「ノートパソコンを充電した状態で寝たはずなのに、朝起きたらまったく充電されていなくて困った」
こういった経験をされる方は決して少なくありません。
しかし、焦らなくても大丈夫です。
ノートパソコンかバッテリーの不具合なのでは・・・?という心配が真っ先に頭に浮かぶかもしれませんが、そうとも限りません。
意外に簡単な対処ですぐに解消されることも多いです。
そこでこの記事では、ノートパソコンで充電ができなくなる原因と、症状別の対処法について解説していきます。
加えて、充電できないというトラブルに遭いにくくするため、バッテリーを長持ちさせる方法についても紹介します。
【この記事でわかること】
ノートパソコンが充電できなくなる理由は、主に以下の5つとなります。
しっかりと電源ケーブルをコンセントに差し込んだつもりが、うまく挿さっておらず通電できていない、または通電状況が不安定だった、ということが原因で充電できていないというケースがあります。
単純な原因のため見落としがちなのですが、コンセント側やパソコン側のどちらかの差し込みがうまくいってなかったことで充電できていない、という状況は意外に多いものです。
また、ノートパソコンの差込口にホコリが溜まっていることで、一見問題なく挿さっているように見えても実は通電していない、という場合もあります。
電源ケーブルの上に重い物を載せてしまったり、ケーブルを強い力で折り曲げたり、同じ電源ケーブルを長年使用していたりする場合は、ケーブル内部で断線を起こしていることがあります。
ケーブルの断線が起こると正常な通電ができなくなり、バッテリーの充電もできなくなってしまいます。
ケーブルの断線も、パソコンの充電ができなくなる一つの原因です。
パソコン本体にバッテリーパックがうまく取り付けられていないことで接触不良を起こし、充電ができなくなることがあります。
特にノートパソコンを持ち歩くことが多い場合には、移動時の振動や衝撃によってバッテリーが外れてしまうということが考えられます。
ノートパソコンの内部に不要な電気が溜まってしまうと、正常な充電の妨げになってしまうことがあります。
特に、ホコリっぽい場所でパソコンを使用することが多い場合は、帯電が原因で充電できなくなっている可能性が高まります。
ホコリには静電気が付着しやすいためです。
ノートパソコンを触ってみて、異常に熱いようならば、内部で熱暴走を起こしている可能性が高いでしょう。
熱暴走を起こした状態で放置してしまうと、CPUなどの重要パーツにダメージを与えてしまい、充電ができなくなることがあります。
高温多湿な環境でパソコンを操作していたり、直射日光が当たるような場所でパソコンを保管していたりすると、この現象に遭遇しやすくなってしまいます。
ノートパソコンやバッテリーが物理的に故障している可能性も考えられます。
どちらも消耗品であるため、使用するたびに少しずつ劣化していきます。
長年使ってきたノートパソコンの場合は、単に故障してしまったということが原因で充電できなくなっているのかもしれません。
「最近パソコンの動きが怪しかった」
「充電してもすぐにバッテリー切れを起こす」
こういった場合は、特に故障や寿命の可能性が高くなります。
ノートパソコンが充電できない時には、いくつかの取るべき対処法があります。
すべて簡単なものなので、充電できない状態であっても焦らず、落ち着いて以下の対処法を一つずつ実践していってください。
一見しっかりとコンセントに挿さっているように見える電源ケーブルでも、ずっと挿しっぱなしだったことでいつの間にか緩んでいて、実はうまく挿さっていなかったというようなケースは結構あります。
従って、一度コンセントから電源ケーブルを抜き、目視でしっかり確認しながら正しく挿しこんでください。
もちろん、パソコン側の差込口の方も同じ要領で行ってください。
また、パソコン側の差込口がどういう状況なのかも充分に確認すべきです。
差込口の中がホコリだらけになっていると、通電の妨げとなり、正常な充電ができなくなる場合があります。
ホコリが溜まっているようならば、清潔な乾いた布などを使用してホコリをしっかりと除去してください。
差込口や冷却ファンの定期的なホコリ除去掃除は、パソコンを長持ちさせるために非常に重要なメンテナンスです。
電源ケーブルがしっかり挿さっているのに充電できない場合は、ケーブル内部で断線が起こっている可能性があります。
予備のケーブルがあれば、それを利用してみてください。
