Macを搭載したパソコンを使っている時に、以下のような何らかのキーボードの不具合が発生することがあります。
原因は様々であり、特定することは難しいですが、対処法ならばいくつもあります。
この記事では、Macのキーボードが反応しなくなった時の対処法として、初心者でも対応可能な方法から上級者向けの方法まで詳しく解説していきます。
【この記事でわかること】
目次
Mac搭載パソコンのキーボードの挙動がおかしい場合、まずは以下の点について確認を行ってください。
Macパソコンは、ごく一部とはいえ、特定の機種のキーボードで不具合が発生することが確認されています。
こういった機種はリコール対象となっており、Appleが無償で修理対応に応じてくれます。
以下のApple公式サイトに、リコール対象の機種が掲載されていますので、まずはご自分のパソコンがリコール対象の機種かどうかを確認してください。
参考:MacBook、MacBook Air、MacBook Pro キーボード修理プログラム | Apple
ワイヤレスでキーボードを使用している場合は、バッテリー残量がゼロになっていないかどうかを確認してください。
当然ながら、キーボード側のバッテリーが無い状態ならば反応はしません。
また、ワイヤレスの電源がオフになっていないかの確認も行ってください。
外付けのキーボードを使用している場合は、USBがしっかりとパソコンに挿さっているかを確認してください。
一見問題なく挿さっているように見えても外れかけている場合があるため、一度取り外し、再度接続し直してみましょう。
キーボード側の故障の可能性を考慮し、もし可能であれば、試しに他のパソコンに外付けキーボードを接続してください。
これでキーボードが反応しなければ、キーボードの故障がほぼ確定します。
「メディア・イジェクト・キー」と「Caps Lockキー」は、誤って押されてもすぐに反応しないように、多少長押ししないと反応しないようになっています。
従って、これらのキーが反応しないと思った場合は、しばらくキーを押し続けてください。
キーボードが反応しない時に、入力した内容をMacが認識しているかどうか確認する方法として、ソフトウェアキーボードという機能があります。
ソフトウェアキーボードは、メニューバーの入力メニューをクリックした時に表示されるコマンドの中から、「キーボードビューアを表示」を選択するこで表示させることができます。
もしコマンドが表示されていない場合は、「アップルメニュー ⇒ システム環境設定 ⇒ キーボード」と進み、「入力ソース」をクリックしてから、「メニューバーに入力メニューを表示」を選択します。
その後、メニューバーの入力メニューをクリックし、表示するキーボードの言語の入力ソースを選択します。
画面にはソフトウェアキーボードが表示されている状態になっているので、この状態のまま反応しないキーボード押してみてください。
この時、画面上のソフトウェアキーボードに反応があるようならば、キー入力自体はMacが認識しているということになります。
しかしソフトウェアキーボードになんの反応もなければ、キーボードに何らかの不具合がある可能性が高いです。
ちょっとしたことが原因で、キーボードに不具合が発生していたか、もしくは不具合が発生したと勘違いしていた、というパターンもあり得ます。
まずは、以下の基本的な対処法を試してみてください。
キーボードのトラブルに限らず、一時的な不具合ならばパソコンを再起動することで改善することも多いです。
キーが反応しない、入力が遅れる、といったキーボード関連の不具合がある場合は、一度再起動してみましょう。
ただし、再起動は何度も繰り返したところで意味はないので、1~2回再起動してみて改善しなければ、次のステップへ進んでください。
再起動とシャットダウンは、似て非なるものです。
一旦システムを落とすという点では同じですが、再起動とシャットダウンとではプロセスが若干異なるため、再起動では直らなくともシャットダウンすることで直る、という不具合も存在します。
従って、再起動を試して駄目だった場合は、一度完全にシャットダウンしてみてください。
キーボードの溝にホコリが溜まりすぎていると、反応しないか、反応がにぶくなることがあります。
乾いた布や、キーボード掃除専用のアイテムを使用してホコリを除去すると、改善する可能性があります。
なお、Apple公式のキーボード掃除方法もありますので、是非参考にしてください。
参考:MacBook や MacBook Pro のキーボードのお手入れ方法 | Apple
スローキーとは、Mac独特のアクセシビリティ機能で、キーの反応速度が速すぎると感じる場合に、キーを一定時間長押ししないと入力されないようにする設定のことです。
この設定がオンになっていると、通常の入力スピードに慣れている人は、「入力が遅くなった」と感じることがあります。
