富士通のパソコンのバッテリーの減りが異常に早い、ACアダプターなしでは使えなくなったなどの症状が現れたら、バッテリーが劣化しているサインです。
富士通パソコンのバッテリーはメーカーに交換を依頼するだけでなく、自分で交換も可能。バッテリーを交換すれば、再び快適にパソコンを使えるようになる可能性があります。ただしバッテリー交換は、パソコンの知識が必要で、故障するリスクもあるなどの注意点もあります。
この記事では、富士通のパソコンのバッテリー交換方法や費用、注意点について詳しく解説します。この記事を最後まで読めば、富士通のパソコンのバッテリー交換に迷わなくなるでしょう。
【この記事でわかること】
目次
ノートパソコンのバッテリーは消耗品で、長期間使用すると充電能力が低下します。バッテリーは充電と放電を繰り返すことで徐々に劣化し、バッテリーの持ち時間が短くなったり、ACアダプターなしではパソコンが起動しなくなったりすることがあります。
一般的に、ノートパソコンのバッテリーは約500〜2,000回充電すると初期容量の50%まで劣化すると言われています。そのため、バッテリーの寿命は使用方法にもよりますが、一般的には2〜3年とされています。バッテリーが充電できなくなると、ACアダプターなしではパソコンを使用できなくなります。
また、劣化したバッテリーは、発火や破裂などの危険性も。そのため、バッテリーの寿命が来た場合、できるだけ早くバッテリーの交換が必要です。バッテリー交換することによって、発火などのリスクが減り、パソコンを持ち運んで利用できます。
バッテリー交換は自分でもできる作業ですが、専門的な知識が必要な作業です。自信がない場合は、富士通のバッテリー交換サービスや、専門の修理業者へ依頼しましょう。
ノートパソコンのバッテリーは、使用頻度や環境によって劣化していきます。バッテリーの劣化が進むと、以下の症状が現れることがあります。
このような症状が現れたら、バッテリー交換が必要なサインです。また、バッテリーが膨らんでいる場合は、発火や爆発の可能性もあるため早めの交換がおすすめです。
それぞれ順番に解説します。
富士通のパソコンは、バッテリーの状態が悪いことを示すエラー表示が出ることがあります。例えば、以下のようなものです。
これらのエラー表示が出た場合は、バッテリーの劣化が原因で、バッテリーが正常に動作していない可能性があります。
以前は8時間以上使えたのに、4時間も持たなくなった、バッテリー残量が50%だったのに、1時間で20%に減ったなどの症状が現れた場合、バッテリーの劣化が原因で本来の性能を発揮できていないと考えられます。
ACアダプターを外すとすぐに電源が落ちる、ACアダプターを外して数分後に電源が落ちるなどの場合は、バッテリーの劣化が原因で、バッテリーの電力が不足している可能性があります。
バッテリー残量が20%を切ると、強制シャットダウンされるなどのように、バッテリーが劣化すると、強制的にシャットダウンされることがあります。急にパソコンがシャットダウンされる症状も、バッテリー劣化のサインです。
パソコンのバッテリー交換は、いつすればいいかわからない方もいるのではないでしょうか。パソコンのバッテリーの寿命は2~3年と言われており、バッテリー劣化の症状が現れる前でも交換するのがおすすめです。ここでは、バッテリー交換のタイミングについて、詳しく解説します。
富士通のパソコンは、バッテリーの消耗状態をバッテリーユーティリティから確認できます。Windows11の場合、バッテリーユーティリティの確認方法は以下の通りです。
バッテリーユーティリティとは、パソコンに装着されたバッテリーの状態の閲覧や、バッテリーの満充電量を調整できる機能です。
バッテリーユーティリティの「バッテリーの情報」からは、装着しているバッテリーの情報を確認できます。バッテリーの消耗状態の項目では、現在のバッテリーの消耗具合がわかります。交換時期も知らせてくれるため、バッテリーユーティリティで消耗が激しいと表示された時には交換がおすすめです。
参照:FMVサポート バッテリーユーティリティについて教えてください。
ノートパソコンのバッテリーは、使用頻度や環境によって劣化していきます。以下の症状が出た場合は、バッテリー交換がおすすめです。
このような症状が出たまま使い続けると、パソコンを持ち運びできなくなり、最悪の場合は発火などのリスクもあります。バッテリー劣化の症状に気付いたら、なるべく早めにバッテリー交換をしましょう。
一般的に、ノートパソコンのバッテリーは購入から2~3年で劣化することが多いです。そのため、購入から2~3年が経過したらバッテリーの状態を確認し、必要であれば交換を検討しましょう。
使用頻度や環境によっても、バッテリーの劣化の速度は異なります。例えば、以下のような場合は、バッテリーの劣化が早まる可能性があります。
バッテリーの劣化を防ぐためにも、適切な使用方法を心がけましょう。
富士通パソコンのバッテリー交換にかかる費用はバッテリーの種類や交換方法により異なり、主に以下の4つの方法があります。
それぞれの費用の目安について、解説します。
