パソコンを買い替えたけどデータ移行の方法がわからない
Windows10にデータ移行する方法は?
など、パソコンを買い替えた際に、悩んでしまうのがデータ移行です。
パソコンのデータ移行は、時間がかかり大変な作業ですが、手順通りに進めれば失敗することもありません。
大切なデータを新しいパソコンにしっかりと移行するために、手順を確認して進めましょう。
この記事では、パソコン買い替え後のデータ移行について詳しく解説しています。Windows10のデータ移行の方法や外付けHDDを使った方法などのやり方に合わせて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
目次
まずは、データ移行前に古いパソコンで準備しておくべきことを紹介します。
あらかじめ準備することでデータ移行がスムーズになりますので、しっかりと準備しましょう。
古いパソコンのデータを整理してバックアップを取ります。
移行するデータはできるだけ少ない方が、データ移行にかかる時間を短縮できます。不要なデータを削除する、保存するデータは外付けHDDに移行するなどして、できるだけパソコン内のデータをスッキリさせましょう。
パソコンを買い替えた場合に移行するデータの例
以上のようなデータを新しいパソコンに移行します。
パソコンを丸ごと引越しする場合は忘れることは少ないですが、手動でデータ移行する場合は、移行し忘れないようにデータを事前にまとめておきましょう。
データ移行後は、必要なデータがそろっていることを確認してから、古いパソコンのデータ消去をしましょう。
古いパソコンのデータ整理は、引越し前の荷造りのようなものです。きれいにまとめておくと、引越し後の整理も簡単です。
データ整理が完了したら外付けHDDやオンラインストレージサービスを利用して、データのバックアップを取りましょう。
アプリの設定やWebサイトの設定が移行できなかった場合に備えて、各種ログイン情報を一覧表にまとめておきましょう。
ログインIDやパスワードなどをパソコンの記憶機能を使いログインしていた場合は、新しいパソコンでログインできなくて困る場合もあります。
確認しておいた方がいいパスワードの例
必要なログイン情報を一覧表にまとめておくと、ログインしなおす必要がある場合でもすぐに確認できます。
Outlookのメールデータを移行したい場合は、エクスポート作業とインポート作業が必要です。
Outlookのメールデータをエクスポートする方法
これで、メールアカウントのエクスポートは完了です。データが大きい場合は、エクスポートに時間がかかるため、しばらく待ちましょう。
新しいパソコンにOutlookをインストール後に、Outlookにデータをインポートします。
Outlookのメールデータをインポートする方法
以上で、Outlookのメールデータや連絡先を新しいパソコンに引き継ぎできます。
メールデータを保存するのは、USBのほかに外付けHDDやクラウドストレージでも可能。
メールで送信する方法もありますが、データ容量が大きいとデータを添付できない可能性があるため注意しましょう。
Yahoo!メールやGメールなどのインターネット上のブラウザメールを利用している場合は、データ移行の必要はありません。新しいパソコンでログインすれば、古いパソコンと同じ環境でメールを使用できるようになります。
参考:Microsoftサポート Outlook から連絡先をエクスポートする
有料ソフトを古いパソコンにインストールしている場合は、移行方法をメーカーのホームページで確認しましょう。
通常パソコンを買い替えても有料ソフトを買い直す必要はなく、ライセンスを移行することで新しいパソコンでも使えるようになります。
有料ソフトの引越し方法は、古いパソコンでライセンス認証を解除しソフトをアンインストール。新しいパソコンにインストールして、ライセンスキー(またはシリアルキー)を入力します。
たとえば、WordやExcelが使えるソフト「Microsoft Office」は、古いパソコンからアンインストールして、新しいパソコンでライセンス認証することで新しいパソコンで使用できるようになります。ただし移行できるのはパッケージ版Officeのみ。パソコンに添付されているOfficeは移行できません。
ライセンス移行はソフトによって方法が異なりますので、必ずメーカーのホームページで移行方法を確認しましょう。
移行するデータ容量によっては時間がかかることがあるデータ移行。
そのため時間に余裕をもって、充電に気を付けながら実行しましょう。ここでは、注意点をくわしく紹介します。
