国内製のノートパソコンで、画質の良さなどから人気の元東芝「dynabook」。突然dynabookがフリーズして、仕事やレポートなどの作業ができなくなり、困っている方もいるのではないでしょうか。
dynabookは、さまざまな原因で突然フリーズして動かなくなることがあります。この記事では、dynabookがフリーズする原因や、対処法を詳しく紹介します。フリーズした場合の注意点や、今後フリーズしないために気を付けることなども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
目次
dynabookが動かなくなることを、フリーズと言います。症状には違いがあり、原因も異なります。dynabookに起こっている症状を確認し、対処法を実行しましょう。
主に次のような症状が現れたら、dynabookがフリーズしたと考えられます。
それぞれ、確認していきましょう。
dynabookを起動しようとしても真っ黒の画面のまま、電源が入らない、起動できない場合があります。dynabookは起動時にロゴマークが表示されますが、起動しても表示されない場合は、メモリに不具合が起こっている、パーツの故障などが考えられます。
また全く電源が入らない場合は、電源周りの故障やバッテリーの充電不足の可能性もあるため、バッテリーの充電残量やケーブルの接続状況も確認してみましょう。
真っ黒な画面に白いエラーメッセージが表示される場合は、周辺機器のトラブルやディスクの抜き忘れなどの場合もありますが、ハードディスクの故障やシステムの不具合の可能性もあります。
ハードディスクの故障やシステムの不具合など重大なトラブルの場合は、強制終了するとハードディスクに負担がかかりデータ復旧が難しくなる場合があります。
dynabookがブルースクリーンと呼ばれる青い画面になり、フリーズすることもあります。ブルースクリーンの場合は、電源を5秒以上長押ししてWindowsを強制終了し、電源を入れなおしてみましょう。
ブルースクリーンになる原因はさまざまですが、頻繁に起こる場合はシステムの不具合やストレージの故障、ウイルス感染など重大なトラブルの可能性もあり、修復できないこともあります。
dynabookの画面に「自動修復を開始しています」と繰り返し表示され、フリーズしている場合は、dynabookがトラブルの修復をしている状態です。強制終了などで、正常に終了しなかった場合などに表示されることがあります。
基本的には修復が終われば、自動で起動するため、そのまましばらく待つのがおすすめです。
dynabookが起動しない場合の原因と対処法は、下記記事でも詳しく解説しています。
dynabook(ダイナブック)が起動しない時はどうすればいい?原因と対処法>>
dynabookが突然フリーズした場合は、以下の原因が考えられます。
それぞれの原因を、順番に解説します。
dynabookを使っていると、フリーズしてはいないけれど動作が重いと感じることもあります。dynabookが重い場合の原因と解消方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
dynabookのパソコンが重い原因と解消方法は?アンインストールするソフトはこれ!>>
ハードディスクが故障している場合は、dynabookがフリーズすることがあります。ハードディスクとは、パソコンのデータを保存するストレージの一種で、膨大な量のデータの読み取りや書き込みを繰り返しています。
ハードディスクの寿命は3~4年と言われており、寿命を迎えると異音がしたり、突然フリーズしたりする症状が現れます。
dynabookに限らずパソコンは熱に弱いため、内部にある冷却ファンでパソコン本体の温度が上がらないようにしています。しかし、冷却ファンの寿命やホコリが溜まるなどでパソコン内部がうまく冷却できなくなると本体が高温になり、熱暴走を起こしフリーズすることがあります。
また、直射日光があたる場所や高温の室内、ファンの通気孔をふさぐような場所にdynabookを置くなどで、うまく排熱ができず熱暴走が起こる場合もあります。熱暴走は、dynabookの寿命を縮めるため、冷却対策をして使用する環境にも注意しましょう。
dynabookを含むパソコンは、メモリ不足になると動作が不安定になります。メモリとは、パソコンの作業机のようなもので大きいほど、同時に複数の作業ができます。
複数のアプリを同時に起動する、動画閲覧しながら動画編集するなど、一度に容量の大きな作業をすると処理速度が追いつかず、フリーズする原因になります。メモリ不足の場合は、メモリを増設することで、改善する可能性が高いでしょう。
