ノートパソコンとデスクトップパソコンにはそれぞれ寿命があります。
購入から数年経ったパソコンの「動きが遅い」「頻繁にフリーズする」といったお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
寿命が来たパソコンにはさまざまな症状が現れ、やがて動かなくなります。
この記事では、パソコンの寿命や買い替えの判断基準について紹介します。
パソコンの寿命を伸ばす方法や古くなったパソコンの処分方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
目次
パソコンの平均寿命は、約5年です。パソコンの寿命が近づくと、フリーズする、電源が落ちるなどの症状が現れます。
平均寿命はパソコンの使用状況や、パソコンの種類によっても寿命は異なります。
ここではノートパソコンとデスクトップパソコンに分けて寿命の目安を紹介します。
ノートパソコンの平均寿命は、約3〜5年と言われています。長く使うほどバッテリーやHDDやSSDが消耗し寿命に近づきます。
ノートパソコンの使用頻度や使い方、メンテナンスの有無によっても寿命の長さは変わります。
デスクトップの場合、HDDを搭載しているタイプはおよそ5年、SSDを搭載している場合は10年以上と言われています。
ノートパソコンよりも、デスクトップパソコンの方が寿命が長くなるのは、熱の冷却がスムーズに進み、キーボードなどのパーツ交換がしやすいためです。
パソコンにはさまざまなパーツがあり、それぞれの使い方によって寿命が異なります。
それぞれのパーツの寿命の目安を紹介します。
パソコンの寿命の大きな原因となるHDDの寿命は、平均5年です。
HDDはパソコンのメインとも言えるデータを記憶する場所です。2015年ごろからHDDに代わりSSDを使用しているパソコンが増えました。
SSDは、HDDよりも衝撃に強く、消費電力が少なく、データの読み書きが速く、そのうえHDDよりもサイズが小さいというメリットがあります。
しかしSSDが主流となって日が浅いため、SSDの寿命は未知数な部分もありますが一般的には5年ほどと言われています。
HDDとSSDの寿命に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
ハードディスクの寿命は3~4年!故障の前兆や症状、診断方法を解説>>
【SSDの寿命は5年】故障前のSSDの症状や延命方法を徹底解説>>
バッテリーの寿命は、平均2年程度です。
バッテリーは、2〜3年経過すると新品のパソコンの半分になります。
例えばフル充電で8時間使えるパソコンは、4時間程度しか使えなくなります。
バッテリーの持ちが悪くなってきたら、早めに交換を検討しましょう。
パソコンのバッテリーの寿命に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
ノートパソコンのバッテリーの交換時期は?交換方法や寿命を伸ばす方法も紹介>>
ファンは、CPUを冷やしたりパソコン内部に熱がこもるのを防いだりする重要な役割を持っています。
平均寿命は7年です。ファンは、パソコンの電源がオンの間は常に回り続けており、故障が近くなると異音がするようになります。
寿命が近づいてくるとパソコンの熱を排熱できなくなるため、パソコンの故障に繋がってしまいます。
ディスプレイの寿命は、1日にどれくらい使用するのかなど使用状況によって異なります。ディスプレイの寿命を時間で表すと15,000〜30,000時間です。
毎日8時間使用する人の場合、5〜10年程度使用できる計算になります。
ディスプレイの寿命が近くなると、購入時より画面が暗くなる、鮮明さがなくなる、画面がぼやける、横線が入る、ちらつくなどの症状が現れ、完全に寿命が来ると映らなくなります。
毎日キーボードを利用している場合は、もっと短くなる可能性もあります。
キーボードが反応しない、勝手に反応する、キーが押したまま戻らないなどの症状があれば故障です。
キーボードだけが故障した場合は、外付けのキーボードを使って対応することも可能です。
キーボードの寿命はこちらの記事で詳しく解説しています。
CDやDVDを挿入しても反応がない、ドライブが動かない、読み込みが遅いなどの症状は、寿命が近い状態です。
ドライブの修理は高額のため、パソコンの買い替えや外付けドライブの購入を検討しましょう。
電源ユニットは、パソコンを起動するためのパーツで、負荷が高いため寿命は5年程度です。
寿命が近い電源ユニットを使用していると、各パーツの故障の原因になります。
電源ユニットの寿命が近くなると、勝手に電源が落ちる、起動しない、フリーズする、シャットダウンできないなどの症状が現れます。
電源ユニットの寿命に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【パソコンの電源ユニットの寿命は?】故障前の症状や延命するための方法>>