スローキーの設定が有効になっているかどうかを確認する方法は以下の通りです。
マウスキーとは、スローキー同様にMac独特のアクセシビリティ機能で、特定のマウス操作をキーボードでできるようにする設定のことです。
この設定が有効になっていると、マウス操作に割り当てられたキーが反応しなくなってしまうため、キーボードが反応しなくなったと勘違いしてしまうことがあります。
マウスキーの設定が有効になっているかどうかを確認する方法は以下の通りです。
Bluetoothで接続したキーボードを使用している場合は、再接続を行うだけでキーボード関連の不具合が症状が解消されることもあります。
手順はシンプルで、以下の方法を試すだけです。
Bluetoothの再接続でも駄目な場合は、キーボードのペアリングを再設定することで不具合が直ることがあります。
手順は以下の通りです。
簡易的な対処法で問題が解決しなくとも、以下の方法で解決できる場合があります。
ただし、やや上級者向けの対処法となってしまうため、パソコン初心者の方が行う場合は慎重に実行するようにしてください。
NVRAM/PRAMとは、Macに内蔵されているメモリの一種で、起動関連の情報を記憶しています。
このパラメータをリセットすることで問題が解消する場合があります。
ただし、NVRAM/PRAMのリセットには以下の4つのキー入力が必要となります。
従って、これらのキーが使用不可な状態ですとNVRAM/PRAMのリセットはできないということになります。
上記4つのキーが無事な場合は、以下の手順でリセットを行ってください。
これでリセットは完了です。
参考:Mac で NVRAM または PRAM をリセットする | Apple
NVRAM/PRAMのリセットでも不具合が解消しない場合は、SMCのリセットを試してください。
NVRAM/PRAMは起動関連のメモリですが、SMCはキーボードや電源ユニットなどのハードウェアの管理や制御も行っています。
この設定をリセットすることで、キーボードの動きが正常になる可能性があります。
SMCをリセットする手順は以下の通りです。
これで、SMCのリセットは完了です。
以下のApple公式サイトでは、図解も交えて詳細に解説されています。
参考:Mac の SMC をリセットする方法 | Apple
Apple Diagnosticsとは、Macのハードウェアに問題がないかを調べることができるツールです。
この方法を試すことで、キーボード自体に問題があるのかどうかを確認することができます。
Apple Diagnosticsを使ったハードウェアの検証手順は以下の通りです。
チェックの結果キーボードに問題があると判明した場合は、外付けタイプならば購入、内臓タイプならば修理に出すしかありません。
参考:Apple Diagnostics を使って Mac をテストする
セーフモードとは、必要最低限の機能だけを残した状態でパソコンを起動させるモードのことです。
セーフモードでMacを起動させると、トラブルを抱えている箇所が自動で削除されることがあるため、セーフモードで立ち上げた後に再起動すればキーボードが正常な状態に戻る可能性があります。
Macをセーフモードで立ち上げる方法は以下の通りです。
ここまで紹介した対処法をすべて実践しても駄目ならば、最後の手段としてMacの初期化を試してみるという方法があります。
ただし初期化は、Mac内にあるすべてのデータが消えてしまうため一旦データのバックアップを取らなければなりませんし、初期化完了まで非常に時間がかかります。
もし初期化を行う場合は、以下の記事を参考に慎重に行ってください。
【Macを初期化する方法】事前準備や初期化できない時の対処法も解説 >>
以上、Macのキーボードが反応しない時の対処法を中心に解説してきました。
これまで解説してきました通り、キーボードが反応しなくなってしまった場合は、まず以下の簡易的な対処法を順番に試してください。
それでも駄目ならば、やや難しい方法になってしまいますが、以下の専門的な手順を実践してみてください。
なお、内臓のキーボードが物理的に壊れている場合は、修理に出すかパソコンを買い替えるかのどちらかしかありません。
もしパソコンを買い替える際は、現在使っているパソコンが不要になるかと思われます。
そんな時は、「パソコン廃棄.com」の利用が便利です。
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ただ壊れたパソコンを梱包して送付するだけで、無料廃棄が完了します。
送られてきたパソコンのデータ消去も、責任を持って行わせていただきますので、セキュリティ的にも安心です。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。