富士通のパソコンを使用していると、急に画面が動かなくなり、操作できなくなることがあります。この症状をフリーズといい、パソコンがフリーズするのには複数の原因があります。フリーズは、作業中のデータ消失や、パソコンの故障などにつながる可能性があるため、早急な解決が必要です。
この記事では、富士通のパソコンがフリーズする原因と対処法を解説します。今後フリーズさせないために、パソコン操作をスムーズにする方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
富士通のパソコンがフリーズする原因には、以下があります。
パソコンがフリーズする原因は、大きく分けて2つに分類されます。
本体やメモリ、マザーボードなどの故障や不具合、熱暴走などのハードウェアの問題と、OSやシステムファイルの不具合や設定の問題など、ソフトウェアの問題です。
それぞれの原因について、詳しく解説します。
パソコンがフリーズしているように見えても、実は処理に時間がかかっているだけで、フリーズしていないことがあります。カーソルが動かなくなる、アプリの操作ができなくなる、画面が固まるなどの場合は、処理に時間がかかっている可能性があります。
富士通のパソコンが動かなくなったら、まずはアクセスランプを確認しましょう、アクセスランプが点灯中の場合は、パソコンが処理をしています。アクセスランプ点灯中に強制終了や再起動すると、処理中のデータを消失する可能性もあるため、処理が終わるまでしばらく待ちましょう。
マウスやキーボードの故障が原因で、パソコンがフリーズしているように見える場合があります。マウスやキーボードの動作がおかしい、クリックやキー入力を受け付けない場合は、マウスやキーボードの故障を疑いましょう。
まずは、別のUSBポートに差し替えて、動作を確認します。デバイスマネージャーで、マウスやキーボードのドライバを確認して、ドライバを再インストールするのも有効です。それでも動作しない場合は、別のマウスやキーボードに付け替えてみましょう。
パソコンが異常に熱い、ファンが頻繁に高速回転するなどの症状がある場合は、熱暴走によってフリーズしている可能性があります。
熱暴走とは、パソコン内部が高温になり、冷却機能が追いつかなくなること。高温の状態が続くと故障を防ぐために、パソコンは事故保護機能を発動し機能の制限やフリーズ、強制終了などが起こります。
長時間の作業を避ける、パソコンを定期的に清掃する、通気性の良い環境でパソコンを使うなどの対策が有効です。
ハードディスクやメモリ、マザーボードなどのハードウェア故障が原因でフリーズすることもあります。
ハードウェアの故障があると、頻繁にフリーズが起こり、パソコンが起動しない、異音がすることもあります。ハードウェアが故障した場合は、交換や修理等が必要です。
OSやシステムファイルに不具合がある場合も頻繁にフリーズが起こり、ブルースクリーンエラーが発生することがあります。
OSとは、WindowsやMacなどを動作するために必要なシステムのこと、システムファイルとはOSを動作させるために必要なファイルのことで、破損や欠損、設定が不正になる、ウイルス感染するなどで不具合を起こすことがあります。
Windows Updateで最新の状態にアップデートするとバグが修正される可能性があります。また、システムファイルチェッカー(sfc /scannow)のコマンドを実行すると、システムファイルの破損や欠損を検出して修復できます。
特定のアプリを使う、特定操作を行う場合にフリーズする場合は、パソコンの設定の問題が疑われます。パソコンは様々なプログラムやデバイスを管理・制御していますが、それぞれの設定を誤ると正常に動作しなくなり、フリーズや動作が遅くなる原因になります。
具体的な設定例は、以下の通りです。
パソコンの設定の確認や、問題のあるアプリの特定が必要です。競合しているデバイスドライバを特定し更新したり、不要なソフトウェアをアンインストールしたり、設定値をデフォルト(初期設定)に戻したりすると、問題が改善する場合があります。
富士通のパソコンにフリーズが頻繁に起こる、パソコンの動作が遅い、Windowsのロゴ画面で固まっている、デスクトップ画面で固まって動かない場合などは、ウイルス感染が疑われるケースもあります。
ウイルス感染が疑われる場合は、ウイルスソフトなどでウイルスチェックをしてみましょう。ウイルスが検出されない場合は、システムの不具合の可能性もあります。
富士通パソコンがフリーズした場合、以下の対処法を試してください。
それぞれの手順をわかりやすく解説します。
