dynabookのパソコンを初期化することで、保存されているデータや情報をすべてリセットし、出荷時の状態に戻すことが可能です。
しかし、普段なかなか行わない作業のため、正確なやり方を知っている方は多くないのではないでしょうか。
この記事では、dynabookのパソコンを初期化する方法や、初期化ができない時の対処法について解説します。
お困りの方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
目次
dynabookのパソコンで初期化が必要な場合として、主に2つのケースに分けられます。
1つ目は、パソコンに不具合が生じているケースです。
不具合の原因がWindowsのOSにある場合や、パソコンがウィルスに感染した場合、初期化を行うことで動作が改善されることがあります。
システムファイルを誤って削除してしまった場合も、パソコンの初期化を実行してOSを再インストールするとよいでしょう。
2つ目は、他の人に譲る・下取りに出すなどの理由で、パソコンを自分の元から手放すケースです。
パソコンには多くの個人情報が保存されているため、他の人に渡ると悪用やなりすましなどの危険性があります。
パソコンを手放す前に必ず初期化を行い、データをリセットしておきましょう。
パソコンを初期化すると、元の状態には戻せなくなります。
また、初期化中に不具合が発生すると、パソコン本体の故障につながりかねません。
dynabookのパソコンを初期化する前に、しっかり準備を行っておくことが大切です。
初期化する際の事前準備は次の通りです。
それぞれ順番に解説していきます。
パソコンの不具合は初期化によって解消することがありますが、データがすべてリセットされる上に、作業が完了するまで時間がかかってしまいます。
パソコンの初期化はあくまで最終手段と捉え、他の方法で不具合が解消しないか試してみましょう。
どうしてもパソコンの調子が戻らない時にだけ、初期化を検討することをおすすめします。
前述の通り、パソコンの初期化を行うと、本体に保存されていたすべてのデータがリセットされてしまいます。
写真やファイル・アドレス帳・インターネットのブックマークなど、必要な情報は記録メディアにバックアップを取っておきましょう。
ただし、初期化後に別バージョンのOSを使用する場合、バックアップを取ったデータの一部が使えなくなることがあるため注意してください。
パソコンの初期化を行う前に、マウスやキーボード以外の周辺機器はすべて取り外しておきましょう。
プリンターや外付けHDDなどを接続したまま初期化を実行すると、デバイスドライバーで不具合が生じて失敗してしまうことがあります。
作業を行う前に、不要な周辺機器が接続されていないか確認を行ってください。
dynabookのパソコンを初期化する際、方法によってはWindowsの機能を使用して実行する場合があります。
事前にWindows Updateを実行しOSを最新の状態にしておくことで、初期化が失敗するリスクを減らせます。
dynabookのパソコンでWindows Updateを手動で行う方法は以下の通りです。
【Windows Updateの実行手順】
参考:「Windows(R)Update」更新プログラムを今すぐ確かめる方法<Windows 10> 【動画手順付き】|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
パソコンの初期化中は何度も再起動を繰り返すことがあり、作業が完了するまで時間がかかります。
ノートパソコンを初期化する際は、ACアダプターを接続した状態で行うようにしましょう。
初期化の実行中に電源が切れてしまうと、失敗してしまうことがあります。
パソコンの初期化を実施すると、Microsoftのサインイン情報もすべてリセットされます。
Officeを利用している場合は、初期化を行う前にメールアドレスとパスワードをメモしておくことがおすすめです。
Microsoftのアカウント情報を忘れてログインできなくなると、最悪の場合Officeソフトが使用できなくなる可能性があるため注意してください。
dynabookのパソコンを初期化するためには、主に3種類の方法があります。
ここでは、それぞれの方法の具体的な手順を解説します。
Windowsのパソコンには、初期化を行うために「このPCを初期状態に戻す」機能が用意されています。
具体的な操作手順は以下の通りです。
【「このPCを初期状態に戻す」機能を使ってパソコンを初期化する手順】
参考:“このPCを初期状態に戻す”機能を使用してWindowsを再インストールする方法<Windows 10>|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
Windowsの初期化が完了してOSが再インストールされたら、画面の指示に従って再セットアップを行ってください。
パソコンの不具合などによって「このPCを初期状態に戻す」機能を起動できない場合は、リカバリーメディアを使用することで初期化が可能です。
リカバリーメディアとはリカバリーツールをDVDなどの記録メディアにコピーしたもので、パソコンが正常起動している時にあらかじめ作成しておく必要があります。
リカバリーメディアの作成方法はパソコンの種類によって異なるため、dybookの公式サイトを参考にしてください。
参考:FAQ一覧:リカバリーメディアの作成(Windows 10)|サポート|dynabook(ダイナブック公式)>>
作成したリカバリーメディアを使ってパソコンを初期化する手順は以下の通りです。
【リカバリーメディア(DVD)を使用してパソコンを初期化する手順】
参考:リカバリーメディア(DVD/ブルーレイディスク)からパソコンを購入時の状態に戻す方法<dynabook T45/T
何も操作せずしばらく待機した後、セットアップ画面が表示されれば初期化は完了です。
「このPCを初期状態に戻す」機能が起動できない場合や、あらかじめリカバリーメディアを作成していなかった場合は、Windows10のインストールメディアを使用する方法でパソコンの初期化を行いましょう。
インストールメディアの作成に必要なツールは、Microsoftが提供しています。
参考:Microsoft Windows 用のインストール メディアを作成する
また、インストールメディアを実行する前に、Windowsを立ち上げた時に記憶メディアが最初に起動するようにデバイスの設定を変更しておく必要があります。