データ移行にかかる時間は移行するデータ容量やパソコンのスペックによって異なり、数分で終わることもあれば、数時間~半日以上時間がかかる場合もあります。
パソコンから離れてしまうと、移行に失敗したときにすぐに対処できません。データ移行中はできるだけパソコンのそばから離れないように、時間に余裕を持って行いましょう。
ノートパソコンのデータ移行は、電源コードをつないでから実行しましょう。前述した通り、パソコンのデータ移行には時間がかかります。データ移行中にパソコンがバッテリー切れになってしまうと、データ移行に失敗する可能性もあります。
ノートパソコンの場合は、データ移行の途中で充電がなくならないように電源を接続してからデータ移行を行いましょう。
パソコンのデータ移行方法は次のような種類があります。
パソコンのデータ移行は、古いパソコンからデータを取り出し、一時的にデータを保管して、保管したデータを新しいパソコンに移行する方法が基本です。一時的なデータの保管場所が外部メディアやクラウドサービスです。
この方法で移行できるのは、パソコン内のファイルや写真、動画などです。ブラウザの「お気に入り」やログイン情報、アプリの設定などの、パソコンの設定は引き継ぎできません。
USBリンクケーブルでは、コピー&ペーストなどでファイルを移行できるため手軽ですが、この方法でも移行できるのはファイルのみです。
OS搭載の機能や引越しソフトでは、パソコン丸ごとバックアップも可能です。インストールしたアプリなども丸ごと移行できるため、データ移行し忘れもほぼありません。
ここでは、それぞれの方法をくわしく紹介します。
まずはバックアップしたデータを外部メディアに保存して移行する方法を紹介します。
外付けハードディスクドライブやUSBメモリ、CDやDVDなどの外部メディアを利用して手動でデータを移行します。
データをコピーして新しいパソコンに移行するだけで完了するため、手軽にできることがメリット。しかし、パソコンにダウンロードしているアプリは移行できないため、新しいパソコンにダウンロードし直す必要があります。パソコンのデータを丸ごと移行できない点に注意しましょう。
外部メディアへのデータ移行方法
これでパソコン内のデータ移行は完了です。
使用する外部メディアは、移行するデータ容量によって異なります。
メリット | デメリット |
---|---|
費用が安い | ・長期保存に向かない ・容量が小さい |
移行するデータ容量が、128GB以内のデータを移行する場合に利用できます。
パソコンのデータ移行にも使用できますが、USBメモリーはデータを一時的に保存するための媒体で、耐久性が低く長期保存には向きません。
また保存したデータの読み込みや書き出しに、時間がかかることもデメリットです。USBメモリーは費用が安いことがメリットですが、できるだけHDDやSSDの利用がおすすめです。
メリット | デメリット |
---|---|
大容量 | 費用が高額 |
移行するデータ容量が100GB以上の場合は、HDDやSSDを利用しましょう。USBやDVDなどのメディアと比べて保存できる容量が大きいことが一番のメリットです。
SSDはデータの読み込みや書き出しのスピードも速いため、データ移行にかかる時間も短縮できます。USBよりも費用が高額の傾向があります。
メリット | デメリット |
---|---|
・持ち運びしやすい ・長期保存に向いている | データの書き込みに時間がかかる |
CD、DVD、Blu-rayなどの光学ディスクを利用してデータ移行できます。
音楽CDや映像DVDなどでなじみが深い方も多く、持ち運びしやすいことがメリットです。単価が非常に安く、長期保存にも向いています。
音声や映像など容量の大きいデータ書き込みに時間がかかることがデメリットです。パソコンにCDドライブやDVDドライブがついていない場合は、外付けのCD/DVDドライブを購入する必要もあります。
オンラインストレージは、ネットワーク上のサーバーにデータを保存できます。
古いパソコンからオンラインストレージへデータをアップロードして、新しいパソコンにダウンロードするだけでデータ移行が完了します。オンライン上のデータのため、どの端末からでもログインすればデータにアクセスできることがメリットです。
オンラインストレージはアップロードが遅く、容量が大きいデータの移行には時間がかかる可能性があります。オンライン上にデータを保存するため、データ漏洩や破損などのリスクもあります。容量が大きいデータや重要なデータの移行には向いていません。
