パソコンを使うとき、一緒に水やコーヒーなどを飲みながら作業する人も多いのではないでしょうか。
しかし、中身をうっかりキーボードの上にこぼしてしまうと、最悪の場合故障につながってしまうため注意が必要です。
この記事では、キーボードが水没した際の対処法や、やってはいけない行動について解説します。
万が一のトラブルに備えて、適切な対応を学んでおきましょう。
【この記事でわかること】
目次
キーボードが水没すると、内部部品に不具合が生じて正常に動作しなくなる場合があります。
キーボードを押しても反応しない・勝手に押されるといったトラブルの他にも、押したときに違和感があったり、動作が安定しなくなったりとさまざまな事例が見られるため注意してください。
また、ノートパソコンの場合はキーボードと本体がつながっていることから、パソコン自体に動作不良が生じるケースも多く見られます。
濡れた状態で使用し続けると感電や発火・発煙のリスクが生じるため、できるだけ迅速な対応が必要です。
ここでは、デスクトップパソコンなどの外付けキーボードに水をこぼしてしまったときの対処法を解説します。
ノートパソコンに比べて危険性は低いものの、故障を防ぐためには以下の方法を素早く実践ください。
外付けキーボードが水に濡れてしまったら、まずはパソコンからすぐに取り外してください。
パソコンにつなげたままだと、通電によってキーボードが故障する恐れがあります。
その後の作業で水滴が落ちる可能性があるため、何も置いていない場所にキーボードを移動させるとよいでしょう。
パソコンからキーボードを取り外したあとは、水が出やすいようにキーボードを裏返しにして置いておきます。
このとき、下に乾いたタオルなどを敷いておくのがおすすめです。
水が落ちてこなくなったら、次の作業に移ります。
次に、キーボードの表面についた水分を柔らかい布で拭き取りましょう。
しっかり水分を取り除くことで、乾燥時間の短縮につながります。
ただし、あまり強く拭きすぎると、かえってキーボードが故障してしまうため注意してください。
キーボードの水分を拭き取ったら、直射日光のあたらない場所で陰干しを行いましょう。
室内の気温や湿度にもよりますが、最低でも24時間は乾燥させるのがベストです。
十分に乾燥できたら、キーボードをデスクトップパソコンにつなげて動作確認を行ってください。
ここでは、ノートパソコンのキーボードに水をこぼしたときの対処法を解説します。
ノートパソコンの場合、濡れたキーボードから本体の内部まで水が入り込んで基盤やバッテリーなどに影響を及ぼす可能性があります。
外付けキーボードよりもさらに初期対応が重要になるため、できるだけすぐに対応するようにしてください。
ノートパソコンのキーボードに水をこぼしてしまったら、真っ先に本体の電源を切りましょう。
ただし、キーボードを使用するとショートを引き起こす恐れがあるため、マウスで操作するようにしてください。
電源ボタンを長押しして強制終了させることも可能ですが、キーボードが濡れているときはできるだけ避けることをおすすめします。
ノートパソコンの電源を切ったら、マウス・テンキー・アダプター・バッテリーなど、パソコンに接続されている機器をすべて取り外しましょう。
周辺機器がつながっていると内部に電気が溜まり続けるため、故障のリスクが高くなってしまいます。
注意点として、ノートパソコンの電源が確実に落ちてから対応するようにしてください。
周辺機器を取り外したら、キーボードの表面についた水分を柔らかい布で拭き取りましょう。
ただし、あまり力を入れすぎると、故障の原因につながってしまうため注意してください。
パソコン内部に入り込んだ水分を取り除くために、乾いたタオルでキーボードをやさしく押さえながらノートパソコン本体を裏返してください。
このとき、水がキーボードから液晶側へ流れないように十分注意する必要があります。
水が落ちてこなくなったら、ノートパソコンをそっと元に戻して表面の水分を拭き取りましょう。
ノートパソコンの水切りができたら、直射日光があたらない場所で陰干しを行ってください。
水分が残っている状態で電源を入れると故障する可能性があるため、しっかり乾燥させることが大切です。
最低でも、24時間以上は放置しておくとよいでしょう。
ノートパソコンを完全に乾燥させたら、電源を入れて動作確認を行いましょう。
ただし、一見問題がないように見えても、水濡れが原因で内部に不具合が生じている可能性もあります。
万が一の事態に備えて、データのバックアップは最初に必ず取得するようにしてください。
ここでは、キーボードに水をこぼしたときにやってはいけない対応を5つ紹介します。
キーボードが故障するだけでなく、爆発・発火などの事故を引き起こす危険があるため絶対にやめましょう。