パソコンの寿命は約5年ですが、寿命を迎えるタイミングはそれぞれの使用状況によって異なります。
パソコンは寿命が近くなると、さまざまな症状が現れるようになります。
ここではパソコンの寿命が近づいてきた時に出てくる症状を紹介します。
パソコンからはファンが回る音や、ハードディスクが動く音などさまざまな音がします。
例えば、パソコンの電源を入れた時に「プチッ」や「ポツ」などのノイズ音が発生することがあります。
電源状態の変化によって、オーディオ回路の出力信号が不安定になったり、オーディオ回路を初期化したりするときに、出力信号が変動するため発生している音のため故障ではありません。
しかし、あきらかにそれまでとは違った音がする場合や異音がする頻度が多い場合は、パソコンに不具合が起こっている可能性があります。
参考:富士通Q&A パソコンから異音がします。故障でしょうか。
パソコンからの異音についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
パソコンからの異音は修理が必要?原因や対処法を詳しく解説します
パソコンが頻繁にフリーズする場合は、熱暴走、ハードディスクの故障、メモリ不足などが考えられます。
パソコン内部には熱に弱いパーツも多く、冷却ファンの機能の低下により排熱がうまくいかなくなると熱暴走を起こします。
ハードディスクは、作業したデータを保管する場所のため、毎日多くのデータの読み取りや書き込みを行っています。
長期間パソコンを使用しているとハードディスクが劣化し、急にフリーズが起こるようになります。
最新のドライバーをインストールしたり、ハードディスクの空き容量を増やしたりすることで改善する場合もありますが、頻繁に起こる場合は故障の可能性があります。
参考:富士通Q&A [Windows 10] パソコンの動作が不安定になることがあります。
パソコンのフリーズに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンが頻繁にフリーズする原因と対処法!強制終了の方法も解説>>
パソコンを長時間使用している場合や内部にホコリがたまっている場合は、パソコン本体に熱を帯びやすくなります。
パソコンが高温になると熱暴走を起こしたり、焦げたような臭いがしたりします。
原因は、コンデンサーの破裂や電源周り、冷却ファンの排出口のホコリなどです。
パソコンからの異臭は火事の原因にもなりとても危険です。
すぐにパソコンの電源を切り、コンセントからプラグを抜いてください。
また、ハードディスクに不具合がある場合でも、パソコン内部から焦げくさいにおいがします。
においが発生すると、どれくらいでハードディスクが故障するかはわかりません。完全に故障するとデータの復旧は難しくなるため、早急に対処しましょう。
パソコンのパーツは消耗品のため、使っているうちに経年劣化します。
パソコンが起動しない、頻繁に電源が落ちる、再起動をくり返す場合は、ハードディスクやマザーボードの故障が考えられます。
パソコン本体に熱がこもり過ぎたことでも強制的にシャットダウンされる場合があります。ファンの故障などの冷却力の低下も原因です。
起動しない、電源が落ちるのは、パソコンに重大な問題がある可能性が高くなります。修理や買い替えを検討しましょう。
参考:富士通Q&A [Windows 10] パソコンの操作中に電源が切れてしまいます。
パソコンが起動しないことに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンが立ち上がらない!起動しない原因と黒い画面になった時の対処法>>
バッテリーは消耗品のため、2〜3年程度でフル充電の電池の持ちが新品の半分になります。バッテリーを交換しないでそのまま使用を続けると、まったく充電できなくなります。
充電できなくなるとバッテリーのみで作動しなくなりますが、ACアダプターを使用していればそのまま使えます。
パソコンが充電できない原因はこちらの記事で解説しています。
ノートパソコンが充電できない原因は?症状別の対処法を具体的に解説
バッテリーの故障の場合は交換で問題が解決しますが、バッテリーが充電中にも関わらずランプがつかないなど無反応の場合は、パソコン側の原因で充電できない可能性もあります。
パソコンのバッテリーの寿命に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
ノートパソコンのバッテリーの交換時期は?交換方法や寿命を伸ばす方法も紹介>>
パソコンの寿命は使い方によって異なり、寿命を伸ばすためのコツがあります。
しっかりと正しい使い方をしていれば、長く使うことができます。
この章では、パソコンの寿命を伸ばすコツを8つ紹介します。
パソコンは高温に弱くデリケートです。
室内の温度に気を付ける、通気口をふさがない、直射日光を避けるなどの対策が大切です。ノートパソコンは熱を逃しにくい構造のため、冷却台の使用もおすすめです。