主なオンラインストレージは次のようなものがあります。無料で使える容量は少ないため、パソコンのデータ移行で使用する場合は有料プランを選ぶのがおすすめです。
それぞれ、特徴は次の通りです。
iPhoneやMacなどのApple製品のユーザーのためのオンラインストレージサービス。AppleIDがあればアクセスできて、無料で5GBの容量を使用可能です。Windows用のiCloudを利用すれば、Windowsのパソコンでもデータ共有ができます。
容量の追加は、50GB月額130円、200GB月額400円、2TBで月額1,300円です。
OneDriveは、Microsoftが提供するオンラインストレージサービスです。Windows標準のサービスのため、パソコンのエクスプローラーからファイルの操作ができることがメリットです。
無料で使用できる容量は5GBまでですが、OSのサブスクサービスの「Office365」を契約すると無料で1TBまで利用できるようになります。Windowsのパソコンを利用している場合は、おすすめのサービスです。
Googleが無料で提供するオンラインストレージです。Googleアカウントがあれば、誰でも使用可能で、無料で15GBまで利用できます。
個人用の有料版はGoogleOne。100GB月額250円、200GB月額380円、2TB月額1300円などのプランがあります。
無料でも利用できるオンラインストレージサービスです。
無料プランは2GBと利用できる容量が少ないことがデメリットですが、有料プランへのアップグレードも可能で、「Plus」プランの場合月額1,250円で2TBのストレージ容量を使用可能です。
参考:Apple iCloud
参考:Google Drive
WindowsやMacには、データを移行できる機能が搭載されています。OSの機能を使えば、アカウントやメール、ブラウザのお気に入りなどを丸ごとバックアップできるため、古いパソコンと同じ環境を復元できます。
Windows10、Windows7を利用していて、今後もWindowsを利用する場合に利用できます。
バックアップと復元を利用したデータ移行
参考:SONY [Windows 10] システムイメージをバックアップする方法
Windows10には搭載されていませんが、Windows8、Windows7では、転送ツールを使いデータを移行できます。
Windows転送ツールでのデータ移行方法
【古いパソコン】
【新しいパソコン】
Macのデータ移行は、Appleが提供する「移行アシスタント」を利用してデータ移行できます。
引越しソフトは、複数のメーカーから発売されています。無料のものはほとんどないため、有料のものを購入する必要があります。
ワンクリックで丸ごと引越しできるなど、簡単に移行できることがメリットです。
ただし、移行できるデータはソフトによって異なります。ファイルなどのデータのみ移行できるもの、インストール済みアプリや個人設定の移行までできるものなどがあるため、引越しソフトを選ぶ際には移行できるデータを確認してから購入しましょう。
引越し用のフリーソフトに関しては、こちらの記事でもくわしく紹介しています。
2台のパソコンをUSBリンクケーブルで接続すると、データ移行できます。マウスやキーボードが共有できるようになり、必要なデータをドラッグ&ドロップやコピー&ペーストで移動できます。
パソコンをつなぐだけで、データ移行の作業が簡単に素早く行うことができるため、直感的に作業したい方にはおすすめです。
自分では、データ移行が難しいという方もいるのではないでしょうか。身近にある家電量販店でもデータ移行の取り扱いがある店舗があります。
家電量販店であれば、店舗数も多くパソコンを持ち込みやすいこともメリットです。
ここでは、データ移行サービスがある家電量販店と費用を紹介します。
ヤマダデンキでは、「パソコン設定サポート」でデータ移行が可能です。パソコンの購入時、購入後、他店で購入したパソコンでもサービスを受けられます。
データ移行の種類と料金(税込)
起動しないパソコン※別途、HD診断老料がかかります。 | 起動するパソコン | |
---|---|---|
100MB未満 | 安心会員価格:8,800円一般価格:11,000円 | 安心会員価格:2,640円一般価格:3,300円 |
1GB未満 | 安心会員価格:17,600円一般価格:22,000円 | - |
100GB未満 | 安心会員価格:30,800円一般価格:38,500円 | 安心会員価格:8,800円一般価格:11,000円 |
100GB以降1GB追加 | 安心会員価格:88円一般価格:110円 | - |