参考:起動するドライブを変更する方法<Windows 10>|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
インストールメディアを使用してパソコンを初期化する方法は以下の通りです。
【インストールメディアを使用してパソコンを初期化する手順】
セットアップ画面が表示されれば、パソコンの初期化は完了です。
初期化後のパソコンは、出荷時と同じ状態になっています。
パソコンを使用できるようにするためには、いくつかの作業を行う必要があります。
dynabookのパソコンの初期化後に行う作業は次の通りです。
それぞれ順番に解説していきます。
パソコンの初期化が完了すると、自動的にWindows10のセットアップ画面が表示されます。
画面の指示に従って操作すれば、15分程度で作業が完了します。
具体的なセットアップ手順は以下の通りです。
【Windows10をセットアップする手順】
参考:初期セットアップ手順(Windows 10 バージョン 2004、Microsoft アカウントをすでにお持ちの方)|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
Windows10のセットアップはこれで完了です。
セットアップで設定したインターネット環境とは別の環境を使用する場合は、以下の通り設定を行ってください。
【インターネット環境を設定する方法】
アクセスポイントの下に「接続済み」と表示されたら、設定は完了です。
dynabookのパソコンには、90日間の無料体験版ウイルスバスターがプリインストールされています。
ただし、有効期限が切れていたり設定が無効になっていたりする場合もあるため、パソコンを使用する前に事前に確認しておきましょう。
ウィルスバスターの有効期限は、以下の手順で確認できます。
【ウィルスバスターの有効期限の確認方法】
参考:「ウイルスバスタークラウド(TM)」について<Windows 10>|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
パソコンの再セットアップが完了したら、初期化前に取っておいたバックアップの復元を行いましょう。
バックアップが保存された記録メディアをパソコンにセットし、本体にデータを移動させてください。
新しい環境でも正常に動作することが確認できれば、復元作業は完了です。
ここでは、dynabookのパソコンを初期化する際に意識すべき注意点を3つ紹介します。
初期化を行う前に確認し、理解した上で作業に取り掛かりましょう。
パソコンの初期化は非常に時間がかかり、パソコンの状態によっては丸1日必要です。
時間がないからといって初期化中にパソコンの電源を落としてしまうと、正しく初期化が行われないどころか不具合が生じるリスクがあります。
パソコンの初期化を行う際は、十分な作業時間を取るようにしてください。
パソコンの初期化によって不具合が解消するのは、WindowsのOSに原因がある場合のみです。
ハードウェアでトラブルが発生している場合、初期化を行っても問題は解決しないため注意してください。
ハードウェアの不具合については、専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
パソコンの初期化を行うとすべてのデータがリセットされますが、実は完全に消えてしまうわけではありません。
復元ツールを使用することで、削除したデータを復活させることができます。
パソコンを廃棄する際は、データ消去の専門業者に依頼したり、本体の物理破壊を行ったりして、データを復元できない状態にしておくと安心です。
dynabookのパソコンで手順通りに作業しても、初期化できない場合があります。
その際は、以下の対処法を実施してみてください。
初期化を実行してから時間が経っているのに、いつまで経っても作業が完了しない場合、何らかの要因が初期化を妨げていることが考えられます。
特に、丸1日以上経過しても初期化が終了しない場合は注意が必要です。
デバイスドライバーがパソコンの初期化に影響しているケースがあるため、まずはマウスやキーボードなどの周辺機器をすべて取り外してみてください。
セキュリティソフトのアンインストールや、HDDの空き容量の確保も有効な手段です。
また、初期化作業中にパソコンの電源が完全に切れてしまうことがあります。その際はパソコンの電源を入れ直し、初期化手順を再度試してください。
パソコンに何らかの不具合が生じていると、エラーメッセージが表示されて初期化が失敗してしまうことがあります。
「このPCを初期状態に戻す」機能から実行した場合は、リカバリーメディアやインストールメディアを使用して初期化をやり直してみましょう。
また、リカバリーメディアが複数枚ある場合、パソコンにセットする順番が合っているか確認してみてください。
パソコンがまだ立ち上がるようであればセーフモードで起動し、不具合の原因の切り分けを行うのも1つの方法です。
上記の方法を試してもパソコンの初期化が正常に行えない時は、dynabookや家電量販店などに問い合わせてみましょう。
dynabookでは、パソコンを購入してから1年間は無料保証期間が用意されており、さらにオプション料金によって最大5年まで延長可能です。
家電量販店でも独自の保証サービスを行っている場合があるため、まずは保証が使えるかどうか確認してみてください。
パソコンの初期化によるトラブルが発生した場合は、専門の修理業者に依頼するのもおすすめです。
メーカーより修理費がかからないことが多く、パソコンの初期化では解決できないハードウェアの不具合にも対応してもらえます。
ただし、修理業者によって値段は大きく異なるため、事前に見積りを依頼しておくとよいでしょう。
dynabookのパソコンに不具合が生じた際は、初期化を行うことで解消できる場合があります。
しかし、リスクも多く存在するため、あくまで最終手段として実行するようにしてください。
パソコンの初期化を成功させるためには、データのバックアップや作業環境の確保といった事前準備を忘れずに行いましょう。
もしも初期化がうまくいかない場合は、今回紹介した対処法をぜひ試してみてください。
うまく初期化できない場合や完全に故障した場合は、パソコンの買い替えがおすすめです。パソコンを処分する場合は、手続き不要で無料回収が可能なパソコン廃棄.comを利用するとよいでしょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。