iPadは、動画の視聴や音楽鑑賞などのプライベートだけではなく、文章や資料の作成、プレゼンでの活用など、仕事でも活用できるアイテムです。ストレージが足りなくなったときやバックアップを取ろうとしたときなど、USBを活用してiPadに保存されているデータを移行しようと考える方もいます。
しかし、何らかの原因でiPadがUSBメモリを認識しないことがあります。今回は、なぜUSBメモリを認識しないのか、理由を解説するとともに、具体的な解決法を解説していきましょう。データ移行を検討している方や認識せずに困っている方は参考にしてください。
目次
認識されない主な原因は4つあります。適切な対処法を考えるためにも、まずは原因を知ることが大切です。
iPadをロックすると画面操作を無効化でき、誤作動を防げるメリットがあります。ロックは、解除をしないとホーム画面が開けないので、第三者にデータを見られる心配もありません。セキュリティ対策として有効な設定です。
しかし、ロックがかかった状態のままではUSBメモリが認識されないケースがあります。そのため、USBをデバイスに挿し込むだけでは使用できません。画面のロックを解除してからUSBを使用しましょう。
ロックが解除された状態でも認識されなければ、USBを一旦取り外し、改めてロックの解除を実施してみてください。それでも認識されない場合は、違う原因が隠れている可能性があります。
USBメモリが故障していれば認識されません。ロックを解除しても認識されない場合は、故障を疑ってみましょう。故障の確認は、違うデバイスに挿し込むだけで確認できます。そのため、パソコンやiPhoneにUSBを接続して動作確認を実施してみてください。
・USBメモリを認識する
・データの書き込みができる
・データを読み込みができる
上記を確認して正常に動作する場合は、USBメモリには問題がありません。しかし、iPadと同様に、認識されずに動作確認も実施できなければ故障している可能性があります。故障となれば新しい製品を購入しなければいけません。内部に大切なデータが保存されている場合は、業者に依頼してデータサルベージは可能か相談してみましょう。
USBメモリを接続した際に「Cannot Use Accessory USB Flash Drive: This accessory requires too much power.」と表示が出たら、iPad側の電圧が不足している可能性があります。iPadは電圧の上限が設けられています。USBメモリは製品ごとに消費する電力に違いがあり、消費電力が高いものでは認識されない可能性が高いです。
上記の文章が表示された場合は、使用するUSBメモリの消費電力を確認してみましょう。
USBメモリによっては、iPadに直接接続できないケースもあります。USBを差し込み、「Cannot Use Accessory」と画面に表示された場合は、接続不良の可能性が高いです。コネクタアダプタの変更が必要ですが、Lightning端子やUSB Type-C端子など、モデルに合わせて選択してください。
iPadのデータ移行を実施しようと考えても、USBメモリが認識されなければ保存は不可能です。認識しないときの解決法を知り、データ移行をスムーズに行いましょう。
iPadのロックを解除してからでないと、接続されないケースがあるので、まずはデバイスロックを解除してから再度USBメモリを接続してみてください。iOS12搭載のiPadであれば、ロック画面の下部から上にスワイプをするとロックの解除が可能です。iOS11、iOS10搭載のiPadは、ロック画面を表示し本体の下部にあるホームボタンを押せばロックの解除が行えます。
iOS9搭載のiPadは、ロック画面を横にスライドすればロック解除が可能です。使用しているiOSを確認して解除してみましょう。また、パスコードロックをしている場合は、ロック解除をする際にパスコードの入力が必須です。Touch IDの場合は、登録した指でセンサーを押すだけで解除できます。Face IDの場合は、画面を覗き込むだけで解除可能です。
上記の方法でデバイスのロックを解除したら、USBを挿し込んで認識されるか確認してみましょう。解除しても認識されない場合は、一旦デバイスから外し、再度ロックを解除してからUSBを接続してみてください。
アクセサリの接続を常時許可すれば、ロックになっている状態でもアクセスが可能になるのでUSBメモリも使用できます。常時許可のやり方は以下のとおりです。
