多いです。
例として、「Apple」と「NEC」のバッテリー保証期間やバッテリー交換費用について掲載します。
【Apple(iPad)】
通常使用によるバッテリー劣化の保証はなく、バッテリー交換には11,880 円の費用が必要。
参考:iPad の修理 – Apple サポート 公式サイト (日本)
【NEC(LAVIE Tabシリーズ)】
保証期間はなく、1個のバッテリー交換で20,900円~28,380円の費用が必要。(機種によって異なる)
参考:NEC LAVIE公式サイト > サービス&サポート > バッテリ交換サービス
また、メーカーではなく専門業者に依頼する場合も、もちろんそれなりの費用がかかります。
いずれにせよ数万円単位の費用がかかってしまうということもあり、初期不良などの一部の例を除けば、バッテリーが寿命を迎えた場合はタブレットを買い替えるという選択肢が一般的です。
タブレットのバッテリー交換は自分でできる?費用についても解説>>
タブレットが寿命を迎えてしまうのはバッテリーの劣化が原因となることが多いですが、タブレット本体の劣化が原因となる場合もあります。
バッテリー同様、本体内の各パーツもすべて消耗品ですので、「長時間の連続使用」や「湿気やホコリが多い劣悪な環境での使用」といった頻度が多いと、過度に本体へ負荷がかかり、寿命を縮めることになってしまいます。
OSは定期的にアップデートを行うのが前提ですが、古いタブレットを使用しているとサポート適用外となってしまうことがあります。
目安として、iOSなら4~5年、Androidなら2~3年ほどでOSのアップデートができなくなってしまいます。
アップデートできないOSを使用するのは、安全面に問題があり大変危険です。
セキュリティの強化やバグの修正といったアップデートが適用されず、ウイルス感染や外部からの攻撃に対して脆弱になってしまいます。
また、新機能の実装が行われず、使えなくなるアプリも出てきてしまう可能性があります。
危険性や利便性を考慮すると、OSのアップデートができなくなった時もタブレットの寿命と言えるでしょう。
液晶画面の寿命は30,000時間程度と非常に長く、仮に毎日10時間使用したとしても8年以上もつ計算となります。
従って、通常使用によって液晶が寿命を迎えるということはまず考えられません。
8年以上も毎日使用すれば、ほとんどのタブレットが他の原因で故障してしまうはずです。
液晶が駄目になってしまうパターンとして考えられるのは、以下のような原因による物理的な破損です。
こうしたことが原因で、本来は長持ちするはずの液晶が突如寿命を迎えてしまうこともあります。
タブレットが寿命に近づいてきた時には、以下のような症状が出やすくなります。
こうした症状が現れた場合は、バッテリーが劣化している可能性が高いです。
タブレットに使われているリチウムイオン電池は、充放電の回数が500回を超えると性能が低下、つまりは劣化し始めるとされています。
バッテリーの寿命が2~3年であることは前述しましたが、充放電の回数が多ければ、当然劣化も速まるため、タブレットの使用頻度によっては2年経っていないバッテリーでも寿命に達してしまうということが充分に考えられます。
この症状は、タブレット本体の寿命が近い時に現れやすいです。
タブレットの動作が重くなる原因は主に以下の2つです。
経年劣化や使用方法の問題によって内部パーツが劣化していくことで、本来の動きができなくなり、動作が重くなってくることがあります。
それほど古い機種でもないのに、バッテリーよりも先に本体の劣化が進んでしまうようならば、タブレットの使用方法の見直しが必要かもしれません。
次々にリリースされる各種アプリの性能はどんどん進化しており、その分必要とするスペックも高くなっていきます。
しかし、購入してから何年も経っているタブレットの場合、スペックが最新アプリに追いついておらず、まともに動作してくれないというケースがあります。
どこかに不具合があるわけではありませんが、タブレットとしての機能をまともに果たせなくなったという点では、スペックの古さも寿命の一つと言えるでしょう。
タブレットが重い原因と対処法11選!最適化や初期化の方法を解説>>
液晶やソフトウェアやハードウェアに何らかの異常があると発生しやすいのが、上記の症状です。
こういった症状が出始めると、タブレットの劣化がかなり進んでいる可能性が高いです。
液晶画面の寿命が近付いてくると、以下のような不具合が発生することがあります。
こういった症状が出た場合も、タブレットの買い替えを検討した方が良いです。
単純に見づらいですし、目にかかる負担も大きくなってしまいますので。
前述の通り、普通に使用していれば液晶が寿命を迎えることはまずあり得ませんが、問題のある使用方法が日常化していると液晶が破損してしまう確率が高まってしまいます。
この症状は、OSのアップデートができない時に現れやすいです。
タブレット購入後にある程度の年数が経つと、搭載されているOSのアップデートが適用されなくなってしまい、それが原因となって、既存アプリのアップデートや最新アプリのインストールまでできなくなってしまうことがあります。
