iPhoneを長期間使用していると、だんだん背面のバッテリーが膨張してくることがあります。
一見使用には問題なさそうに見えるものの、実は取り扱いには十分注意が必要です。
この記事では、iPhoneのバッテリーが膨張する原因と対処法について解説しています。
心当たりのある方はぜひチェックしてくださいね。
この記事でわかること
目次
iPhoneのバッテリーが膨張するのは、主に劣化が原因です。
iPhoneのバッテリーには、リチウムイオン電池が使用されています。リチウムイオン電池が劣化することで内部にガスが発生し、バッテリーが膨らんでしまいます。
リチウムイオン電池は使用していくうちに徐々に劣化していきますが、以下のようなiPhoneの使い方をすると寿命が縮みやすくなるため気をつけましょう。
正しい使い方をしていたとしても、およそ1年半〜2年でバッテリーの寿命が訪れます。
バッテリーの劣化が進み、寿命が近づいてくると以下の症状が現れるため、当てはまるものがないかチェックしてみてください。
また、iPhoneの設定画面でも、バッテリーがどの程度劣化しているのか確認できます。
【iPhoneのバッテリーの状態を調べる方法】
参考:iPhoneのバッテリーの状態と使用状況を確認する – Apple サポート (日本)
バッテリー容量が80%以下の場合は、バッテリー交換や本体の買い替えを検討してみてください。
iPhoneのバッテリーが膨張していても、動作には一見問題ないように見えます。
しかし、バッテリーの膨張を放置すると、さまざまな不具合が生じるため危険です。
ここでは、代表的な例を4つご紹介します。
iPhoneのバッテリーに使用されているリチウム電池には、「燃えやすい」というデメリットがあります。
バッテリーの劣化によって発生するガスがiPhoneに充満してしまうと、発火や爆発といった事故につながりかねません。
日本でも、iPhoneの爆発による死亡事故が発生しています。
自分の身を守るためにも、膨張したバッテリーを放置するのは避けましょう。
iPhoneのバッテリーの膨張が進むと、画面に不具合が生じることも。
膨らんだバッテリーによって画面が押し上げられてしまい、画面が浮いたり、液晶がにじんだりといった異常状態を引き起こすケースも少なくありません。
このような状態になった画面は強度が落ちてしまい、少し衝撃を与えただけで簡単に割れやすくなります。
バッテリーの膨張を放置しておくと、iPhoneが再起動を繰り返すようになってしまう場合があります。
これは、バッテリーの劣化によって、iPhoneに正しく電気を供給できなくなったことが原因です。
再起動のループ状態に陥るとiPhoneを操作できなくなり、データなどのバックアップができないといったリスクが生じます。
バッテリーの膨張は、iPhoneの内部にも悪影響を与えてしまいます。
バッテリーが膨らむことでコネクタケーブルの接触不良や破損を引き起こし、充電ができなくなる・本体が起動しなくなるといったトラブルにつながります。
また、バッテリーの膨張によって生じた本体の隙間にほこりや水が入ってしまい、iPhoneが正常に動作しなくなることも。
この場合もデータのバックアップができなくなることがあるため、できるだけ早めに対処してください。
ここでは、iPhoneのバッテリーが膨張したときにやってはいけないことを3つご紹介します。
以下の対処を行うと本体の故障につながってしまうため、極力避けるように注意してください。
バッテリーの膨張を軽減するために、iPhone本体にテープや接着剤を使用するのはおすすめできません。
テープなどでバッテリーを強く押さえつけることで、かえって画面のゆがみや割れが悪化することが考えられます。
また、接着剤が本体内部に入り込んでしまい、iPhoneの精密機器が不具合を起こすケースも少なくありません。
ほこりが入りそうな隙間にテープを軽く貼り付けるなど、あくまでも応急処置として使用してください。
iPhoneのバッテリーが膨張すると、本体が熱を持ちやすくなります。
しかし、保冷剤などでiPhoneを急激に冷却してしまうと、温度変化によって結露が発生し、水没故障などを引き起こす可能性があるため注意してください。
熱くなったiPhoneは、冷却ファンや冷却シートなどでゆるやかに熱を冷ますことが大切です。
バッテリーが膨張しているiPhoneには、できるだけ衝撃を与えないようにしてください。
劣化したリチウムイオン電池の中には、ガスが充満しています。バッテリーが破損してしまうと、そのガスが内部パーツまで流れ込み、発火や爆発を引き起こす可能性があります。
