SSDが認識しないために、データの読み込めず困ったことはありませんか?SSDは近年主流のストレージであり、高速でデータの読み書きができることから大切なデータを保存するために使っている人は多いでしょう。
そんなSSDが認識しなくなったとき、対処法を知っていれば解決できるかもしれません。そこで今回は、SSDを認識しない原因から対処法まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
SSDが認識しない原因は、論理障害と物理障害の2つに大きく分けられます。ここで、論理障害と物理障害に分けて、SSDが認識されない原因をご紹介しましょう。
システムやデータの不具合・破損が原因で起こる障害を論理障害と呼びます。システム上でSSDが認識されていないのであれば、論理障害の可能性が高いです。SSDが認識しない論理障害には、以下の6つのケースがあります。
Windows10/11システムで不具合が起きていると、正常にSSDが認識されない可能性があります。OSは機器全体の管理や抑制を行うソフトウェアのため、不具合が起きるとさまざまな障害が起きてしまうかもしれません。
しかし、OSの不具合であれば修復やアップデートを行うことで改善され、SSDも正常に読み込まれる可能性があります。
デバイスドライバーとは、パソコン内部の装置や外部から接続された機器を動作させるためのソフトウェアです。SSDもデバイスドライバーを通じて動作するため、何かしら不具合が起きていると正常に認識してくれません。
一時的なエラーもあれば、ドライバーのバージョンが古いことで正常に機能していないケースもあります。また、Windows Updateが行われたことでドライバーが対応しなくなり、SSDを含む周辺機器が認識されなくなるケースも少なくありません。
SSDのフォーマットとは、SSDを初期化して使用可能な状態にすることです。フォーマットすればSSDに保存していたデータがすべて消去されるため、データを読み込めない状態になってしまいます。
また、フォーマット中にエラーや時間がかかるからと強制終了させ、正常に完了しなかった際もSSD内のデータが破損する可能性があり、正常に開けない状態となってしまいます。
キャッシュファイルとは、頻繁に使うデータを取り出しやすくするために一時的に保存されるデータのことです。SSDのデバイスドライバーが正常であっても、ドライバーのキャッシュファイルが損傷していることで認識してくれないことがあります。
パソコンがウイルスに感染すると、内部のデータが破壊されることがあります。そのため、ウイルスの影響でSSD内部のデータやシステムが壊れ、正常に認識されないこともあるでしょう。
また、ウイルスに侵入するとパソコン自体の動作が重くなり、それによりSSDの接続を含み、システム上でさまざまな不具合が発生するケースもあります。ウイルスは不具合だけではなく、ファイルや個人情報を流出させるリスクもあるため、セキュリティ対策はとても重要です。
SSDの空き容量が減ると、読み書きの処理速度が低下してしまいます。その影響で、データが上手く読み込めなくなってしまうことがあります。この場合、不要なデータを削除して容量を減らすことでパソコンのパフォーマンスが改善され、SSD内のデータを正常に読み取れるようになる可能性が高いです。
物理障害は、経年劣化や直接的な衝撃、水没などが原因でSSDが故障した状態です。SSDが認識されない以外に、エラーメッセージの表示や異音、異臭などの症状が出ることがあります。SSDが認識されている状態でも、頻繁にエラー表示や異音・異臭がすれば注意が必要です。
SSDは物理的に動作する部品がないためHDDと比べて衝撃に強く、寿命も長いとされています。しかし、強い衝撃を受けると、本体が故障してしまう可能性が高いです。
また、寿命は5~10年とされていますが、頻繁に書き込みやデータ削除などアクセスを繰り返していると早々に劣化が進み、故障してしまう可能性があります。そのため、定期的な交換が必要です。
SSD自体が壊れてしまった場合、個人でデータを復旧するのは難しいでしょう。素人がデータ復旧やSSDを分解して直そうとするとなると、かえって状況を悪化させてしまう恐れがあるので注意してください。
外付けSSDとパソコンを繋ぐUSBケーブルに問題がある場合も、正常に認識されません。たとえば、USBポートが破損していたり、ケーブルが断線したりすると、機器とパソコンを正常に接続させることができません。
USBケーブルが原因の場合、SSD本体が故障しているわけではないので、ケーブルを新しいものに変えれば問題は改善されます。
外付けSSDを誤って水没させたり、雨漏りや浸水によりSSDに水がかかってしまったりすると、電気障害によってSSDが故障します。水分が内部に入った状態で電源を入れるとショートしてしまうのが原因です。
また、濡れたからといって間違った方法で乾かすと内部の腐食を進行させ、状態を悪化させる恐れがあります。水没した際は正しい対処法をとることでデータを復旧できる可能性があるため、専門業者に相談するのがおすすめです。
SSDが認識しない原因が論理障害にあれば、復旧が見込めます。ここからは、SSDが認識しないときに試してほしい対処法をご紹介しましょう。
一時的なシステムやドライバー、ファイルなどのエラーであれば、パソコンを再起動させてください。再起動によってシステムやメモリなどの動作がリセットされ、不具合が解消されます。再起動してもSSDが認識されないのであれば、ほかに原因があると考えられるでしょう。
トラブルシューティングとは、何か問題があった際に原因を見つけ、解決策を導き出してくれるプロセスです。「ハードウェアとデバイス」のトラブルシューティングを実施すると、SSDが認識されない問題を突き止め、修復してくれる可能性があります。
トラブルシューティングを実行させる流れは以下のとおりです。
①スタートボタンを右クリックして、「ファイル名を指定して実行」を選ぶ
②ウィンドウのボックスに「msdt.exe -id DeviceDiagnostic」と入力して、実行ボタンをクリック
③トラブルシューティングのウィンドウが表示されたら「次へ」をクリックし、チェックを始める