dynabookがウイルス感染した場合に、フリーズすることがあります。ウイルスの種類はさまざまで、パソコンのバックグラウンドでひそかに動き、メモリやCPUを圧迫するウイルスや、プログラムを破壊するウイルスなどがあり、負荷がかかることでdynabookの動きが重くなり頻繁にフリーズするようになります。
プログラムを破壊するタイプのウイルスに感染すると、dynabookを全く起動できないケースもあります。ウイルス感染した場合は、ウイルスの駆除やdynabookの初期化が必要です。
パソコン内部の重要なパーツが故障して、フリーズしている可能性もあります。特にマザーボードはパソコンを動かす電子回路を搭載した基盤で、故障するとフリーズなどのさまざまな不具合が起こります。
マザーボードの電池切れの場合は電池交換で改善することがありますが、故障個所を特定することは難しく自分で修理するのは難しいでしょう。
また、マザーボードを修理するにはdynabookを分解するため、ある程度の知識が必要です。メーカー保証の対象外にもなるため、自分で分解するのはやめましょう。
Windowsのアップデート中は、大量のデータがダウンロードされるため、dynabookがフリーズして動かなくなることがあります。
Windows Updateが正常に終われば、再起動して動くようになるため、しばらく待ちましょう。あまりにも動きが遅い場合は、dynabookのスペックが不足している可能性があります。メモリ増設やハードディスクをSSDに換装するなどの対処法も試してみましょう。
Windows11など大型のメジャーアップデートの場合は、特にフリーズが頻発することがあります。メジャーアップデートの後にはドライバーが不具合を起こすことがあり、Windows Updateの実施やグラボの更新、高速スタートアップの無効などで解決することがあります。
dynabookがフリーズした場合には、次の対処法を試してみましょう。
順番に解説します。
dynabookがフリーズしたら、まずはしばらく待ってみましょう。アクセスランプが点灯している場合は、データの書き込み中のため強制終了するとデータを消失する可能性もあります。アクセスランプが消え、データの読み書きが終わると、フリーズが解消することもあるため、そのまましばらく待ちましょう。
また、「自動修復を準備しています」や「検査しています」などのメッセージが表示されている場合は、修復などの処理中です。完了するのを待ちましょう。処理中に再起動などをすると、再び修復が始まるため、正常に処理が完了するまでそのまま待つしか方法はありません。
ただし、エラー処理が全く終わらない場合や、何度も繰り返す場合は、dynabookの故障も考えられます。
dynabookなどのパソコンは、使用しているうちに内部に電気が帯電します。パソコン内部に不要な電気が溜まりすぎると、動作が不安定になり、フリーズが起こることがあります。
以下の方法で、dynabookを放電してみましょう。
真っ黒な画面に以下のような白い文字が表示された場合は、「F1」キーを押すだけで改善します。
黒い画面に表示される白いメッセージは、どのような行動を取るのかを表しています。これらのメッセージは、F1を押して続行するという意味のため、F1キーを押せば改善するでしょう。
アプリを複数立ち上げている場合には、メモリ不足によってdynabookがフリーズすることがあります。使用していないアプリを終了しましょう。
特定のアプリがフリーズしている場合は、プログラムの右上の「✕」ボタンを押してアプリを終了します。「✕」を押してもアプリが終了しない場合は、タスクマネージャーを使用してアプリを強制終了させましょう。
タスクマネージャーを起動するには、マウスを使える場合は、スタートボタンを右クリックします。キーボードしか使えない場合は、「Ctrl」+「Alt」+「Del」キーを同時に押して起動します。
以上の手順で不要なアプリを終了して、dynabookが正常に動くことを確認しましょう。
dynabookがフリーズして動かない場合、再起動することで、改善する場合があります。フリーズして動かない場合は、以下の方法で強制的に再起動が可能です。
以上の方法で、再起動ができない場合は、電源スイッチを5秒以上押してWindowsを強制終了してください。強制終了したあとに、電源を入れなおしてdynabookが正常に動作するかを確認しましょう。
参考:dynabookサポート パソコンがフリーズして応答しない場合の対処方法<Windows 10>
セーフモードとは、必要最小限の構成でパソコンを起動する診断モードのことです。セーフモードでは、簡単なトラブルであれば回避して起動できるため、トラブルの原因となっているソフトウェアやプログラムを特定し、削除することで問題が解決することがあります。
