毎日使っているiPadが、急に起動しなくなったら困りますよね。
「もしかして壊れたのでは?」と思う方も多いでしょう。
iPadが起動しなくなる原因はいくつかありますが、適切に対応すれば正常に使えるようになる可能性があります。
今回は、iPadが起動しないときの対処法を紹介します。この記事の内容をチェックしていただき、iPadのトラブルを解決しましょう。
iPadが起動しないときに、考えられる原因についてみていきましょう。
iPadが起動しない場合、充電切れの可能性があります。iPadは未使用の状態でもバックグラウンドで稼働しており、少しずつ本体の電池を消耗していくためです。
また、購入から2年くらい経っているiPadの場合、バッテリーの性能が落ちていることも考えられます。
念のため、十分に充電されているかどうかを確認しましょう。
起動させるためのシステムが不具合を起こしていると、iPadが正常に動作しないことがあります。OSのアップデート失敗が、原因となっていることもあるでしょう。
画面が真っ暗になっていたり、Appleのロゴが表示されたままフリーズしたりしている場合は、OSに何らかの問題が発生している可能性があります。
OSのアップデートがうまくいかなかった場合は、リカバリーモードでのアップデートを試すと、改善することがあります。詳しい手順については次の章で紹介していますので、参考にしてください。
iPadの画面が壊れていると、システムが起動しても何も映らず、画面が映らないと操作ができないため、iPad自体が起動していないと勘違いしてしまうことがあります。
iPadの画面が映らない原因として、内部のシステム異常も考えられます。
操作したときに音がするなら、システムの不具合により画面が真っ黒になっているだけかもしれません。
水に濡らしたり、強い衝撃を与えたりすると、iPadが正常に起動しないことがあります。
iPadを水没させたときだけでなく、本体に水が少しかかっただけでも故障の原因になることがあります。
また、落としたり、ぶつけたりするのもiPadが起動しない原因になります。
iPadはパソコンと同じく精密機器のため、少しの衝撃でも致命的なダメージを与えることがあります。
iPad内部にこもった熱をうまく外に放出できなくなると、本体が発熱することがあります。
これを熱暴走と呼んでおり、iPadが正常に起動しない原因になります。
熱暴走の原因としては、次の2つがあげられます。
いずれの場合も、まずはしばらく置いて冷やすことが大切です。
また、夏場にiPadを車内に放置しない、直射日光に長時間あてないなど、保管場所にも注意しましょう。
iPadが起動しないときの対処法を紹介します。状況に合わせた対処を行いましょう。
iPadの電源が入らないときは、まず充電できているかを確認します。
充電ケーブルとコンセントがしっかり差し込まれているかを確認してください。1時間ほど充電してから、iPadが正常に起動するかをチェックしましょう。
充電するときは、Apple製の純正品がおすすめです。非純正品は安いのがメリットですが、メーカーの推奨品ではありません。iPadを長く使うためにも、純正ケーブルを使いましょう。
詳しい充電方法は以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
iPadが充電できない理由は?原因と対処法をわかりやすく解説
iPadが起動しない場合、強制的に再起動することで改善することがあります。
ホームボタン搭載モデルと非搭載モデルに分けて、操作方法を紹介します。
参考:iPadを強制的に再起動する – Apple サポート (日本)
iOSのアップデートに失敗したとき、iPadが正常に起動しない場合があります。リカバリーモードでアップデートするとエラーが改善することがあります。
ここでは、パソコンと「iTunes」を使ったリカバリーモードでのアップデート方法を紹介します。macOS 10.15以降を搭載した Mac製パソコンをご利用の方は「Finder」で操作してください。
操作する前に、念のためバックアップを取っておきましょう。
ソフトウェアのダウンロードに15分以上かかると、リカバリー画面が終了します。この場合、ソフトウェアのダウンロードが終わったら、もう1度、リカバリーモードにしてやり直してください。
参考:iPad をアップデートまたは復元できない場合 – Apple サポート (日本)
iPadが正常に動作しないときは、初期化すると不具合が改善することがあります。
ただし、初期化するとこれまでのデータはすべて消えて、購入したときの状態に戻るので注意が必要です。
初期化する前に、あらかじめバックアップをとっておくことを忘れないでください。
ここでは、パソコンと「iTunes」を使った操作方法を紹介します。macOS 10.15以降を搭載した Mac製パソコンをご利用の方は「Finder」で操作してください。
それでは、初期化手順を見ていきましょう。
参考:iPhone、iPad、iPod を初期化する (工場出荷時の設定に戻す) – Apple サポート (日本)
iPadが起動しないとき、DFUモードを使うと改善するかもしれません。DFUモードとは、強制的にiPadを初期化する方法です。この方法はメーカー非推奨なので、実行の判断は慎重に行ってください。
