dynabookに限らず、パソコンが充電できなくなるトラブルはよくあります。さまざまなことが原因となるため、何も知らない状態では原因の特定は難しいでしょう。
また、原因が特定できても解決方法が分からなければ充電トラブルの改善は見込めません。今回は、dynabookのパソコンが充電できなくなる原因と解決方法をご紹介します。dynabookRX73・R73を使っていて充電トラブルが起きた際もぜひ最後までご覧ください。
目次
まずはdynabookのパソコンが充電できない原因について見ていきましょう。パソコンが充電できない原因は多くあるため、人によって異なるトラブルが起きている可能性が高いです。
原因が分かると解決方法が見えてきやすいため、ご紹介する項目をチェックしながら、どれが原因になっているかを探ってみてください。
パソコンが充電できないとき、最初に確認したいのが、充電プラグはしっかり挿しこまれているかです。充電プラグが緩んでいると、電力が供給できないことがあります。延長コードを使用している場合は、延長コードが挿しこまれているか、電源タップのスイッチが入っているかもチェックしてみてください。
充電プラグの接触不良は老朽化すると特に起こりやすいため、使用してからどれくらい経っているかも確認しましょう。
ACアダプタやバッテリーの接続不良も充電できない原因になります。ACアダプタがパソコンにしっかりと挿しこまれているか確認し、接続に問題がないか見てみましょう。
問題がない場合はバッテリーもチェックしてください。dynabookのパソコンのバッテリーは、裏側に挿さっています。
パソコンが電気を溜め込み過ぎると充電が上手くいかない可能性があります。特にずっと電源をつけたままにしている場合は、パソコンの内部に電力が溜まり過ぎている可能性があるので注意してください。
帯電している場合、充電だけでなく、キーボードや復帰が遅いなどの不具合も起こりやすいです。複数の不具合が発生した場合は帯電している可能性があるでしょう。パソコンを置いている机にビニールのカバーを付けていたり、電気を通しにくい服を着ていたりするときにも帯電する可能性があります。
本体が熱くなっているときは、パソコンが熱暴走を起こしている可能性があります。パソコンは精密機械であるため、温度上昇に弱く、熱によって不具合が起きるのはよくあることです。熱によって内部が正常に動かなくなり、充電できない原因となります。
熱暴走では充電できなくなるほか、パソコンの故障や部品の破損にもつながり、最悪の場合パソコンが使えなくなってしまうため注意が必要です。熱暴走が起きてしまう原因としては、パソコンに直射日光が当たっている・熱の逃げづらい環境や暑い場所で作業している・ファンにホコリが溜まっているなどが挙げられます。
熱暴走を繰り返すほど破損しやすくなってしまうため、熱を持たないように取り扱うことが大切です。
ノートパソコンのバッテリーは消耗が激しいと言われており、使用年数も2年~3年ほどとされています。使用環境や状況によっては、2年持たないこともあるため、1年以上使用している場合はバッテリーの劣化や故障を疑ってみましょう。バッテリーの減りが早くなったときや充電を止めるとすぐにバッテリーがなくなってしまうときは、劣化が進んでいるのかもしれません。
ケーブル自体が故障し、電力の供給ができないことも原因になるでしょう。ケーブルの寿命は15年~30年とされていることが多いため、使用してからどれくらい経ったのかを確認してみてください。
もちろん、保存環境や使用状況によっては劣化が進み、故障の原因になることがあります。
特にパソコンのケーブルは扱い方が悪いと断線しやすいです。ケーブルを結んで小さくしたり、引っ張って抜いたりすると断線してしまい、電力の供給ができなくなります。
ここからは、dynabookのパソコンが充電できないときの解決法をご紹介します。すべてを試してみるのもよいですが、心当たりがある項目から順に行うとより効率的に改善が見込めるかもしれません。症状と照らし合わせながらいろいろな解決法を試してみましょう。
パソコンをシャットダウンするとパソコンの充電ができるようになるケースがあります。Windows 8.1とWindows 10は「完全に切る」シャットダウンを行う必要があるので注意しましょう。通常のシャットダウンと異なる点は、すべての機能を終了させるところです。
通常のシャットダウンでは、1部の機能が保持されているため、充電トラブル改善の妨げになる可能性があります。Windows 8.1とWindows 10をお使いの場合は、必ず下記の方法で完全にシャットダウンしてください。
【Windows 8.1の場合】
①「設定」で「PC設定の変更」を選択する
②「保守と管理」をクリックし、「回復」を選択する
③「今すぐ再起動する」をクリックする
④「オプションの選択」が表示されたら、「PCの電源を切る」をクリックする
【Windows 10の場合】
①「Windowsマーク」をクリックし、「設定(歯車マーク)」を選択する
②「更新とセキュリティ」から「回復」を選択する
③「今すぐ再起動する」をクリックする
④「オプションの選択」が表示されたら、「PCの電源を切る」をクリックする
電源を切ったら再度パソコンを起動し、充電できるかチェックしましょう。
