パソコンの起動後や作業中にブルースクリーンになると戸惑ってしまいますよね。
しかし、焦ってすぐに電源を切ってはいけません。
この記事では、ブルースクリーンが発生する原因や対処法を紹介します。
パソコンの再起動や部品交換といった対処法を試し、メーカーや専門業者に修理を出しても直らなかった場合は、パソコンを処分しましょう。
どのタイミングでブルースクリーンになったかによって対処法が異なるので、よく確認してください。
この記事でわかること
目次
ブルースクリーンとは、パソコンの青い背景に白い文字の英語が表示された画面のことです。
WindowsOSが搭載されているMicrosoftのパソコンで、OSに異常が生じたときに起こる現象です。
画面がこの状態になるとキーボードの操作はできず、一度表示されると再起動後も表示されます。
ブルースクリーンは突然表示されることが多いですが、起動システムとメモリのタイミングが合わないときに発生する可能性が高くなります。
ブルースクリーンが出やすいタイミングは以下の4つに分類されます。
下記を参照すると、起動中または作業中に出やすいことがわかるでしょう。
メモリの読み込みエラーなど、パソコン作業中のトラブルがブルースクリーンの原因になることがあります。
ブルースクリーンになって10分後に再起動するため、気を付けてください。
作業中のファイルはこまめに上書き保存をしましょう。
メーカーロゴが表示された後、ハードディスク等基本的な動作に関わる部分のトラブルが発生するとブルースクリーンになる可能性があります。
電源をオンにしてすぐにブルースクリーンになり、先に進みません。
Windowsのupdate後、画面に「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」という表示が出ることがあります。
この状態だとデスクトップにログインしてのデバイスマネージャーの表示や、システムログの確認ができません。
参考:Dell コンピュータでのブルースクリーンまたはエラーコードの停止のトラブルシューティング | Dell 日本
ブルースクリーンが出たときの注意点を2つ紹介しておきます。
ブルースクリーンになってもすぐに電源をオフにしないでください。
電源を切ってしまうと、エラーコードのメッセージを控えられません。
ブルースクリーンが表示されて10分程経つと自動的にパソコンが再起動します。
再起動される前に画面上のエラーコードをメモしておきましょう。
再起動されたらすぐに、データのバックアップを外付けのハードディスクやUSBメモリ、ネットワークHDDに取ってください。
エラーコードはパソコン起動時や作業中に出ることが多いです。
エラーコードが出ると10分後に自動で再起動されるので、その前にエラーコードのメモを取るか携帯電話で画面の写真を撮ってください。
ブルースクリーン上のエラーコードにはそれぞれ意味があるので、見逃さないようにしましょう。
エラーコードのメモを取れなかったときは、以下の対応を取ってください。
参考:ブルースクリーンのエラーコードやログを確認する方法 – Dell Community
ブルースクリーンのエラーコードの種類を紹介します。
ドライバー(パソコン内蔵機器や周辺機器を動かすためのファイル)や、実行中のソフトウェアに不具合が起きているときのエラーコードはこちら。
エラーコード | 意味 |
---|---|
0x0000000A | アクセス許可外領域へのアクセス |
0x0000001E | 無効な領域へのアクセス |
0x0000003F | 不適切なメモリ管理 |
0x0000007E | 互換性の問題が発生している、または破損している |
0x0000009F | デバイスドライバーや接続中デバイスの不具合が起きている |
0x000000BE | ドライバーかメモリの不良・破損している |
0x000000D1 | ドライバーに不具合がある |
0x000000D8 | ドライバーがメモリ使用量を正しくクリーンアップできていない、あるいはドライバーに不具合がある |
0x00000116 | ディスプレイドライバーに不具合がある |
メモリ関係のエラーコードはこちらを参照してください。
エラーコード | 意味 |
---|---|
0x00000050 | 読みだしたいデータがメモリ内に存在しない |
0x000000F2 | メモリ自体が応答しない |
0x0000002E | メモリに不具合が起きている |
0x0000007F | メモリが物理的に壊れている |
これらのエラーコードが出たら、メモリが正しく読み込めていない証拠です。
ハードディスク関係のエラーコードはこちらになります。
エラーコード | 対処法 |
---|---|
0x0000007A | CDから起動できるOSでパソコンを起動し、バックアップを取る |
0x000000ED | 「F8」キーを押しセーフモード起動を試み、「chkdsk/f」「chkdsk/r」を実行する |
0x00000024 | ハードディスクのファイルシステムか不良ブロックが壊れている |
0x000000F4 | ハードディスクかハードディスクケーブルが故障している |
これらのコードが出たら、パソコンのハードディスク等記憶装置にエラーが発生しているはずです。