純正のバッテリーを購入して自分で交換する場合、バッテリーの価格は約10,000円から20,000円程度です。
自分でバッテリー交換する場合は、工賃がかからないため費用を安く抑えられます。ただし、故障する可能性や保証対象外になるリスクがあることを覚えておきましょう。
互換バッテリーとは富士通の純正品ではないバッテリーのことで、純正品よりも安価で購入できます。互換バッテリーを購入して自分で交換する場合、バッテリーの価格は約5,000円から10,000円程度です。
ただし、純正バッテリーよりも品質が劣っている可能性があり、不具合が起こる可能性がある点に注意が必要です。安価な互換バッテリーを使用した場合は発火などのリスクもあるため、できるだけ純正バッテリーの使用がおすすめです。
富士通のバッテリー交換サービスは、富士通WEB MARTでサービス適用製品と同時に、サービスを申し込みした場合のみ対象となります。ノートパソコンで、バッテリーパックを取り外せない機種の場合はパソコン購入と同時に申し込みするのがおすすめです。パソコンの電源を入れてから3年以内に1度だけバッテリー交換できます。
バッテリー交換にかかる日数は、申し込み状況や修理状況によって異なりますが、概ね7日~10日間程度です。富士通のバッテリー交換サービスを利用する場合、サービス料金とバッテリー代を合わせて通常28,160円の費用がかかります。FMVプレミアムサービスの「あんしんスタンダード」「あんしんワイド」を利用している場合は、バッテリー交換費用が20%オフとなり22,528円になります。
富士通のパソコンは、バッテリーが充電できないなどのトラブルの場合に、修理を依頼もできます。保証期間内であれば無料ですが、保証期間外の場合は有償です。修理にかかる費用は別途見積もりが必要です。
パソコン修理業者に依頼する場合は、業者によって費用が異なります。業者の選び方のポイントは、以下のようなものが挙げられます。
一般的なパソコン修理業者にバッテリー交換を依頼する場合、修理費用とバッテリー代を合わせて約20,000円程度かかります。パソコン修理業者に依頼した場合の費用の目安は、以下のとおりです。
業者 | バッテリー価格 | 交換工賃 | 合計 |
---|---|---|---|
A社 | 16,800円 | 4,500円 | 21,300円 |
B社 | 15,400円 | 4,200円 | 19,600円 |
C社 | 17,600円 | 4,400円 | 22,000円 |
バッテリーの交換方法は、以下3つの方法があります。
最も手軽で安心な方法は、富士通のバッテリー交換サービスに依頼することです。ただし、対象機種が決まっており、サポートに加入していなければどの方法よりも費用や時間がかかります。
費用を抑えたいなら、パソコン修理業者に依頼する方法も。富士通へ依頼するよりも、費用や時間がかからない可能性があります。
最も費用を抑えられるのは自分で交換する方法ですが、バッテリー交換するにはある程度のパソコンの知識が必要で、故障するリスクもあります。それぞれの方法を、順番に解説します。
富士通のパソコンは、バッテリー交換の方法をマニュアルで確認できます。機種によって交換方法が異なるため、必ず事前にマニュアルを確認しましょう。
また、富士通のノートパソコンの一部には自分でバッテリー交換できない機種もあります。その場合は、富士通のバッテリー交換サービスに依頼しましょう。
富士通パソコンのバッテリーを自分で交換するには、以下の準備が必要です。
新しいバッテリーは、富士通の公式Webサイトやパソコン修理業者などで購入できます。バッテリー交換の手順は、以下のとおりです。
自分で交換するときには、必ずパソコンの電源を切ってから作業を行い、静電気に注意してください。
バッテリー交換は、比較的簡単な作業ですが、パソコンの底面カバーを開けると保証の対象外になります。パソコンが故障するリスクもあるため、自信がない場合はメーカーや修理業者へ依頼しましょう。
交換した富士通パソコンのバッテリーの廃棄方法は、下記記事で詳しく解説しています。あわせて、参考にしてください。
富士通のバッテリー交換サービスを利用する場合、富士通のサポートセンターに連絡して、バッテリー交換の依頼を行います。バッテリー交換にかかる日数は、申し込み状況や修理状況によって異なりますが、概ね7~10日間程度です。
引き取り依頼をすると、指定場所まで宅配業者がパソコンを引き取りに来て、バッテリー交換作業が終われば返送されます。
バッテリーの修理を依頼する場合はWebや電話で申し込みできます。宅配業者がパソコンを引き取り、パソコンを確認後、見積もり費用の連絡がメールで届きます。修理が完了したら、パソコンが返送され、修理費用を代金引き換えで支払います。
パソコン修理業者に依頼する場合は、まず修理業者のWebサイトから見積もり依頼をします。パソコンの症状などによって、店舗へ持ち込み、引き取り、出張サポートなどを選べる場合もあります。
パソコンの症状を診断し、見積もり確定後修理が始まります。修理完了後に来店や振込にて修理代金を支払います。