富士通のパソコンのアクセスランプが点灯中の場合は、焦らずにしばらく待ちましょう。処理が完了すれば、通常通り操作できるようになります。
待ち時間の目安は、5分程度です。アクセスランプが消えたら、正常に動作する可能性があります。
またフリーズした原因が一時的な高負荷の場合には、数分で自己修復する可能性もあるため、しばらく待つだけで動作するケースもあります。
特定のアプリが原因でフリーズしている場合は、タスクマネージャーでアプリを強制終了することで解決する場合があります。タスクマネージャーは、パソコンのパフォーマンスを監視し、アプリケーションやプロセスを管理するために使用できるWindowsのツールです。
タスクマネージャーが起動しない場合は、Ctrl + Shift + Escキーを押して開くこともできます。
参照:FMVサポート [Windows 11] アプリやパソコンを強制終了する方法を教えてください。
富士通のパソコンのフリーズが改善しない場合は、以下の手順でWindowsを強制終了しましょう。
Windowsが強制終了できない場合は、本体の電源ボタンを長押しして強制終了します。
パソコンを強制終了すると、データが消失する可能性があります。しかし、フリーズが改善しない場合には有効な方法です。
富士通のノートパソコンやタブレットパソコンの一部の機種には、電源ボタンで電源が切れないときに使用する強制終了スイッチが搭載されています。パソコン本体下面の直径2〜3ミリ程度の穴の中にあるスイッチで、スイッチの近くに「RESET」や「OFF」、「REPAIR」と刻印されています。
使用する場合は、パソコン本体からACアダプターと周辺機器を取り外し、パソコン本体を静かに裏返します。強制終了スイッチにクリップの先などを差し込んで、スイッチを押してください。
参照:FMVサポート 強制終了スイッチについて教えてください。(2015年9月・10月・12月発表モデル以降)
問題のあるアプリケーション/プログラムをアンインストールして再インストールすることで、解決する場合があります。
アンインストールする前には、アプリやプログラムの設定のバックアップがおすすめです。
富士通のパソコンは再起動することで、フリーズなどの問題が解決する場合があります。
ウイルス感染が原因でフリーズしている場合は、ウイルスチェックを行い、ウイルスを駆除する必要があります。
Windows10およびWindows11には、ウイルス対策ソフト「Windows Defender」がデフォルトで入っています。Windows Defender は、リアルタイムの保護、クラウドベースの保護、高度な脅威からの保護など、さまざまな機能をもつセキュリティソフトです。
Windows Defenderでウイルスをチェックして削除する手順は、以下の通りです。
Windows Defenderは、常に最新の状態に保つようにしましょう。Windowsを使用している場合は、他のウイルス対策ソフトを導入する必要はありません。別のウイルス対策ソフトを導入する場合は、Windows Defenderを無効にしましょう。
ここまで紹介した方法を試しても、フリーズが改善しない場合は、最終手段として初期化もおすすめです。初期化すると、パソコンが工場出荷状態に戻るため、パソコン内のデータは消失してしまいます。
ここでは、Windows11の富士通のパソコンを初期化する手順を紹介します。初期化する前には、デバイスの暗号化の回復キーを取得して、保管しておきましょう。データのバックアップができる場合は、しておきましょう。バックアップできない場合、必要な情報をメモしておくのもおすすめです。
初期化後には再度ログインが必要になるため、Microsoftアカウントなどのアカウント情報もメモしておきましょう。
周辺機器を取り外し、ACアダプターを接続し、準備が整ったら、以下の手順で初期化します。
【Windowsが起動できる場合】
すべて削除するを選択すると、パソコンが購入時の状態に戻るため、初期化するのに数時間かかることがあります。パソコンを譲渡する、処分するなどで手放す場合におすすめです。
一方、個人用ファイルを保持するを選択すると、Windows、ドライバー、アプリの状態は「すべて削除する」と同じ状態に戻りますが、ユーザーアカウントや個人用ファイルなどを保持します。一部データが保持されるため、フリーズした状態が修正されない可能性があります。
【Windowsが起動できない場合】
Windowsを起動できない場合は、以下の手順で「Windows 回復環境」を実行してから、「このPCを初期状態に戻す」を実行します。