ACアダプタやバッテリーを付け直すことで充電ができるようになるケースもあります。バッテリーを付け直す場合は、必ずパソコンの電源を切り、ACアダプタや周辺機器のケーブル類をすべて外してから行いましょう。
電源を切ったらディスプレイを閉じ、パソコンの本体を裏返します。その後、バッテリー安全ロックを矢印の方向にスライドしてください。「カチッ」と音がしたら、バッテリーを取り外しましょう。再びバッテリーを挿すときは、「カチッ」と音がするまでゆっくりと挿しこんでください。
パソコンを長期的に使用しており、帯電しているおそれがある場合は放電させましょう。放電させる準備をする前に、パソコンを完全にシャットダウンさせます。dynabookのパソコンが充電できないときの解決法の「シャットダウン」の項目でご紹介した方法で完全にシャットダウンさせましょう。
なお、放電させるには、電源ケーブルやACアダプタ、バッテリー、周辺機器を取り外す必要があります。このとき、ディスクドライブ内にCDやDVDが入っている場合も忘れずに取り出してください。準備が整ったら最低でも2分以上放置します。
周辺機器が原因で充電できない可能性もあるため、放電後は周辺機器をつなげる前に充電ができるかを確認しましょう。特に、外付けHDD・SDDやUSBメモリなどはトラブルが起きやすい機器です。CDやDVD、Blu-rayディスクなどをディスクドライブ内に放置する場合も不具合につながるため注意してください。
ハードウェアを制御するプログラム「BIOS」を更新するのも1つの方法です。
①dynabook公式サイトの「サポートページ」にある「ダウンロード」をクリックする
②「更新モジュール」から使っているパソコンの機種に合わせた「BIOSのアップデート」を選択する
③モジュールをダウンロードする
④保存したモジュールをダブルクリックしで実行する
⑤「ユーザーアカウント制御」で「はい」をクリックする
⑥「Caution!」で「OK」をクリックする
⑦パソコンがシャットダウンし、数分後、自動的に再起動されたら完了
BIOSの更新で注意するべき点は、誤ってBIOSを初期化しないように操作を慎重に行うことです。操作を誤ると、データが消去されてしまうリスクのある作業になるため、自信がない方は他のやり方から試してみてください。
バッテリー関連のドライバーが原因で充電できていないケースの場合は、ドライバーをアンインストールすれば改善される可能性があります。
ドライバーのアンインストール方法は以下の通りです。
①「Windowsマーク」をクリックし、「デバイス マネージャー」を選択する
②「バッテリ」を選び、「ドライバー」を右クリックする
③「デバイスのアンインストール」を選択する
④すべての項目を実行したら、パソコンを再起動します。
再起動が終わったら充電できるか確認しましょう。
Windowsが最新の状態でない場合は、Windowsをアップデートすると充電トラブルが改善するケースがあります。Windowsは以下の手順で更新できます。
①「Windowsマーク」をクリックし、「設定」を選択する
②「更新とセキュリティ」をクリックし、「更新プログラムのチェック」を選択する
③プログラムが表示されたら、インストールを開始する
④パソコンを再起動する
⑤更新できるプログラムがなくなるまで①~④を繰り返す
Windowsをアップデートするときに注意したいのが、アップデート中に電源が切れてしまうとWindowsが起動しなくなってしまう可能性がある点です。Windowsの更新は、充電トラブルが分かった時点で早めに行っておくと安心です。
電源オプションが問題で充電できないトラブルが起こっている場合は、設定を変更すると改善するケースがあります。「電源プラン」が「高パフォーマンス」や「バランス」に設定されている場合は、ぜひ試してみてください。高パフォーマンスには、アプリケーションの起動やWebサイトを閲覧するときの動作がはやくなるメリットがありますが、電力の消費が激しくなります。
その結果、充電効率が落ちてしまうことがあります。電源オプションを確認する方法は以下の通りです。
①「Windowsマーク」をクリックし、「設定(歯車マーク)」を選択する
②「システム」をクリックし、「電源とスリープ」を選択する
③「関連設定」から「電源の追加設定」を選択する
「高パフォーマンス」や「バランス」に設定されている場合は、以下の手順で電源オプションを変更しましょう。
①「電源の追加設定」で「電源プランの作成」をクリックする
②「省電力」を選択し、「プラン名」に任意の名称をつける
③「次へ」ボタンをクリックする
④プラン設定の変更画面が表示されたら、2つの項目を作業スタイルに合った長さに変更する
変更が終わったら、充電できるか確認します。
ピークシフト機能を使っている場合は、機能をオフにすると充電問題が解決するかもしれません。ピークシフト機能とは、パソコンを多く使用する時間帯に電力の消費を抑え、あまり使用しない夜間などの時間帯に電力を移行するものです。
使用量の多い時間帯の電力消費を抑えることに加え、バッテリーへの充電をセーブする機能になっています。思うように充電できないときや決まった時間になると充電が遅くなるときは、ピークシフト機能がオフになっているか確認してみましょう。ピークシフト機能の確認方法は以下の通りです。
①タスクバーの検索ボックスから「東芝セッティング」を検索する
②「東芝セッティング」を起動する