キーボードに水分が残っている状態で通電させると、ショートを起こして故障する可能性があります。
もし水に濡れてしまったら、できるだけすぐに電源から切り離しましょう。
ノートパソコンの場合はデータが消えてしまうこともあるため、不要に電源を入れないようにしてください。
キーボードが濡れてしまったとき、早く乾かしたいからといってドライヤーを使用するのはやめましょう。
パソコン関連の部品は熱に弱いものが多く、温風を当てることによってパーツが変形したり溶けたりする恐れがあります。
ただし、外付けキーボードの場合、ドライヤーの冷風で乾かすのは問題ありません。
パソコンやキーボードは急激な温度変化に弱いため、冷蔵庫に入れるのも避けるようにしてください。
動作不良などの故障につながるリスクが高くなってしまいます。
また、機器が冷えることで結露が発生し、内部の基盤などに水分が侵入する恐れがあるため要注意です。
キーボードやノートパソコン内部の水分を拭き取ろうとして、自分で機器を分解するのはおすすめできません。
かえって故障しやすくなるだけでなく、感電してしまう恐れがあります。
分解する際は、必ず修理業者などのプロに依頼するようにしてください。
キーボードにコーヒー・ジュース・スープなど水以外の液体をこぼしてしまった場合は、自分で対処せず修理業者などに対応を依頼しましょう。
液体に含まれている塩分や糖分などの成分は、重要な部品を損傷・腐食・変色させてしまうため、水分を乾燥させても機器が正常に動作しなくなることがあります。
時間が経つほど症状は悪化してしまうため、できるだけ早く対処するようにしてください。
キーボードを水没から守るには、日頃の対策がとても重要です。
ここでは、明日からすぐにできる対策を4つ紹介します。
大前提として、パソコンやキーボードの近くに飲み物を置かないようにしましょう。
置く場所によっては、どれだけ気をつけていても腕などが当たって飲み物が倒れてしまう可能性があります。
小さな子供やペットがいる家庭では特に注意が必要です。
パソコンを使いながら飲み物を飲みたい場合は、フタ付きカップやペットボトルを選ぶとよいでしょう。
容器が転倒しても中身がこぼれないため、安心して作業しやすくなります。
もしフタ付きのものが苦手な場合は、容器を固定できるドリンクホルダーを活用するのもおすすめです。
ドリンクと一緒にヘッドセットなどをかけられるものもあり、作業スペースを広く確保できます。
各メーカーでは、防水仕様のノートパソコンやキーボードを販売しています。
万が一水に濡れても大きな影響を受けづらく、キーボードを水没から徹底的に守りたい方におすすめです。
飲み物がこぼれてしまったときだけでなく、外出中に雨が降ったときにも役立つため、パソコンを持ち歩いて作業する場合にも適しています。
上記の対処法を実践しても水濡れしたキーボードの動作が改善されない場合、修理か買い替えかの2択を選ぶことになります。
ここでは、それぞれの方法について解説します。
自分では直せない不具合でも、メーカーや業者などへ修理に出すことで改善される場合があります。
機器の購入時期・故障具合などによって費用が異なるため、事前におおよその見積もりをとっておくとよいでしょう。
また、ノートパソコンのキーボードが濡れて電源が入らなくなってしまった場合、自力でデータを復旧させるのは困難を極めますので、バックアップ専門業者に依頼することをおすすめします。
修理しても不具合が直らない場合や購入してから年数が経過している場合、新しい機器への買い替えを検討しましょう。
特に外付けキーボードは比較的安価で購入できるため、修理に出すよりもかえって安く済む場合があります。
ただし、今まで使用していた機器は適切な方法で処分しなければいけません。
不要になったキーボードは自治体の回収ボックスやリサイクルショップなどで回収してもらえますが、直接持ち込むのが大変な場合はパソコン廃棄.comの利用をおすすめします。
不要な機器をダンボールに入れて郵送するだけで手続きが完了するうえに、無料で処分ができて便利です。
キーボードは水に弱いため、うっかり水をこぼしたら迅速な初期対応が必要です。
特にノートパソコンの場合、キーボードの水漏れが原因で本体の動作不良を引き起こす可能性があるため注意してください。
キーボードを水漏れから守るには、防水仕様の製品に買い替えるのもおすすめです。
買い替えによって不要になった機器は、パソコン廃棄.comなどを利用して適正に処分しましょう。
今回の記事もぜひ参考にしてくださいね。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。