パソコンを使用中に突然電源が落ちてしまったということはありませんか?
パソコンの電源が落ちる原因は環境やパーツの不具合、ソフトウェアのエラーなど多岐に渡ります。
電源が突然落ちると作業内容を保存できていなかったり、パソコンにダメージを与えたりすることにもなりますので、原因を特定して対処していきましょう。
この記事では
について解説していきます。
目次
パソコンを使用中に電源が突然落ちてしまう理由を解説していきます。
まずはパソコンの使用環境によるものを紹介します。
熱暴走とはCPUが異常な温度を感知すると、システム保護のために自ら電源を落とすことを指します。
CPUの冷却が十分ではなかったり、負荷が高くなって高温になると電源が突然落ちるという現象が起きます。
パソコンは主にファンで冷却されますが、埃が付着していたり吸気口が詰まっていたりすると十分に風を送ることができなって温度が高くなります。
また室温が高い場合にも熱暴走は起きやすくなります。いくらファンを回しても熱い空気を送っていては冷却できません。
また熱暴走の前兆としてファンが高速で回転することがよくありますので、いつもよりもパソコンの動作音がうるさくなっているときは注意しましょう。
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パソコンのそれぞれのパーツは電気で稼働しています。
パーツによって消費する電力は異なりますが、特に電源の容量が必要なパーツは【CPU】と【グラフィックボード】です。
グラフィックボードはゲーミングPCや3DCG、CADなどの作業をするためにパソコンには搭載されていることが多くなります。
CPUとグラフィックボードは高性能になればなるほど使用するワット数が高くなる傾向にあり、パソコンに負荷がかかるような使い方をすると電源が足りなくなって落ちることがあります。
特にゲームや動画編集などの高負荷の作業は電力を多く消費するので、注意が必要です。
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ノートパソコンにのみ関連する内容ですが、バッテリーは使用期間とともに劣化していきます。
買った当初は1日中使えていたのに満充電になってもだんだん使用できる時間が短くなってきたと感じることはありませんか?
使用時間が短くなるということはバッテリーが劣化している証拠ともいえます。
またバッテリーが劣化すると容量はまだあるのに十分な電力を供給することができず、電源が落ちる結果となります。
使用中に突然電源が落ちてしまう場合はバッテリーが傷んでいないか確認しましょう。
パソコンは乾燥した時期などは内部のパーツが静電気を帯びやすくなり、パソコンが誤作動を起こして電源が落ちることがあります。
乾燥した時期に電源が落ちた場合はコンセントを抜いてから電源ボタンの数回押して放電しましょう。
パソコン本体に問題がある場合を解説します。
メモリはパソコンの情報を一時的に保存するパーツです。
メモリの容量が足りない、もしくは不具合がある場合はアプリを起動できなくなったり、パソコンの挙動が不安定になることがあります。
またHDDなどのストレージ関連のパーツに不具合が起きた場合はシステム情報を読み込むことができなくなり、パソコンを起動できないなどの現象が起きることがあります。
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いうまでもないことですが、パソコンは衝撃や振動に弱い機器です。
作業中に落としてしまったり、振動が伝わるような場所で使用しているとパーツが物理的な影響を受けて電源が落ちてしまいます。
特に落下で強い衝撃が加わった場合は内部のパーツの破損も考えられますので、早急にデータのバックアップを取るなどの対策を実行しましょう。
ソフトウェアが原因の場合を解説していきます。
ソフトウェアの中にはCPUに大きな負荷をかけるものもあり、CPUを全開で使ってしまうと発熱して電源が落ちてしまうことがあります。
特にCPUの性能が十分ではない場合はスタートアップで起動するアプリによってCPU使用率が上昇し、立ち上がる度に電源が落ちるというループに入ることもあります。
高負荷のソフトウェアを使用しているときは冷却用のファンが高速で回転するので、すぐにわかります。
ファンが唸るように回転した後に電源が落ちた場合はソフトウェアの負荷による熱暴走である可能性が高いといえます。