① 「設定」をタップする
② 「Face ID とパスコード」もしくは「Touch ID とパスコード」をタップして進む
③ 下にスクロールし、「ロック中にアクセスを許可」部分にある「アクセサリ」をオンにする
上記の方法で許可をしておけば、毎回デバイスのロックを解除する必要なく、USBメモリの利用が可能です。
消費電力に関しては、製品によってさまざまです。消費電力が高くてUSBメモリが認識しないのであれば、消費電力の少ないアイテムを使用しなければ使えません。消費電力が少なく、コストもかからないアイテムをお探しであれば、100mA以下のUSBメモリを使用してみましょう。
ただし、100mA以下であっても製品によっては接続されないケースもあります。接続できなければほかの製品が使えるか確認するためにも、いくつかのアイテムを試してみてください。出費はかさんでしまいますが、100mA以下であれば比較的抑えられた価格のアイテムも多いので安心できます。口コミや家電量販店のスタッフに相談しながらの購入もおすすめです。
接触不良を起こしている原因はUSBメモリの変換アダプター付近に汚れがあるからかもしれません。ホコリが詰まったまま使用すれば機器に悪影響が起こる可能性もあるので注意してください。綿棒や細く丸めたティッシュを使って掃除する方法がありますが、ホコリを奥に押し込めてしまう可能性があり、押し込む力で内部を壊す危険性もあるので気を付けましょう。
ホコリをとる程度であればエアーダスターを使用して空気を吹き付けてホコリを吹き飛ばすだけでも有効です。無理に掃除をして壊す心配があるのなら、エアーダスターの使用がおすすめです。
MicroSDカードを使用すればデータ移行が可能です。しかし、iPadは元々MicroSDカードには対応していません。専用のカードリーダーを活用すればiPadでも使えるので、カードリーダーを用意して接続してみましょう。
ただし、カードリーダーにもさまざまな種類があります。接続できるデバイスの種類を確認し、対応しているものを購入してください。また、MicroSDカードは、消費電力が比較的少ないです。そのため、電力不足が原因で認識されない可能性は低くなるので、MicroSDカードを所有している場合は、活用を検討してみてください。
カードリーダーの選び方としては、MFi認証品であると安心して使用できます。MFi認証品は、Appleから認められている証でもあるので信頼性が高い製品です。認証のない製品を使用する場合は、デバイスの損傷やケーブルの損傷、iOSのバージョンアップで使用できなくなるなど、さまざまな不具合が発生する可能性があります。リスクを抑えた活用をするためにも、製品選びにはこだわりましょう。
消費電力が問題であれば、Appleの純正アダプターの使用を検討してみてください。Lightning – USB 3カメラアダプタであれば、USBメスとlightningメスの両方を搭載しているので、lightningメスに充電コードを挿して使用すれば充電をしながら使用できます。
充電が必要になるため、外出先でも電源が必要です。モバイル性に劣ってしまう点に注意してください。
消費電力の問題でUSBメモリが使用できない場合は、セルフパワーUSBハブの使用も検討してみましょう。専用のACアダプタを通して電源を供給することを指し、コンセントから電源供給ができるため消費電力の高いUSBメモリでも認識が可能です。
コンセントからの電力供給が難しい場合は、パソコンのUSBポートから電源供給ができるバスパワータイプもあります。バスパワータイプは、消費電力が高い機器の接続には向いていませんが、USBであれば比較的接続できるので安心です。
USBハブといっても、マグネットタイプになっているものや個別スイッチの付いているものなど、付加機能が搭載されているアイテムもあるので、自分に合ったものを選ぶと使いやすいでしょう。
iPadがUSBメモリを認識しない理由としては、デバイスのロックやUSBの故障、電圧不足や接触不良など、さまざまな原因が隠されています。対処法を知るためにも、まずはなぜ認識されないのか原因を知ることが大切です。
原因が判明したらUSBメモリが認識されるよう、それぞれの解決法を試してみてください。それでも解決しない場合は、AppleCare+や契約しているキャリアに問い合わせを行い、対処法を相談してみましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。