予備がない場合は、購入してしまうのもよいでしょう。
電源ケーブルは高価なものではなく、数百円で購入できるものもありますので。
バッテリーパックがパソコン本体にうまく取り付けられていないと接触不良を起こします。
結果的に充電できなくなってしまうので、バッテリーパックが取り外せるタイプのノートパソコンの場合は、何度かバッテリーの取り外しと取り付けを繰り返してみてください。
正常に充電できている場合は、バッテリーの充電ランプが点灯します。
ランプが消灯している場合は、充電が完了しているか、電源が繋がっていない状態であることを示しています。
もし充電が完了していないのにランプが消灯している場合は、前述したような「電源ケーブルの挿し直し」や「別のケーブルを使う」といった方法で対応してください。
ランプが点滅している場合は、バッテリーに何らかの不具合が発生していることを示唆しています。
バッテリーの故障時にもこの現象が発生するため、最悪の場合、バッテリーの交換を考えなければなりません。
なおNEC製のノートパソコンを使っている場合は、「バッテリ・リフレッシュ&診断ツール」を使用することで、バッテリーの劣化の進行を抑え、安定して長く使えるように調整することが可能となりますので、是非利用してください。
参考:「バッテリ・リフレッシュ&診断ツール」について | NEC
パソコン内部に不要な電気が溜まってしまうと、正常な充電ができなくなることがあるため、一度内部の電気を放電させてみましょう。
ノートパソコンにおける放電の手順は以下の通りです。
この放電によって、充電ランプの点滅も解消できる可能性があります。
ノートパソコンが異常に熱を持っている場合、内部で熱暴走を起こしている可能性があります。
こういった時は、パソコンの電源を落とした後、風通しの良い涼しい場所にしばらく放置しておいてください。
その後、パソコンを触ってみて完全に冷えたとわかったら、再び充電してみてください。
熱によって充電が阻害されていた場合は、この方法で解決することが多いです。
バッテリーの充電ができなくなってしまうのは、普段のノートパソコンの使い方に問題があるから、ということも考えられます。
バッテリーの劣化を速めるような使い方をしていれば、何らかの不具合を起こしやすくなってしまいますので。
バッテリーのトラブルを避けるために、ノートパソコンを使う際は以下のような点に注意してください。
他の精密機械同様、パソコンもバッテリーも熱には非常に弱いです。
従って、以下のような環境でパソコンを使用することは控えてください。
また、真夏の車内にノートパソコンを置きっぱなしにするような行為も非常にまずいです。
場合によっては、バッテリーの発火を招くこともあります。
パソコンは、使用する時でも保管する時でも、できるだけ涼しく風通しの良い場所を選ぶようにしてください。
パソコンにとって、熱と同じくらいの大敵が「湿気」です。
湿気がパソコン内部に入り込む機会が多いと、確実にパソコンやバッテリーの劣化スピードは速まります。
こういった環境でノートパソコンを使用することは避けた方が良いです。
普段から、バッテリーの消費を抑える設定にしておくことも、バッテリーを労わることになります。
ディスプレイの明るさを控えめにしたり、バッテリー設定をあまり高パフォーマンスにしないようにしたり、といった形です。
バッテリーは、このような状態の時に劣化が進みやすくなります。
バッテリーにとっても最も負担がかからないのは、充電が20~80%ほどの状態と言われています。
従って、充電する際は100%までもっていかず、こまめな充電を繰り返しながら20~80%の充電量を維持することで、バッテリーの寿命が延びます。
以上、ノートパソコンのバッテリーが充電できない原因と、症状別の対処法について解説してきました。
軽度なトラブルならば、ここに掲載した方法で改善することが多いはずです。
しかし、バッテリー自体が故障していたり寿命を迎えている場合は、もはやバッテリーの交換しかありません。
なお、バッテリー交換にはもちろん費用がかかりますし、バッテリーが寿命を迎えているということは、他のパーツもそれなりに劣化している可能性があります。
従って、思い切ってパソコンごと買い替えるというのも一つの手ですので、検討してみてはいかがでしょうか。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。