ウイルスに感染してもパソコンの動作は不安定になり、CPUの負荷が上がる要因になります。
特に重いアプリを立ち上げていないのにCPUの使用率が高い場合はバックグランドでウイルスが何らかの作業を行っている可能性もあります。
ウイルスの侵入によってパソコンに負荷がかかると電源が落ちることもありますので、普段からの対策が重要です。
パソコンの電源が落ちてしまう場合はどのように対処したらよいか解説していきます。
熱による強制終了を防ぐためにはしっかりと冷却しましょう。
デスクトップパソコンの場合は性能の高いファンに換装する、ヒートシンクを増設するなどの対策が有効です。
吸気口や排気口が埃で塞がっている、内部のパーツに埃や油が付着しているという場合は掃除をしましょう。
ファンの性能が十分でも埃が溜まっていれば内部を冷やすことは難しくなります。
また夏場などで室温自体が高い場合はどれだけ冷却しても効果が薄くなります。
パソコンを使用するときは適正な室温に下げることをおすすめします。
パソコンの性能に対して電源が足りていない場合は十分に供給できる電源に換装します。
電源自体が十分でもコンセントをタコ足配線にしている場合は十分に給電されなくなることもありますので、コンセントは壁に直接刺すようにしましょう。
また外付けハードディスクなど電力を消費するデバイスの接続数が多い場合は外して電源が足りるか確認しましょう。
USB経由でマウスやキーボードあるいはスマートフォンなどを充電することもあるので、その場合は一旦全部抜いて電力不足の原因になっていないか確かめてください。
ソフトウェアが原因で電源が落ちる場合はいったんアンインストールしましょう。
どのソフトウェアが電力を消費しているかはタスクマネージャーから読み取ることができます。
タスクマネージャーは以下の方法で起動できます。
以上の手順で電力消費が高いソフトウェアがあれば一度アンインストールしてみてみることをおすすめします。
ただし、どうしても必要なソフトウェアの場合は動作環境を満たすパソコンに買い替えるのが早道です。
スタートアップで起動してしまってアンインストールする前に電源が落ちてしまうと言う場合はセーフモードでパソコンを立ち上げてください。
セーフモードは必要最低限の構成だけでパソコンを起動させるので、原因となっているソフトウェアは起動しません。
セーフモードの詳しいやり方は【パソコンが再起動を繰り返してしまうときはどうする?対処法と原因を解説!】の記事も参考にしてください。
メモリやHDDなどが破損している場合は修理に出すか交換することで改善できます。
メモリは滅多に壊れることのないパーツですが、容量が足りない場合でも交換する必要があるといえます。
HDDは特に電源が突然落ちてしまうと書き込みをする部分のディスクが急停止してしまうので、ダメージを受けやすいパーツです。
電源は十分で、埃も除去してある。さらに高負荷のソフトウェアもないという場合はメモリやストレージを疑ってみましょう。
メモリやハードディスクの故障についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
ウイルスが侵入するとパソコンの動作を不安定にしてしまうので即刻除去しましょう。
アンチウイルスソフトを常駐させて予防することが最も効果的ですが、USBからのダウンロードやフィッシングメールなどの被害は完全に防ぐことはできません。
ウイルスに感染してしまった場合は
の2点を早急に実行しましょう。
ウイルスは外部へ個人情報などの情報を流出させることを目的としたものが多いので、インターネットから切断することで2次被害を防ぐことができます。
LANケーブルを使用している場合は線を抜く、Wi-Fiの場合はルーターの電源を切るか、パソコンのWi-Fiを切断しましょう。
その後アンチウイルスソフトでスキャンをかけますが、そのときに疑わしいフォルダやファイルが出てきた場合はゴミ箱に入れるだけではなく完全に削除しましょう。
アンチウイルスソフトの状態が最新でない場合は、アップデートのためにやむを得ずインターネットに接続する必要がありますが、アップデートが終わったらすぐにインターネットから接続することを推奨します。
無事にウイルスが除去できたら電源が正常に稼働するか確認しましょう。
ノートパソコンでバッテリーが劣化してしまっている場合は交換するほかに方法はありません。
手持ちのパソコンに適した方法でバッテリーを交換しましょう。