パソコンの吸排気口にホコリがたまると、パソコンに熱がこもる原因になります。
パソコン周りはホコリがたまりやすいため、定期的に清掃してホコリがたまらないようにしましょう。
パソコンはデリケートで衝撃に弱い機械です。
落としたり、ぶつけたりすると故障する原因になります。
ノートパソコンを持ち運ぶ場合は、ケースに入れてできるだけ丁寧に扱うように心がけましょう。
バッテリーは、100%まで充電する、0%になるまで充電しない、アダプターの差しっぱなしなどで寿命が短くなります。
ノートパソコンに多く使われているリチウムイオン電池は、つぎ足し充電が可能なので、0%になる前に充電しましょう。
充電回数を減らしバッテリー残量が20〜80%を保つようにすることでバッテリーの寿命を伸ばすことができます。
長時間使用しない場合はシャットダウン、数十分〜1時間以内に作業を再開する場合はスリープがおすすめです。
頻繁にパソコンの電源のオン・オフをくり返すとハードディスクに負担がかかります。また長時間スリープモードにすると、常に通電した状態となり、こちらもパソコンに負荷がかかります。
パソコンの寿命を伸ばすためにはPCを使用する時間に合わせて、シャットダウンとスリープモードを使い分けましょう。
パソコンに液体がかかると故障の原因になります。直接液体をかけるのはもちろん、冬場は結露にも注意が必要です。
パソコンを寒い場所から暖かい場所へ移動した場合、内部に結露が発生し水滴がついている可能性があるため、すぐに電源をつけるのはやめましょう。
部屋の温度にパソコンがなじんでから電源をつけると安心です。
パソコンの故障の多くは、HDDやSSDの状態が原因です。急に故障して慌てないためにも、こまめに状態をチェックすることが大切です。
HDDとSSDの状態を調べるためには、フリーソフトの「CrystalDiskInfo」がおすすめです。「CrystalDiskInfo」を使うとドライブの障害や故障の前兆がわかります。
パソコンは内部の清掃などだけでなく、内部データのメンテナンスも必要です。
以下のように、不要なデータを削除するなどしてハードディスクの動作が速い状態を保ちましょう。
パソコンの寿命が近づいてきたら買い替えや処分を検討する必要があります。
この章ではパソコンの寿命がきたときの対処法を年数別に紹介します。
購入から3年以内の場合は、修理を検討しましょう。パソコンの使い方にもよりますが、寿命の目安は5年のため、3年程度の故障は寿命ではない可能性が高くなります。
購入から3年以内の場合、有料で延長保証がつくこともあります。
パソコンは購入してから4年以上経過すると、故障ではなく寿命を迎えるパーツも出てきます。
故障個所を修理しても、他のパーツがすぐに寿命を迎える可能性もあるため、買い替えや処分を検討したほうがいいでしょう。
パソコンの買い替え時はいつ?おすすめの購入時期や買い替え前にやること>>
パソコンを買い換える基準としては寿命や故障などの他に保証期間やサポート期間なども考慮する必要があります。
ここではパソコンの買い替えの基準を紹介します。
パソコンが寿命を迎える大きな原因の1つにハードウェアの故障があります。
ハードウェアとはパソコンを構成しているパーツのことで、ディスプレイ、ハードディスク、メモリ、マザーボードなどがあります。
ハードウェアが故障すると、パソコンが起動しない、データの保存ができない、パソコンが落ちるなどの不具合が起こります。
ハードウェアの故障の中でも、起こりやすいのがハードディスクの故障です。
ハードディスクはパソコン内のデータを保存する場所で、多くのファイルが保存されており、データを読み書きします。
このハードディスクが故障するとパソコンに不具合が起こりやすくなります。
ハードディスクの故障についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンメーカーは、修理対応のためにパソコンのパーツを一定期間保管しています。
メーカーのパーツの保管期間は一般的に6年程度と言われています。この期間内であれば、故障しても修理が可能です。
部品の保有期間が終了すると、メーカーでは修理ができない可能性があります。そのため、修理保証期間が過ぎた場合は、故障する前に買い替えを検討するのがおすすめです。
パソコンの本体の基本的なシステムを管理しているのがOSです。
Microsoft社の「Windows」やApple社の「Mac OS」が代表的なOSです。
OSのサポート期間は定期的な更新で、不具合の改善やセキュリティの強化を行っていますが、発売から約10年で終了します。
例えば、「Windows7」のサポート終了は2020年1月14日、「Windows10」は2025年10月14日となっています。
Windows7のサポートについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Windows7のサポート終了後に使い続けるとどうなる?セキュリティソフトを入れても使えない?