③「ecoユーティリティ」を選択し、画面下の「ピークシフト項目」を確認する
④一覧を見て、チェックのついている項目がある場合は外す
⑤「×」ボタンをクリックし、「東芝セッティング」を閉じる
設定を変更したら、充電ができているか確認してください。
購入後2~3年以上が経過していたり、バッテリーが変形していたりする場合は、バッテリーの劣化や損傷が原因で充電トラブルが起きている可能性があります。機種に合ったバッテリーを購入し、交換するのが解決につながるかもしれません。
しかし、バッテリーの劣化や損傷が原因と断定できない場合は、ほかの方法から試してみるのがおすすめです。バッテリーの交換で不具合が解決しないと、無駄な出費になる可能性があるからです。できるだけ多くの対処法を試し、改善が見込めない場合はバッテリー交換を行いましょう。
なお、バッテリーを新しく購入するときは、バッテリーの型番を確認するのを忘れないようにしてください。バッテリーの型番を確認するときは、必ずパソコンの電源を切り、ACアダプタや周辺機器のケーブル類をすべて外してから行いましょう。
電源を切ったらディスプレイを閉じ、パソコンの本体を裏返し、バッテリー安全ロックを矢印の方向にスライドしてください。「カチッ」と音がしたら、バッテリーを取り外し、内側に記載されている型番を確認します。
dynabook RX73やdynabook R73をお使いの場合は、BIOSの更新で充電トラブルを解決できることが多いです。公式からBIOSの更新をするように案内が出ていることからも、トラブルの改善が見込めると言えます。dynabook RX73やdynabook R73を使っている場合は、下記の手順でBIOSをアップデートできます。
①タスクバーの検索ボックスで「service」と検索する
②「Service Station」を選択し、「東芝サービスステーション」を起動する
③「すべてのアップデートを確認」をクリックし、「BIOSアップデートモジュール」を選択する
④「インストール」ボタンをクリックする
⑤メッセージに従って作業をすすめ、BIOSを更新する
⑥「東芝サービスステーション」画面に戻ったら「閉じる」ボタンをクリックし、完了
東芝サービスステーションがインストールされていない場合は、dynabookのパソコンが充電できないときの解決法の「BIOSを更新する」でご紹介した手順でBIOSを更新してみてください。
ご紹介した対処法を試しても充電できない場合は、メーカーに問い合わせるか、修理業者に依頼しましょう。メーカーと修理業者それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分に合った方法を選ぶ必要があります。
dynabookが展開している修理申し込みサービス「PC-irepair」に問い合わせましょう。特に、保証期間内であればよりお得に修理できる可能性が高いため、できるだけ早めに依頼するのがおすすめです。
まずは、dynabookのサイトを開き、画面下の「サポート情報」から「修理サービス」を選択してください。利用形態を選択すると、申し込み方法が表示されます。
「PC-irepair」を選択し、メールアドレスを登録すると修理申込用のURLが送られてくるため、説明に従って修理の申し込みをしましょう。「PC-irepair」は、問い合わせや修理の依頼に加え、進行状況も細かく確認できるサービスです。パソコンがどのような状況なのかを逐一確認したい方向けのサービスです。
ここで注意したいのが、パソコン内のデータが消えてしまう可能性がある点と修理が終わるまで時間がかかる点です。パソコンが充電できるようになればいい場合や修理期間が長くても構わない場合は、「PC-irepair」へ修理依頼をしましょう。
メーカーの修理サービスだけでなく、自分で選んだ修理業者に修理の依頼をするのも可能です。修理業者に依頼するメリットは、メーカーよりも早く修理が終わる点や出張修理も対応していることが多い点です。比較的簡単に修理できるものであれば、即日対応が叶うこともあります。
また、業者によってはデータの救出や復旧も得意としているため、データが消えてしまうと困る場合にも役立ちます。修理業者に依頼するときの注意点として挙げられるのは、修理の際に正規品が使用されないことがあることでしょう。
もちろん代用品でも変わらず使用できますが、強度や性能が劣るため、比較的短いスパンで修理が必要になる可能性があります。
今回は、dynabookのパソコンが充電できない原因と解決方法をご紹介しました。パソコンが充電できない原因、解決方法はそれぞれ多くあるため、パソコンに合ったものが見つかるまで時間がかかりがちです。
充電トラブルが起こったら、できるだけ早く原因特定をし、解決方法を試しましょう。充電トラブルは発火などが起こることもあるため、安全に作業できるよう、ご紹介した手順をしっかり守って行ってください。
どうしても原因が分からない、解決方法を試しても改善しない場合は、dynabookのカスタマーサポートに問い合わせましょう。修理が必要な場合でも、メーカーの保証期間内であればお得にトラブルを改善できます。保証期間が終わっている、できるだけ早く修理してほしい場合は業者に依頼するのもおすすめです。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。