特にAndroidはサポート期間が短く、2~3年でOSのアップデートができなくなってしまいます。
理由は、Googleが開発したOSであるAndroidは多数のメーカーが採用しており、さらに各メーカーによって独自のカスタマイズも加えられていることが多いからです。
そのためOSのアップデートを行うとすれば、メーカー側がタブレット機種ごとのカスタマイズも行わなければならず、この対応が大変なために「OSアップデートのサポート対象外」となってしまうのです。
つまり、OSとタブレットの作り手が違うことによる弊害というわけです。
その点iOS搭載のタブレットは、OSもタブレットもAppleが開発しています。
従ってOSのアップデートをスムーズに行うことができるため、サポート期間が4~5年程度と比較的長くなっています。
タブレットに熱がこもりやすくなっているのも、劣化を示唆する代表的なサインです。
使い始めるとすぐに熱くなってしまったり、異常なほど熱くなることがあったりすると、寿命はもう間近でしょう。
なお、本体が異常に熱くなっている時は、一旦タブレットの使用をやめてください。
さらに劣化を早めてしまう上、最悪の場合動かなくなってしまうこともあります。
タブレットは、使用方法を意識することで寿命を延ばすことができます。
以下に、タブレットを長持ちさせるためのコツを紹介していきます。
バッテリーの電池残量が少し減ったらすぐに充電する、という人がいますが、この行為は避けるべきです。
バッテリーは充放電するほど劣化していくため、充電回数が多いとそれだけバッテリーの寿命を縮めてしまいます。
こまめな充電は控え、適度な充電ペースを心掛けてください。
高温環境で充電すると、バッテリーの劣化が激しくなることがわかっています。
以下の参考サイトに、高温環境と通常環境で充電した場合の劣化具合が比較検証されています。
参考:タブレットバッテリーの寿命とバッテリー交換方法について -FMWORLD(法人):富士通
充電は、なるべく涼しい場所で行うようにしてください。
リチウムイオン電池は、残量が0%や100%に近づくほど負荷がかかり、劣化しやすくなってしまいます。
従って、100%まで充電するのはできる限り避けてください。
満充電状態で放置するのももちろん駄目です。
充電は、なるべく80%程度までにしておくべきです。
機種によっては80%までしか充電できないように設定できることもあるので、この機能が搭載されている場合は是非設定しておくべきでしょう。
バッテリーは満充電になるのもよくありませんが、残量が0%になってしまうのも劣化を早める原因となってしまいます。
特に、0%のまま長期間放置してしまうとさらにバッテリーに悪影響を及ぼし、劣化を早めるだけでなく、すぐに充電できないといったトラブルも誘発してしまいます。
タブレットをしばらく使わない場合でも、定期的に充電して50%~80%程度の残量を維持するようにしてください。
充電しながらタブレットを使用してしまうと、普段の使用時に比べて本体が熱を持ちやすくなってしまいます。
タブレットは熱に弱いので、本体が高温になってしまうと負荷がかかり、タブレット全体の劣化が進みやすくなってしまいます。
特にリチウムイオンバッテリーはダメージを受けやすいので、充電ケーブルを繋いだままタブレットを使用することはやめましょう。
タブレットは精密機械ですので、ホコリっぽい不衛生な場所や高温多湿な環境が苦手です。
特に熱と湿気には弱いので、風呂場はもちろん、風呂場の近くでタブレットを使用することも絶対にやめてください。
故障の原因となってしまいます。
使用環境だけでなく、保管場所も重要です。
直射日光の当たる場所や、風呂場の近くや加湿器の近くといった湿気の多い場所へタブレットを保管するのは避けましょう。
また、ホコリだらけの棚にしまうのも駄目です。
そしてついやってしまいがちなのが、車の中にタブレットを放置してしまうことです。
冬場ならまだしも、夏場の車内はサウナのような高温になることも珍しくないため、車内にタブレットを置き忘れるというのは自殺行為です。
最悪の場合、高温によるバッテリーの爆発もあり得ます。
タブレットは、湿気が少なく、風通しがよい涼しい場所に保管するようにしてください。
タブレットは画面をタッチすることで操作が可能という部分が大きな魅力ですが、タッチする際にあまり強く力を入れないようにしてください。
地味に物理的なダメージが積もってしまう可能性があります。
タッチパネルは軽く触るだけで反応してくれますので、優しく扱いましょう。
繰り返しお伝えしてきました通り、タブレットの寿命はバッテリーの寿命と言い換えてもよいほど、多くがバッテリーの劣化に依存します。
そのため、本体や液晶を大切に扱うことに加え、特に充電方法には気を配ってください。
具体的には、以下の通りです。
これらを徹底することでバッテリーを長持ちさせることができ、結果的にタブレットの寿命も延ばすことができます。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。