パソコンの起動やシャットダウンができない、突然フリーズするなどの症状は、OSの不具合によって起こる場合があります。
OSのサポートが終了するとこのような不具合の修正がされません。
セキュリティも更新されなくなるため、ハッキングを受けやすくなる、ウイルスに感染しやすくなるなどのリスクも高まり危険な状態となります。
OSのサポート期間終了後は、他に問題がない場合でも、パソコンの買い替えを検討しましょう。
参考:ご存じですか? OS にはサポート期限があります! – Microsoft atLife
パソコンの買い替え時はいつ?おすすめの購入時期や買い替え前にやること>>
パソコンが寿命を迎えたら、新しいパソコンを購入する必要があります。
パソコンを選ぶ際には、次の点をポイントに買い替えを検討しましょう。
次に購入するパソコンを長く使う予定の場合は、メモリ容量やストレージ容量が大きく、高いスペックのパソコンを選びましょう。
短期間で買い替え予定の場合は、コスパを重視して必要最低限のスペックのパソコンを選ぶのも良いでしょう。
パソコンの性能は進化が早く、最低限のスペックのパソコンを短期間で買い替えた方が快適に使える可能性もあります。
パソコンのスペックについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンのスペックとは?調べ方や必要スペックの目安について解説 |
パソコンを使って何をするかによって必要なパソコンのスペックは異なります。
動画制作やソフトウェア開発などがメインの場合は高いスペックが必要です。
ネットサーフィンなどの簡単な操作がメインの場合は、最低限のスペックでも問題ありません。
パソコンの選び方について知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
パソコンの選び方!用途やスペックを初心者にもわかりやすく解説
パソコンを長く使いたい場合は、ハードディスクがSSDタイプのものがおすすめです。
HDDに比べると高額にはなりますが、SSDは落下の衝撃に強く、消費電力が小さい、処理速度が速いなどのメリットがあります。
HDDとSSDの違いについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
どっちを選ぶ?HDDとSSDの違い!寿命や速度を徹底比較 |
OSのサポート期間は約10年です。
サポート期間は発売日からのため、できるだけ最新のOSを選ぶ方がサポート期間が長くなります。
古いOSをアップグレードする場合は有償になるため、できるだけ最新のOSを搭載したパソコンを選びましょう。
パソコンが完全に故障するとデータ移行ができなくなる可能性があります。
新しいパソコンへスムーズにデータ移行するためには、早めにバックアップを取ることが必要です。
パソコンの買い替えに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンの買い替え時はいつ?おすすめの購入時期や買い替え前にやること>>
パソコンの平均寿命に関するよくある質問をご紹介します。
ノートパソコンとデスクトップパソコンによって寿命の目安が異なります。
ノートパソコン:約3〜5年
デスクトップパソコン:HDDの場合約5年、SSD10年以上
パソコンが壊れる前兆はいくつかあります。
パソコンを長持ちさせるには下記の方法が有効です。
パソコンが寿命をむかえた時の対処法は購入してからどの程度経過しているかによって異なります。
パソコンの買い替え時はいつ?おすすめの購入時期や買い替え前にやること >>
パソコンを買い替える時の5つのポイント
パソコンの選び方!用途やスペックを初心者にもわかりやすく解説>>
パソコンの寿命は、平均5年です。
使い方によっても寿命は異なるので、普段から定期的なメンテナンスをすることが大切です。
パソコンは購入から4年が経過するといつ故障してもおかしくないので、急に故障しても慌てないようにデータのバックアップを取るなど準備をしておきましょう。
また、パソコンが寿命を迎え、買い替える場合は古いパソコンの処分が必要です。
古いパソコンの処分は事前にデータの消去を行いますが、完全にパソコンのデータを消去するのは素人では難しい場合もあります。
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監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。