セーフモードで起動できない場合は、重大な傷害が起こっている可能性があります。その場合は、無理に起動しようとするとdynabookが完全に故障する可能性もあります。dynabookを修理するためには、メーカーサポートや専門の修理業者への依頼がおすすめです。
以下の手順で、セーフモードを起動してみましょう。
【手順1】
【「自動修復」画面が表示されている場合】
「自動修復」画面から[詳細オプション]をクリックして、手順2へ進みます。
【dynabookの電源が入るが操作できない場合】
【手順2】
最近インストールしたプログラムなど、Windowsが正しく起動できなくなる前にインストールしたプログラムなどを削除しましょう。完了したら、dynabookを再起動し正常に動作することを確認してください。
参考:dynabookサポート セーフモード(Safe Mode)で起動する方法(Windows上で操作ができない状態)<Windows 10>
dynabookが自動修復が正常に終わらない場合に、「PCが修復できませんでした」「PCが正常に起動しませんでした」とメッセージが表示されたら、システムの復元を実行しましょう。
システムの復元をすれば、不具合が起こる前に作成している復元ポイントまで、dynabookの状態を戻せます。復元ポイントが作成されていない場合は、実行できないため別の方法を試しましょう。
【手順1】
【「自動修復」画面が表示されている場合】
[再起動]をクリックしても繰り返し「自動修復」画面が表示されてしまう場合は[詳細オプション]をクリックして、手順2へ進みます。
【dynabookの電源が入るが操作できない場合】
電源スイッチを長押しして強制終了します。dynabookの電源が切れたら、電源スイッチを押してすぐにキーボードの「0」(ゼロ)キー(かな入力の「わ」)を数回押します。
パスワードを設定している場合は、キーボードでパスワードを入力して「ENTER」キーを押します。「HDDリカバリーをスタートします。」または「The Hard Drive Recovery Process has been selected.」などから始まるメッセージが表示された場合は、「はい」または「Yes」を選択し、「ENTER」キーを押します。メッセージ画面が表示されない場合は、次の手順2に進みましょう。
【手順2】
以上でシステムの復元は完了です。dynabookが正常に起動することを確認しましょう。
dynabookがフリーズして、何をしても動かない場合は、電源ボタンを押して強制終了しましょう。ただし、強制終了はパソコンに負担をかける上に、データを消失する可能性もあります。フリーズ以外のトラブルが起こる可能性もあるため、万が一のための最終手段として実行しましょう。
dynabookをリカバリーすると、工場出荷状態に戻ります。dynabookに保存されているデータは消去されるため、データのバックアップが必要です。フリーズしてデータを取り出せない場合は、リカバリーする前にデータ復旧業者などへの依頼が必要です。
dynabookをリカバリーする方法は、2つの方法があります。通常は、ハードディスクからリカバリーするのがおすすめですが、ハードディスクの故障などでリカバリーできない場合は、リカバリーメディアを使い実行しましょう。
指紋センサー搭載モデルは、工場出荷状態に戻すと指紋を削除できなくなります。ユーザー(アカウント)ごとに、指紋データを消去しましょう。購入後にインストールしたアプリやプリンターなどの周辺機器は、リカバリー後に再度インストールが必要です。アカウントやIDなどの情報を控えておきましょう。
操作の途中で、デバイスの暗号化の回復キーの入力を求められることがあります。リカバリー操作を行う前に、デバイスの暗号化の回復キーを確認してください。
リカバリーする前には、プリンターなどの周辺機器を全て外します。リカバリーには時間がかかることがありますが、途中で電源を切らないようにしましょう。
【ハードディスクからリカバリーする方法】
まずは、ハードディスクからリカバリーする方法を紹介します。
パソコンが自動的に再起動し、セットアップ画面が表示されたらWindowsのセットアップを行います。これで、dynabookが初期状態に戻りました。
dynabookが正常に動作することを確認したら、周辺機器の接続やウイルス対策ソフトの設定や更新を実行します。その他、必要なアプリなども再度インストールして、設定しなおしましょう。
参考:dynabookサポート ハードディスクからパソコンを初期状態に戻す方法<Windows 10 dynabook リカバリーメディアクリエーター搭載モデル>