iPhoneを不用意に落としたりぶつけたりしないよう、丁寧に取り扱いましょう。
iPhoneのバッテリーが膨張した場合、バッテリーを交換する必要があります。
しかし、自分で行うのは難しいうえに、発火・爆発などの事故につながるリスクもあるため、専門業者に修理に出すようにしてください。
ここでは、iPhoneのバッテリー交換ができる業者を3つご紹介します。
iPhoneの製造元であるAppleでは、不具合が生じたiPhoneの修理も受け付けています。
技術面・サービス面ともに信頼でき、安心して任せられる点が大きな強みです。
AppleCare+という保証サービスに加入している場合は、バッテリー交換を無料で行ってもらえる場合があります。
また、バッテリーの膨張によって画面の破損などを引き起こしている場合は、その修理も合わせて勧められることも。
バッテリー交換以外を依頼すると別途料金が発生することがあるため、Appleへ事前に確認しておくことをおすすめします。
Apple Storeや正規サービスプロバイダの店舗が近くにない場合、契約しているキャリアへ修理に出すのもおすすめです。
AppleCare+に加入していれば、キャリアでもバッテリー交換を無料で行ってもらえます。
また、キャリア独自の保証サービスによって、修理代が軽減される場合もあります。
バッテリー交換や修理にかかる費用についてはキャリアによって異なるため、ホームページなどで確認してください。
AppleCare+に加入していない場合や保証期間が過ぎている場合、Appleやキャリアへ修理を依頼すると、費用が高額になってしまうことがあります。
その際は、非正規店のiPhone修理業者に依頼するのもひとつの方法です。
非正規店では、Appleやキャリアと比べて修理費用が安く抑えられる・即日修理を行ってもらえるといったメリットがあります。
ただし、修理業者のなかには、法外な料金設定や粗悪な修理を行う悪徳業者が紛れているのも事実です。
iPhone修理業者へ依頼する前に、口コミなどを念入りにチェックしておきましょう。
iPhoneの使い方に気をつけることで、バッテリーの劣化を遅らせ、膨張を避けることが可能です。
ここでは、iPhoneのバッテリーを防ぐ方法を3つご紹介します。
iPhoneのバッテリーは、充電を繰り返すことで劣化が進んでいきます。
バッテリーの膨張を避けるためには、電力消費を抑え、充電回数をできるだけ減らすことが重要です。
バックグラウンドのアプリは終了させる・使わないアプリはアンイストールする・不要な通知はオフにしておくなど、iPhoneの使い方を見直してみましょう。
また、iPhoneにはバッテリーの消費を抑えるために「低電力モード」が搭載されています。
低電力モードに設定することで一部の機能が制限されますが、iPhoneの充電を長持ちさせることが可能です。
【iPhoneを低電力モードに設定する方法】
参考:iPhone や iPad で低電力モードを使ってバッテリーを長持ちさせる – Apple サポート (日本)
バッテリーの膨張を防ぐためには、充電しながらiPhoneを使用しないように心がけましょう。
iPhoneを充電したまま使い続けると、バッテリーに大きな負荷がかかり、劣化が進んでしまいます。
また、充電が100%になっても充電器に接続していると、過充電を引き起こしてしまいます。
過充電もバッテリーにダメージを与える原因になるため、充電中はiPhoneを放置しておき、完了したらすぐに充電器から外すことが大切です。
iPhoneを高温な場所で使用すると、バッテリーに負荷がかかり、劣化が進んでしまいます。
特に、夏場の車内や直射日光の当たる場所に放置しないようにしてください。
iPhoneの動作不良を引き起こすこともあるため、使用環境には注意が必要です。
また、iPhoneのケースを装着したまま充電を行うと、熱がこもってバッテリーが高温になってしまうことがあります。
充電するたびにiPhoneが熱くなるようであれば、ケースを外してから充電するのがおすすめです。
iPhoneのバッテリーが膨張してしまうのは、リチウムイオン電池の劣化が原因です。
バッテリーの膨張を放置すると、火災・爆発といった事故につながる可能性があるため、できるだけ早めに対処するようにしてください。
また、バッテリーが長持ちするよう、iPhoneの適切な使い方を心がけましょう。
バッテリーが膨張したiPhoneを処分する際は、パソコン廃棄.comを利用するのもおすすめです。
今回の記事も参考にしてください。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。