パソコンのバッテリー交換は比較的簡単な作業ですが、以下のような注意点があります。
それぞれの注意点を見ていきましょう。
富士通パソコンのバッテリー交換をする場合は、事前にデータのバックアップを取っておきましょう。
パソコン修理業者に依頼すれば、データを残したままバッテリー交換できる場合も多いです。しかし、バッテリー交換の際にデータが消えてしまう可能性もあるため、事前にデータのバックアップを取っておくのが安心です。
自分でバッテリー交換をする場合にも、データが消える、故障するなどのリスクに備えてバックアップを取ってから作業を始めましょう。
バッテリーの劣化が進むとパソコンの性能が低下するだけでなく、最悪の場合、バッテリーが膨張してパソコン本体に損傷を与える可能性があります。また、熱を持ったバッテリーが発火するリスクも。そのため、バッテリーの劣化が見られたら早めに交換しましょう。
自分でバッテリーを交換すると、パソコンの保証が無効になることがあります。保証期間内のパソコンの場合は、富士通のバッテリー交換を利用することをおすすめします。
互換バッテリーを使用すると、パソコンの性能が低下したり、予期せぬトラブルが発生することがあります。特に安価なバッテリーを使用すると発火のリスクもあるため、可能な限り純正のバッテリーを使用するのがおすすめです。
バッテリーが劣化し膨張している場合に、放置すると発火や爆発の危険があります。バッテリーが膨張している場合は、早めに交換するのがおすすめです。
バッテリー交換の際に、バッテリーを傷つけると発火のリスクがあります。バッテリー交換は、細心の注意を払っておこないましょう。
パソコンのバッテリーの寿命は2~3年と言われていますが、使い方によっては寿命が短くなる場合もあります。バッテリーの寿命を延ばすためのコツは以下の通りです。
それぞれ詳しく解説します。
バッテリーは、フル充電状態を続けると劣化が進みます。そのため、バッテリー残量が20%程度になったら充電し、80%程度で充電を止めることをおすすめします。
富士通のパソコンの場合は、バッテリー残量が90%以上の場合はACアダプターを取り付けても充電されません。89%以下になった場合に充電される仕様になっています。
バッテリーを充電しっぱなしにすると、バッテリーが過充電状態になり劣化が進みます。そのため、バッテリーがフル充電になったら、すぐにACアダプターを抜いて充電をやめましょう。
パソコンは、高温状態を続けるとバッテリーが劣化します。そのため、パソコンを使う場所は、なるべく涼しい場所を選び、パソコンが過熱しないように注意しましょう。
富士通のパソコンは、内蔵バッテリーパックが熱を持って温度が高くなった場合や、冷やされて温度が低くなった場合には、バッテリー充電ランプがオレンジ色に点滅して光り、充電が止まります。温度が正常に戻ると、オレンジ色に点灯し充電を再開するため、オレンジ色の点滅の場合は、使用を控えてしばらく待ちましょう。
パソコンの設定で「トップクラスの電力効率」を選択すると、バッテリーの消費を抑えられるため、寿命を延ばすことができます。Windows11には、「電源モード(電源プラン)」があり、用途に応じて以下の3種類に設定できます。
デフォルトでは「バランス」に設定されていますが、バッテリーを長持ちさせるためには「トップクラスの電源効率」に設定するのがおすすめです。ただし、パフォーマンスが犠牲になることがあり、パソコンが重くなる可能性があります。
バッテリーの寿命は2~3年と言われています。それ以上経過している場合はバッテリーだけでなく、パソコン自体も性能が古くなっている可能性があります。古くなったパソコンは、たとえバッテリーを交換しても他のパーツに不具合が起こる可能性もあります。そのため、新しいパソコンに買い替えることもおすすめです。
最新のパソコンは最新の技術が導入されており、バッテリーの持ち時間も長くなっています。また、古いパソコンはバッテリーの交換費用も高額になるため、パソコンの買い替えの方がお得になる場合があります。
バッテリーの劣化が進むと、バッテリーの寿命が短くなるだけでなく、起動できないなどの重大な問題が発生する可能性があります。バッテリー交換のタイミングを逃さないように、定期的にバッテリーの状態を確認するようにしましょう。
富士通パソコンのバッテリー交換は、専門のサービスに依頼する場合2万円程度が目安となります。自分で交換する場合は費用を抑えられる可能性がありますが、故障や保証対象外となるリスクもあることを覚えておきましょう。
パソコンのバッテリーが寿命の場合は、思い切ってパソコン本体の買い替えもおすすめです。パソコンが古くなっている場合は、バッテリーだけでなく他のパーツも故障する可能性があるため、修理費用が高くなる可能性があるためです。
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監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。