④問題箇所が発見されたら、「修復を適用」の選択肢をクリックして修正を実行
トラブルシューティングの場合、SSD本体やBIOSの不具合であれば解決できないので注意してください。
外付けSSDが認識されない場合、USBケーブルを抜いて、再度差し込んでみてください。一時的なエラーであれば、ケーブルの再接続によって解決する可能性があります。
また、ケーブルの故障が原因で認識されないことがあります。再接続しても改善しないときは、別のケーブルを使って接続を試してみてください。
BIOSとは、パソコンのメイン基板となるマザーボードに搭載されるプログラムで、役割の一つがハードウェアの抑制です。BIOSを再設定し、SSDの接続をやり直すことで問題が解決する可能性があります。
BIOSの再設定のやり方は以下のとおりです。
①パソコンの起動時、メーカーのロゴが表示されている間に特定のキーを入力して、設定画面に切り替える
②Advancedタブに移り、SATA Controller ModeをIDEに変更する
③F10キー押して設定を保存し、OS画面に移動する
BIOS画面の移動はメーカーによって異なるので、確認した上で実行してください。また、設定画面が基本的に英語での表示となり、むやみに変更するとSSD以外のハードウェアの設定まで変わってしまいます。
パソコンの知識がないと設定ミスを起こす可能性があるので、難しいと感じたら個人で再設定するのは避けましょう。
SSDのデバイスドライバーを最新版にアップデートすると改善されることがあります。最新版になっているか確認し、古いバージョンであれば更新してみてください。デバイスドライバーの更新の流れは以下のとおりです。
①タスクバーの検索ボックスで「デバイスマネージャー」と入力し、プログラムを起動します
②表示される項目から対象のSSDを選び、右クリックして「ドライバーの更新」を選択
③「ドライバーを自動的に検索する」を押し、最新版があれば自動的に更新
SSDのメーカーのWebサイトから最新のデバイスドライバーをダウンロードし、手動で更新する方法もあります。ドライバーをダウンロードする際は、bitバージョン(32bitか64bitか)は使っているパソコンにあったものを選びましょう。
bitバージョンを間違えてインストールを行うと、SSDのトラブルが改善されないので注意してください。
エクスプローラーで接続されたSSDを見ると、ドライブ名に(C:)や(E:)が表記されています。この表記はドライブ文字と呼び、これを変更するとSSDが認識される可能性があります。ドライブ文字の変更手順は以下のとおりです。
①スタートボタンを右クリックして「ディスク管理」をクリック
③変更するSSDを選択して右クリックし、「ドライブ文字とパスの変更」を選ぶ
④変更したいドライブ文字を選び、変更(ドライブ文字の表示がないときは追加)をクリック
⑤「次のドライブ文字を割り当てる」から好きな文字を選び、「OK」をクリック
SSDとは別に外付けハードディスクを接続している場合、それが干渉してSSDが認識されないことがあります。一度ハードディスクを外した上で、SSDを接続してみてください。
この方法で改善された場合、ハードディスクのデバイスドライバーの更新も試してみてください。ドライバーの更新によって、同時接続しても正常に認識されるようになる可能性があります。しかし、再発に不安があれば、SSDとほかのハードディスクを同時に接続するのは避けたほうがいいでしょう。
ウイルスが原因になっていることもあるので、セキュリティソフトを使って感染していないかチェックしてください。セキュリティソフトを導入していれば、感染チェック以外にウイルスの排除・感染防止も行ってくれます。
原因となっているウイルスを排除すれば、SSDが正常に認識される可能性があります。また、セキュリティソフトの導入だけではなく、怪しいサイトへのアクセスや怪しいファイルのダウンロードも避けることも大切です。
Windowsの更新プログラムがSSDを認識しない原因になっていることがあります。その場合、直近にダウンロードした更新プログラムをアンインストールすると改善されるでしょう。アンインストール方法は以下のとおりです。
①スタートメニューから設定を開き、更新とセキュリティ→Windows Updateに移動
②更新履歴の表示に移動し、「更新プログラムをアンインストールする」をクリック
③直近の更新プログラムを選び、アンインストールを実行
SSDを使うために、「フォーマットしてください」のアラートが表示されることがあります。そのまま「ディスクのフォーマット」を選択すると、SSDに保存しているデータが消去され、初期化されてしまいます。フォーマットの表示が出た際は、以下の対処法を試してみましょう。
システム上のエラーによるアラートであれば、再起動させることで改善される可能性があります。まずは再起動で改善されるか試してみてください。再起動しても直らないときは、ほかの方法を試してみましょう。
SSDのデバイスドライバーが古いことで、エラーが発生していることもあります。再起動で改善されない際は、上記で解説した流れでデバイスドライバーを新しいバージョンに更新してみてください。
上記でも解説したように「ハードウェアとデバイス」のトラブルシューティングを実施すると、SSDに起きている問題の診断が可能です。診断により問題が見つかった際は修復され、改善につながる可能性があります。
「S・M・A・R・T」は、SSDやHDDなどストレージに内蔵される自己診断機能です。「CrystalDiskInfo」と呼ばれるフリーソフトを使うことで、SSDの健康状態を確認できます。注意と表示されている場合、SSDが不具合を起こしている可能性が高いので、完全に故障してしまう前に早期に交換を検討してみましょう。
今回は、SSDを認識しない原因から対処法まで解説しました。大事なデータを保存しているSSDに突然接続できなくなると、データの読み書きに支障が出てしまいます。
一時的なシステムエラーやケーブルの故障などであれば、比較的対処しやすいのでそれほど心配はいらないでしょう。しかし、ご紹介した対処法を実践しても改善されないときは、専門業者への相談がおすすめです。また、個人での対処に不安があるときも専門業者に相談すれば、早期に問題を改善できます。