100GB以上 | - | 安心会員価格:26,400円一般価格:33,000円 |
データまるごとお引越し | 不可 | 安心会員価格:12,980円一般価格:15,950円 |
ヤマダデンキのデータ移行の特徴
ヤマダ電機のパソコン処分について解説!メリットや必要な手順を紹介>>
ビックカメラでは、「パソコン丸ごとデータ移行サービス」でパソコンのデータを丸ごと移行可能です。
古いOSや起動しないOSからのデータ移行も可能なため、パソコンが故障して自分でデータ移行ができない場合などにおすすめです。
パソコンの状態やデータの種類によってはデータ移行できない可能性もあります。詳細は店頭の販売員に尋ねましょう。
パソコンまるごとデータ移行サービスの料金(税込)
容量 | 料金 |
---|---|
100GB | 18,000円 |
250GB | 27,000円 |
500GB | 38,000円 |
1TB | 49,000円 |
1TB以降500GBごと | 5,500円 |
ビックカメラのデータ移行の特徴
ビックカメラでのパソコン処分方法について解説!メリットや注意点も紹介>>
ジョーシンでは、パソコンの設定に困った場合の訪問サポートで2GBまでのデータを移行可能です。
2GB以上のデータがある場合は、追加オプションでデータ移行を選びましょう。データを取り出すパソコンは起動できるものに限ります。また、データ移行先のメディアを用意する必要もあります。自宅まで訪問してもらえるので、忙しくて店舗に行く暇がない方におすすめです。
基本出張料 5,000円(税込)
容量 | 料金 |
---|---|
2GBごと | 3,000円 |
ジョーシンのデータ移行の特徴
ジョーシンのパソコン処分方法を紹介!利用メリットから処分対象外のパソコンを解説>>
ノジマでは、店舗や自宅への訪問によりデータ移行が可能です。データ移行には時間がかかる場合もあるため、できるだけ余裕を持って店舗へ行きましょう。
データによっては移行できないものもあるため、あらかじめ確認しましょう。
データ移行やバックアップは18,150円~です。
ノジマのデータ移行の特徴
参考:ノジマ データ移行など、スマホやパソコンの設定は行っていますか?
エディオンでは、各種施工サービスにおいてデータ移行が可能です。最寄りのエディオン店舗で問い合わせや申し込みをしましょう。
パソコンサポート(税込)
サービス内容 | 料金 |
---|---|
パソコン環境・データ移行(8GBまで) | 5,500円 |
パソコン環境・データ移行(追加8GB毎に) | 2,750円 |
出張費 | 3,190円 |
エディオンのデータ移行の特徴
参考:エディオン 施工サービス
エディオンでのパソコン無料処分について解説!メリットや必要な手順を紹介>>
パソコンを買い替えたら、まずは初期設定をして使える状態にしましょう。初期設定には時間がかかる場合もあるため、時間に余裕を持って行いましょう。
初期設定の方法を順番に紹介します。
まずは、新しいパソコンのセットアップを行います。
電源を入れて、画面の指示に従いセットアップしていきます。セットアップ中にインターネット接続を求められるので、WiFi一覧から選択してセキュリティキーを入力します。有線の場合はLANケーブルが繋がっていることを確認しましょう。
マイクロソフトアカウントを持っている場合は、アカウントを入力し、持っていない場合は作成しましょう。
PINやパスワードを設定し、おすすめ設定やセキュリティ対策を設定します。「ようこそ」の文字が表示され、Windows10のロック画面が表示されます。
パスワードを入力してデスクトップ画面が表示されたらセットアップの完了です。
古いパソコンで使用していたプリンターやデジカメなどの周辺機器を再度利用する場合には、ソフトウェアやドライバの再インストールが必要です。
買い替えたばかりの新しいパソコンには、ソフトウェアがインストールされていません。必要なソフトをインストールしましょう。
ライセンスが必要なソフトは、古いパソコンからのアンインストールが必要な場合もあります。事前に確認して、必要な場合はアンインストールしておきましょう。
新しいパソコンでは、できるだけ早くセキュリティ対策をしておくことをおすすめします。
Windows10であれば、標準で「Windows Defender」がインストールされているため、この機能を利用しましょう。
Windows Defenderの設定方法
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。