パソコンを使っているうちに、本体が熱くなってしまった経験がある人は多いのではないでしょうか。
パソコンが熱くなったまま使用していると、電源が入らなくなったり、最悪の場合は内部パーツが故障したりといった不具合が発生しやすくなります。
パソコンが熱を持ったことによるトラブルを防ぐためには、早めに適切な対処が必要です。
この記事では、パソコンが熱くなる原因や対処法について解説します。
お困りの方はぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
目次
パソコンが熱くなると、熱暴走を起こしてしまいます。
熱暴走とは、パソコンなどの精密機器が発熱したことで、温度の制御ができなくなってしまうことです。
熱暴走を起こしたパソコンはさまざまなトラブルを引き起こし、最悪の場合、故障につながってしまいます。
ここでは、パソコンが熱くなった時に起こりやすい事象について紹介します。
パソコンが熱くなると、本体から「ブーン」「ジーン」といった大きな音が聞こえてくることがあります。
これは、冷却ファンが内部の熱を逃がすために稼働しているからです。
冷却ファンを回してもパソコンの温度が十分に下がらない場合、さらにファンが回転してますます音がうるさくなります。さらに、そのまま使用を続けると、冷却ファンまで劣化する恐れがあります。
時間が経っても音が鳴り止まない場合、パソコンの熱を冷ますために何らかの対処を行うことが必要です。
パソコンはCPUの故障を防ぐために、高温になりすぎると自動的にシャットダウンするように作られています。
そのため、熱を持ったパソコンを使用し続けていると突然電源が切れることがあります。
強制シャットダウンが行われると、作業中のデータが失われるだけでなく、パソコンの故障にもつながりかねません。
パソコンが熱を持っていると電源が入らなくなったり、突然電源が切れた後に起動しなくなったりすることがあります。
この状態になった場合、パソコンの温度が適温に下がるまで待たなければいけません。
また、強制シャットダウンを繰り返したことで、本体が故障してしまったケースも考えられます。
パソコンが熱くなったまま使用し続けていると、エラーが頻繁に起こりやすくなります。
よく発生する事例として、ソフトウェアなどの動作が不安定になったり、画面がフリーズしたりといった現象が挙げられます。
また、何度もエラーメッセージが表示される場合、CPUやメモリなど重要なパーツに問題が起きている可能性があるため注意が必要です。
パソコンの内部パーツは熱に弱いものが多いため、高温が続くと溶けたり変形したりする危険性があります。
その結果、接触不良を起こして正常に動作しなくなることも少なくありません。
修理のために部品の交換が必要になったり、最悪の場合はパソコンが使えなくなったりすることもあるため、パソコンが熱くなったら早めの対策を行いましょう。
ここでは、パソコンが熱くなる原因について解説します。
当てはまるものがないか確認してみましょう。
パソコンを長時間使用していると内部パーツが動き続けることになるため、熱がこもりやすくなります。パソコンを使用していないときは、電源を切るようにしてください。
また、ノートパソコンの場合、過充電によって本体が熱くなることがあります。バッテリーにも負荷がかかりやすくなるため、充電が満タンになったら電源コードから外しましょう。
冷却ファンの故障も、パソコンが熱くなる原因のひとつです。
冷却ファンが故障していると、パソコン内部の熱を放出することができず、本体がどんどん高温になってしまいます。
また、冷却ファンは動作するものの、部品の劣化によって十分に送風できていないケースも考えられます。
冷却ファンが正常に動作しているかどうかは、回転の大きさで判断可能です。パソコンからの音がうるさくなった場合、冷却ファンの故障を疑ってみましょう。
パソコンが熱くなった場合、本体ではなく外部環境が原因になっているケースも少なくありません。
特に35度以上の部屋で使用し続けていると、パソコンが高温になる危険が高くなります。
夏場はクーラーの効いた部屋で作業するなど、室内の温度管理に気をつけましょう。
パソコンが熱を持ってきたら、不具合が起こる前に早めに対処する必要があります。
ここでは、パソコンが熱くなった時の対処法を紹介します。
パソコンを使用するたびに熱くなってしまう場合は、設置場所を変更してみることをおすすめします。
熱がこもらないように、壁や家具などからできるだけ離して置くようにしましょう。できる限り、パソコン本体と壁の間に10cm以上のすき間を空けるように設置してください。
可能であれば、部屋の中で最も通気性が良いとされている中心付近にパソコンを置くとよいでしょう。