どれもHDDの物理的な故障を意味します。
より詳しいエラーコードはこちらから確認できます。
参考:コンポーネント別の Windows Update エラー コード一覧 – Windows Deployment | Microsoft Docs
ブルースクリーンが起こる原因を9つ紹介します。
OSであるWindows、ソフトウェア面での不具合が原因になっている場合がこれです。
Windowsの不具合が原因だと最悪、リカバリ作業(パソコンを初期化する作業)が必要です。
Windowsの更新プログラムが実行できない場合は、常駐プログラムの影響またはシステム破損の可能性を考えてください。
クリーンブートとシステムファイルチェッカーを確認してみましょう。
クリーンブートは、スタートアップに登録されているアプリとサービスを無効にしたままパソコンを起動する方法です。
パソコンに周辺機器を接続しているときにブルースクリーンが起きたら、一旦部品を全て外してみましょう。
ブルースクリーンが改善されたら、今度は一つずつ機器を付け直して原因を探します。
パソコンの部品劣化や故障がブルースクリーンの原因になっている場合は、メーカーや専門業者に依頼して部品を交換してください。
システムファイルが破損している可能性もあります。
その場合は以下の7つの方法を試してみてください。
マザーボード部分に接触不良が起こると、エラーになりブルースクリーンを起こすことがあります。
マザーボードを掃除してもブルースクリーンが直らない場合は、HDD障害が起きているかもしれません。
内部基盤が壊れた状態で通電させると最悪発火してしまう可能性があるので、極力電源を入れないでください。
ノートパソコンであればバッテリーを取り外しておきましょう。
マザーボード故障時の症状とは?4大原因と2つの調べ方を解説>>
パソコンがウイルスに感染したときもブルースクリーンになる可能性があります。
このような事態を防ぐために、McAfee・Norton・kaspersky・eset・ウイルスバスタークラウドといったセキュリティソフトをパソコンに導入しておきましょう。
万が一ウイルスに感染してしまったら、以下の対応を取ってください。
ブルースクリーンの原因がメモリの不具合であるならば、少し時間を置いてから再起動しましょう。
再起動で修復する可能性があります。
実行中のプロセスやドライバーが、アクセス許可のないメモリ領域にアクセスしようとしたときも、ブルースクリーンになります。
「explorer.exe」等安定したプログラムが原因である場合は、メモリが故障している・不良品である可能性が高いです。
パソコンが修復しなくても同じ型番のメモリを購入する、メモリを挿し直すなどの対応を取ってみてください。
以下のエラーコードが出た場合は、HDDやSSDの不具合が原因だと考えましょう。
パソコンから外付けHDDやUSBメモリを外すだけで解決することもあります。
ハードディスクが破損している場合、中のデータも破損していると考えた方が良いでしょう。
事前にハードディスクやGoogle Drive、Dropboxなどにバックアップを取っていないならデータ消失の可能性があります。
ドライバーの不具合に起因する場合、ドライバーが多くのメモリを要求したためにシステムが使い果たしてしまいます。
パソコンの作業中よりも起動した後にブルースクリーンになることが多いのは、このせいです。
新しいハードウェアをパソコンに接続するとき、ドライバーが正確にインストールされない場合があります。
この場合、ドライバーがOSに対応していないので最新のバージョンにアップデートしてください。
ブルースクリーンのエラーに対する対処法を9つ紹介します。
メモリの不具合が原因でブルースクリーンが起きている場合は、少し時間を置いてから再起動してみましょう。
再起動は「スタートメニュー」から再起動する方法・サインアップ後に再起動する方法・ショートカットで再起動する方法の3つがあります。
ハードディスクが劣化または故障している場合、とくに異音が聞こえる場合は部品を交換しましょう。
劣化・故障した部品が保証期間内であれば、メーカーに問い合わせれば無償で交換できます。
パソコンを購入して2〜3年経過していたら保証期間を過ぎているので、メーカーか専門業者で部品を購入してください。
パソコンにHDD・外付けSSD・USBメモリ・マウスが接続されている場合は、すべて取り外してください。
周辺機器をすべて取り外してもブルースクリーンが終わらなかったら、周辺機器に問題があります。
一つずつ順番に機器をつけて、不具合が発生している機器を調べましょう。
システムに不具合が発生する前の状態に戻すことをシステム復元といいます。
画面左下の「Windows」マークを押して「設定」に行き、「システム」をクリックすれば実行可能です。
ノートパソコンの場合は必ずACアダプターをパソコンに接続しましょう。
システムを復元すると、パソコンが初期化してしまうことを知っておいてください。
パソコンのメモリの挿入具合が緩んだり接触不良が起きたりすると、ブルースクリーンが起きます。
メモリを挿し直すときは静電気が起きないよう注意してください。
デスクトップパソコン、ノートパソコンそれぞれの挿し直し法を紹介します。