参照:FMVサポート [Windows 11] 「このPCを初期状態に戻す」(リカバリ)の実行方法を教えてください。
富士通のパソコンがフリーズする原因は様々ありますが、以下の方法を実践することでフリーズを防げる可能性があります。
パソコン操作をスムーズにするためにも、実行してみましょう。順番に手順を解説します。
パソコンの周りに物が多く置かれていると、通気性が悪くなり、パソコン内部の温度が上がってフリーズの原因になります。パソコンは平らで安定した場所に置き、周囲に十分なスペースを確保しましょう。
ファンや通気口に埃が詰まっていると、熱がこもりやすくなり、フリーズの原因になります。定期的に掃除機などで埃を取り除きましょう。
パソコン内部の埃を清掃するとパソコン内部に熱がこもりにくくなります。そのため動作が改善し、フリーズしにくくなります。
パソコンは精密機械のため取扱いには注意が必要です。静電気は厳禁のため、静電気防止手袋の使用がおすすめです。掃除機を使う場合は、小さなパーツを吸い込まないように注意しましょう。心配な場合は、エアーダスターで埃を飛ばすのもおすすめです。
複数のアプリを同時に起動していると、メモリやCPUの使用率が高くなり、フリーズの原因になります。使わないアプリは終了して、メモリやCPUの使用率を減らしましょう。
パソコンの設定を変更することで、フリーズしにくくなる場合があります。パソコンを高速化するためには、Windows11の場合電源の動作モードを高パフォーマンスにするのがおすすめです。
その他にも、Windows11の設定を以下に変更すると、高速化が期待できます。
パソコンに搭載したメモリが少ないと、パソコンの動作が遅くなり、フリーズの原因になるため、増設することで、パソコンの動作を高速化できます。
頻繁にフリーズする場合は、作業内容に対してメモリが足りない可能性があります。パソコンのメモリは増設も可能です。メモリを増設する場合は、パソコンの取扱説明書を参照して、対応するメモリの種類と容量を確認しましょう。
パソコンのメモリ増設後に不具合が起こった場合の対処法は、下記記事でも詳しく紹介しています。
メモリ増設後にパソコンが起動しなくなった!よくある原因と対処法を解説>>
HDDはSSDよりも読み書き速度が遅いため、HDDを搭載しているパソコンはフリーズしやすい傾向があります。HDDをSSDに交換することで、パソコンの起動速度やアプリケーションの読み込み速度を高速化することができます。
SSDへの交換は、専門知識がない場合は故障の原因となる場合もあります。パソコン修理専門店などに依頼することをおすすめします。
HDDの交換方法は、下記記事でも詳しく解説しています。
HDDの交換は自分でもできる!デスクトップ・ノートPCでの手順を解説>>
OSやアプリケーションが古いバージョンだと、不具合や脆弱性があり、フリーズの原因になることがあります。
OSやアプリケーションを最新の状態にアップデートすることで、不具合や脆弱性を修正することができます。
HDDは使用していくうちに、データが断片化して読み書き速度が遅くなり、フリーズの原因になることがあります。デフラグを行うことで、データの断片化を解消し、読み書き速度を高速化できます。以下の手順で、デフラグを実行しましょう。
参照:FMVサポート [Windows 11] ディスクデフラグを実行する方法を教えてください。
ここまで紹介した方法を試しても改善しない場合は、サポートへ相談、買い替えなどがおすすめです。
富士通のパソコンがフリーズして、対処できない場合はサポートへ相談するのがおすすめです。富士通のサポートは、電話だけでなくチャットやメールサポートもあります。また、他のユーザーに相談できるQ&Aコミュニティもあり、Web上での相談も可能。
さらにネットで診断できる故障診断があり、故障と判断された場合にそのまま修理に出す方法もあります。富士通サポートへは、下記サイトから申し込みできます。
富士通のパソコンが頻繁にフリーズする場合は、寿命を迎えている可能性もあります。寿命を迎えている場合は、どのような対処法を試しても、フリーズを繰り返す可能性があります。
頻繁にフリーズする場合は、パソコンの買い替えを検討しましょう。パソコンを買い替えたら、古いパソコンは処分する必要があります。しかし、パソコンは小型家電リサイクルの対象のため、費用がかかってしまいます。
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監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。