バッテリーの劣化の目安はパソコン上で確認することもできますし、使用時間が明らかに短くなってきたら交換時期といえます。
使用頻度にもよりますが、概ね2~3年ほどで劣化が見えてきます。
また満充電と空に近い状態は著しくバッテリーの劣化を早めます。長期間使わない場合はコンセントに刺しっぱなしにせず、バッテリー80%ぐらいの状態にしておきましょう。
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パソコンの電源が落ちてしまった場合の注意点を解説していきます。
高負荷の作業をした覚えもなく、ウイルスの感染なども思い当たらないのに突然電源が落ちた場合はパソコン本体の故障の可能性が高くなります。
この状態でむやみに電源を入れてしまうと余計症状を悪化させることにもなりかねません。
前触れなく電源が落ちてしまった場合はデータ保護を最優先にして業者に相談することをおすすめします。
電源を入れることはパソコンにとって負担が多き作業となります。
何度も落ちてしまうからといってやたらと電源のオンを繰り返さないようにしましょう。
原因を特定してから電源をオンにすればパソコンの負担も軽減します。
電源が落ちてしまう理由にOSが関連している可能性もあります。
OSが不具合を起こしている場合は再インストールすることで解消することもありますが、そのときはデータのバックアップを取ることを忘れないようにしましょう。
突然電源が落ちないように普段からできる対策を紹介します。
パソコンが突然落ちる原因で多いのは熱暴走です。
熱暴走は冷却が不十分な場合に起こることが多いので、埃などで空気の流れを妨げないよう常に掃除をしておきましょう。
また高すぎる室温での使用や高負荷のアプリの長時間稼働も熱暴走の原因となります。
エアコンを適切に使用し室温を下げ、高負荷のアプリやゲームなどの利用は避けるようにしましょう。
パソコン周りは何かと電源を必要とする機器が多いためどうしてもタコ足配線(マルチタップ)を使ってしまうことも多いでしょう。
壁のコンセント数も限りがあり、距離が遠くて延長コードを使うことも珍しいことではありません。
ただ電源が頻繁に落ちる場合は一度パソコンの電源を壁に直接刺してみましょう。
パソコンは性能によっては消費電力が1000Wという電子レンジ並みの電源を搭載していることもあります。
タコ足配線ではそれぞれが使えるW数の上限も分配されてしまうことになるため、電源が本来の性能を発揮することができません。
一方でモニターやUSB、外付けハードディスクなどは電源をそこまで使用しないのでマルチタップでも問題となることは少ないといえます。
ここまでに解説した対処方を試しても電源が落ちてしまう場合は業者に相談することをおすすめします。
パソコンは諦めてデータだけを取り出したいという場合はデータ復旧業者に相談しましょう。
データ復旧業者はあくまでも「データの救出」が目的となるため、SSDやHDDなどのパーツをパソコン本体から取り外して作業します。
パソコン自体を直すわけではないので、修理を希望する場合は別の業者に相談してください。
パソコンを再び使える状態にしたいという場合は修理業者に相談しましょう。
修理業者は電源が落ちる原因を特定し、パーツやシステムに不具合があればそれを修復します。
ただし、その際はデータの保護の優先度は低くなるので、可能であればバックアップを取ってから修理に出すことをおすすめします。
以上、パソコンの電源が落ちてしまう原因と対処法を解説してきました。
突然電源が落ちてしまう場合はまずパソコンが熱くなっていないか冷却周りをチェックしましょう。
埃で吸気口が塞がっていないか、高すぎる室温で使用していないかも併せて確認します。
また負荷の高いアプリを使用している場合はまず使用を中止しましょう。
タコ足配線やバッテリーの劣化も原因となることもあるので、使用環境を見直すことも重要です。
いずれの対処でも電源が落ちるようになったということであればパーツに不具合が出ている可能性が高くなります。
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監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。
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