接続機器が原因でブルースクリーンが起きたときは、一旦全てを取り外しましょう。
その後に機器を一つずつ挿し直してみてください。
機器を全て外したときにブルースクリーンが起きなければ、それぞれのドライバーが最新のものかを確認しましょう。
ドライバーが古ければ、新しいものを取り入れてください。
一台ずつ周辺機器を付け直して問題が起きたら、機器または機器のドライバーがパソコンに対応していないのかもしれません。
パソコンのリカバリには最低2時間以上、長いと半日以上かかるので時間に余裕を持って実行しましょう。
リカバリーにはリフレッシュ・システムの復元・リセット(ファイルの削除のみ行う・ドライブを完全にクリーンアップする)があります。
画面の右端からスワイプインし「設定」を選択し、「PC設定の変更」をクリックする。
「保守と管理」をクリックし、「回復」を選択する。画面に表示される指示に従う。
リフレッシュはWindowsが再インストールされ、個人用ファイルと設定は保存されたままになります。
リセットしてしまうと、パソコンが出荷前の状態になるので全てのデータが削除されます。
Windowsの更新プログラムは、Windowsの不具合やセキュリティホール等を修正するためのものです。
しかし更新プログラムインストール後にブルースクリーンになった場合は、アンインストールしてみましょう。
更新プログラムのアンインストールは、画面左下の「Windows」マークから「設定」>「更新とセキュリティ」>「更新の履歴を表示する」>「更新プログラムをアンインストールする」をクリックすれば実行可能です。
設定が変更され外付けハードディスクやUSBメモリからOSの起動が行われてしまうと、パソコンが起動できません。
一旦BIOS設定を見直しましょう。
BIOS設定の起動方法は以下の2つを参考にしてください。
パソコンの電源を入れてメーカーロゴ画面が表示されている間に、「F2」キーを押す。
「スタートメニュー」から、「設定」>「更新とセキュリティ」>「回復」を選択する。
「今すぐ再起動」を選択し、「オプションの選択」>「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「UEFIファームウェアの設定」>「再起動」をクリックする。
ブルースクリーンで再起動を繰り返すときの対処法を4つ紹介します。
システムの復元を試す場合は、その前にデータを復旧してください。
スタートアップ修復を起動させた後、トラブルシューティングの画面から「詳細オプション」を選択し「システムの復元」をクリックします。
システムの復元を実行してもブルースクリーンが直らない場合は、この操作を取り消してください。
システム復元の取り消し方は以下の手順を参考にしましょう。
リカバリを行うと、パソコンは初期状態に戻ってしまうため最終手段として考えてください。
Windowsのリカバリにはリカバリーメディアを使用する方法、リカバリ領域を使用する方法の2つがあります。
BIOSとはBasic Input Output Systemの略称で、マザーボードに搭載されている必要不可欠なプログラムのことです。
BIOSには以下、4つの設定が用意されています。
BIOSの初期化をするにはパソコンをシャットダウンして周辺機器を全て取り外し、90秒放置してからケーブルを接続しましょう。
パソコン起動後「F2」キーを連打すると「BIOSセットアップユーティリティ」という画面が出るので、BIOSを初期化してください。
セーフモードは、「設定」「Shutdownコマンド」「Shiftキー」「システム構成」から起動することができます。
「設定」から起動させる方法
「Shutdownコマンド」から起動させる方法
「Shift」キーから起動させる方法
「システム構成」から起動させる方法
前述の方法を試してもブルースクリーンが直らないときは、以下2つの策を取ってください。
ブルースクリーンが直らないのであればパソコンの寿命の可能性もあるので、買い替えるのがおすすめです。
パソコンの寿命は大体3〜5年と言われているので、それ以上使っているとどんどん劣化していきます。
ブルースクリーン以外にもフリーズしたり電源が落ちたりすることを繰り返す場合は、買い替えを検討しましょう。
またパソコンを買い替える際はデータ移行なども忘れずに行いましょう。
パソコンの買い換えに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンの買い替え時はいつ?おすすめの購入時期や買い替え前にやること>>
ブルースクリーンが頻発するようなら、メーカーや専門業者に修理してもらってください。
メーカーの保証期間を過ぎているパソコンは専門業者に依頼しましょう。
修理を依頼すると、以下のような費用がかかります。
サービス | 料金 |
---|---|
システム修復 | 9,000円+部品代 |
HDD交換修理 | 16,000円+部品代 |
メモリ交換修理 | 5,000円+部品代 |
ブルースクリーンは主に起動時、作業中に出やすいので何をしたときにそうなったかを確認しましょう。
HDD等の故障であれば部品を購入する必要がありますが、再起動すれば直るものもあります。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。