万が一、問題が発生してもApple社のサポートが受けられない可能性があります。よく考えてから実行しましょう。
DFUモードの操作手順を紹介します。macOS 10.15以降を搭載した Mac製パソコンをご利用の方は「Finder」で操作してください。
パソコンの画面に「Appleロゴ」が出てきた場合は、DFUモードの起動に失敗しています。この場合、ケーブルを抜いて、再度やり直してください。
iPadを水につけてしまった場合は、すぐに乾燥させましょう。カバーを付けている場合は、はずしておきます。風通しのよいところで、しばらく放置しましょう。
内部が濡れているからといって、分解したりドライヤーの熱をあてたりしてはいけません。自然に乾燥させるのがポイントです。詳しい乾燥方法は以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
本体が熱くなっている場合は、涼しい場所にしばらく置いておきます。カバーがついている場合は、はずしておきましょう。
早く冷ますために、冷蔵庫や冷凍庫に入れてはいけません。急激な温度変化や結露により、故障の原因となる場合があります。
iPadが起動しないときに、やってはいけないことを紹介します。意外にやってしまいがちなこともありますので、これから説明する内容をしっかりチェックしてください。
iPadが起動しないとき、再起動を試す方は多いでしょう。しかし、何度も再起動を繰り返すと、症状が悪化する可能性があります。
一度試して症状が改善しないときは、他の方法を試しましょう。
電源のオンとオフと何度も試すこともおすすめできません。iPadの電源のオンとオフを試しても、iPadが正常に起動しない場合は、別の方法を試してみてください。
iPadが起動しないからといって、長時間の充電は避けましょう。充電切れで起動しないことが想定される場合は、1時間ほど充電したあと、正常起動するかを確認してください。
むやみに充電し続けるとバッテリーの劣化や、症状の悪化につながります。
iPadの本体が熱くなっているとき、冷蔵庫に入れて冷やすのはやめましょう。急激な温度変化により、iPadが故障してしまうかもしれません。
また、水濡れを早く乾かすためにドライヤーを使うことも避けてください。iPadを濡らしてしまったときは、自然に乾くまで置いておきましょう。
これまでの対処法で改善しない場合は、iPadの修理を検討してください。修理が高額になる場合は、買い替えも考えておくとよいでしょう。
iPadを修理に出す前に、バックアップをとっておきましょう。パソコンにバックアップデータがあれば、万が一のときに役立ちます。
ただし、iPadの状態によっては、バックアップがとれないこともありますので注意してください。
パソコンでバックアップを取る場合は、iTunesを使います。macOS 10.15以降をご利用の方は、Macの「Finder」でバックアップを作成してください。
パソコンでバックアップを作成する手順は次のとおりです。
バックアップ後は、バックアップ日時を確認しましょう。バックアップしたときの日時になっていれば、バックアップは成功です。
参考:iPadのバックアップを作成する – Apple サポート (日本)
iPadの修理方法を3つ紹介します。
AppleやAppleの正規サービスプロバイダに修理を依頼すると、交換部品は純正のものが使われます。AppleCare+などの保証にも対応しているので、加入している場合はAppleまたはApple正規サービスプロバイダを利用するのがおすすめです。
それでは3つの修理方法について詳しく見ていきましょう。
Apple Storeが近くにあるなら、お店に持ち込んでiPadの修理を依頼しましょう。
近くに直営店がない場合は、アップルリペアセンターを利用してください。メーカー指定の業者が集荷に来てくれるので、発送の手間が省けます。「Apple Storeが近くにないけどメーカーに直接修理を依頼したい」という方におすすめです。
アップルリペアセンターに依頼する場合、オンラインか電話での申し込みが必要です。
参考:iPadの修理サービス – Apple サポート (日本)
iPadの修理は、全国各地にあるAppleサービスプロバイダでも対応可能です。
Apple社が認定した修理業者なので、安心して修理を任せられます。
主なAppleサービスプロバイダは以下のとおりです。
Apple正規サービスプロバイダなら、Appleの保証サービスも適用されます。
iPadを急いで修理したい場合は、街の修理業者に依頼してください。正規の修理店より、費用が安いのが特徴です。
ただし、交換部品に互換品が使われるなど、正規の修理店とは異なるサービス内容となりますので、よく考えてから利用しましょう。
以上、iPadが起動しないときの原因や対処法について紹介しました。
この記事を参考に適切に対処すれば、iPadが正常に起動する可能性があります。
どうしても改善しない場合は、Appleや専門業者に修理を依頼してください。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。