ノートパソコンの場合、本体の底面や側面から熱を排出するようになっていることが多いため、台などの上に置くと熱を逃しやすくなります。
パソコン内部にほこりが溜まっていると、冷却ファンの動作に悪影響を及ぼします。通気性が悪くなって熱がこもる原因にもなるため、定期的に掃除を行いましょう。
パソコンの電源を切った後、ファンにエアダスターを吹きかけてほこりを払います。残っているほこりは、乾いた布で優しく拭き取ってください。
【パソコン清掃時の注意点】
参考:[Windows 10] 冷却ファンや通風孔(吸気孔 / 排気孔)を清掃する – FMVサポート
パソコンが熱くならないようにするための対策として、節電モードで使用するのも有効な手段です。
節電モードには消費電力を抑える効果があり、本体が高温になるのを防ぐことができます。
節電モードに設定する方法は以下の通りです。
【節電モードの設定方法】
参考:電源プランの設定を変更する方法<Windows 10>|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
ただし、節電モードを使用すると画面の明るさや輝度が下がるため、使いづらくなるといったデメリットが存在します。
パソコンが熱くなった時は、冷却アイテムを使用するのも対処法のひとつです。
例えば、外付けの冷却ファンやノートパソコンの下に敷いて使う冷却パッドなどが挙げられます。また、専用のスタンドを使用してパソコンと作業台の間にすき間を作ることで、熱がこもらなくなります。
冷却アイテムはパソコンショップや家電量販店など販売されているため、自分のパソコンや使用環境に合ったものを選ぶとよいでしょう。
パソコンを熱から守るためには、使用環境も見直しましょう。
パソコンの温度は室温よりも7〜8度高く、部屋の温度によっては40度を超えてしまうこともあります。
特に夏場はエアコンなどを活用し、室温が35度を超えないように注意してください。
ただし、必ずしも冷やせばいいというわけではありません。一般的に、パソコンを使用する際の適正な室温は10度〜35度と言われています。
パソコンの冷やし過ぎもかえって故障のリスクを高めてしまうため、適温になるように調整することが大切です。
パソコンを使っているうちに本体が熱を持ち始めたら、いったん使用を中止しましょう。
特にノートパソコンは熱くなりやすいため、定期的に休ませることが必要です。
パソコンが冷却されるのを待っている間に、使用環境を整えるのもおすすめです。
パソコンが熱い時は迅速な対応が必要ですが、なかにはやってはいけない対処法も存在しています。
ここでは、パソコンが熱い時の注意点を解説します。
熱くなったパソコンは、そのままの状態で放置してはいけません。
特に、パソコンから焦げ臭いにおいがする場合、パソコンの中で発火が起きている可能性があります。
故障につながるだけでなく、火事になってしまうリスクも考えられるため、パソコンが熱くなったらすぐに対処しましょう。
パソコンが熱い時は本体を冷ます必要がありますが、急激に冷やさないよう注意してください。
湿度が高い状態で急に温度が下がると、パソコン内部で結露ができる可能性があります。
結露があると内部パーツが壊れやすくなり、パソコンの不具合や故障につながってしまいます。
室温が高い部屋から低い部屋に移動した場合など、温度差があるところではしばらくパソコンの使用を中止しましょう。
パソコンを早く冷やしたいからといって、冷却に氷を使用するのはやめましょう。
氷が溶けた後、水がパソコン内部に入ってしまうと部品の故障やショートなどを引き起こすリスクがあります。
氷だけでなく、食品についてくるような保冷剤の使用もおすすめできません。
パソコンを冷やす際は、専用の冷却アイテムを利用するようにしましょう。
パソコンが熱くなった結果、故障してしまうことも少なくありません。
故障したパソコンをそのまま放置しておくと発火などのリスクもあるため、適切な方法で処分しましょう。
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データ消去も無料で行っているため、パソコンの操作に詳しくない方でも安心です。
パソコンが熱くなると、動作の不具合や内部パーツの故障など、さまざまなトラブルを引き起こしやすくなります。
まずはパソコンの使用を一旦中止し、設置場所や使用環境を見直してみましょう。パソコンの設定を節電モードに変更したり、冷却アイテムを利用するのもおすすめです。
ただし、パソコンを急激に冷やすと結露が発生し、故障の原因につながるため注意してください。
適切な環境でパソコンを安全に使用しましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。