【リカバリーメディアからパソコンを初期状態に戻す方法<Windows 10 dynabook リカバリーメディアクリエーター搭載モデル>】
まずは、リカバリーメディアを用意して、周辺機器を取り外します。
パソコンが自動的に再起動し、セットアップ画面が表示されたらWindowsのセットアップを行います。以上で、dynabookのリカバリー完了です。
参考:dynabookサポート リカバリーメディアからパソコンを初期状態に戻す方法<Windows 10 dynabook リカバリーメディアクリエーター搭載モデル>
dynabookがフリーズした場合には、注意点もあります。慌てて誤った対処法を実行すると、dynabook内のデータを消失する、故障するなどのリスクがあります。dynabookがフリーズした場合は、以下の注意点を守りましょう。
dynabookが突然フリーズしても、何度も電源をオン・オフしてはいけません。電源のオン・オフを繰り返すと、HDDやSSDに負担がかかります。
ストレージに不調がある場合は症状を悪化させ、最悪の場合は故障するリスクもあります。通電するとデータが上書きされるため、データの復旧が難しくなる場合もあります。
パソコンを強制終了すると、保存していない作業中のデータを失うリスクがあります。強制終了はHDDやSSDに負担がかかるため、ストレージが故障する可能性や、システムファイルが破損するリスクもあります。
システムファイルが破損すると、dynabookは完全に故障します。dynabookがフリーズすると強制終了が必要な場合もありますが、リスクがあることも覚えておきましょう。
dynabookがフリーズして動かない場合、故障個所がわかれば分解してパーツ交換すれば、直る可能性もあります。メーカー修理や修理業者に依頼するよりも、安価で修理できることが多いです。
ただし、dynabookを自分で分解すると、メーカー保証の対象外になります。分解して、さらに症状が悪化し、完全に故障した場合にはメーカーの保証を受けられません。メーカーの保証期間内の場合は、メーカーサポートに問い合わせるのがおすすめです。保証期間外で合ってもパソコンに詳しくない場合は、分解しないようにしましょう。
dynabookがフリーズしないために、できることもあります。普段から少し注意するだけで、dynabookがフリーズして作業が中断されるリスクが低くなります。それぞれ、順番に確認していきましょう。
パソコンは熱を発しているため、長時間使用しているとパソコン内部が高温になることがあります。パソコンが高温になり、熱暴走するとフリーズなどのトラブルが起こり、パソコンの寿命を縮める原因にもなります。
熱暴走を起こさないために、パソコンには冷却ファンなどの冷却機能があります。冷却ファンによって、パソコン内部から排熱され、パソコンを最適な温度に保ちます。
パソコンを熱暴走させないためには、通気性の良い場所にdynabookを置くことが大切です。壁に囲まれた場所や、通気孔をふさぐものがある場所には置かないようにしましょう。
また直射日光があたる場所や、真夏の車内など高温になる場所には、dynabookを置くのもやめましょう。
dynabookに大量のアプリをインストールすると、メモリ不足になる可能性があります。不要なアプリがある場合は、削除しましょう。定期的にdynabook内にあるアプリを確認し、不要なアプリを整理しましょう。
dynabookがフリーズして、不要なアプリやデータもない場合は、そもそもメモリが足りてない可能性が高いです。dynabookがメモリ不足で頻繁にフリーズする場合は、メモリの増設がおすすめです。
用途に合わせてメモリを増設することで、dynabookがフリーズするリスクが少なくなります。必要なメモリ容量の目安は、メールやWebサイトの閲覧だけなら4GB程度、文書作成などでは8GB程度、動画編集やゲームなどをする場合は16GB程度です。新しくパソコンを購入する場合は、用途を考慮して必要なメモリ容量があるものを選びましょう。
OSやソフトウェアをアップデートすると、不具合が修正されます。常に最新に保つことでフリーズなどのトラブルを回避できるでしょう。Windowsには自動更新機能もありますが、常に最新の状態であることを確認しましょう。
ウイルス感染もdynabookがフリーズする原因の1つ。悪質なウイルスに感染した場合は、パソコンが完全に故障することもあります。
ウイルスは、さまざまな方法や経路で感染するため対策が必須です。ウイルス感染対策には、対策ソフトを利用しましょう。また、Windowsに標準で備わっている「Windows Defender」を有効にするのもおすすめです。
ディスククリーンアップを実行すると、HDDやSSDに溜まった不要なデータを削除して、ディスクの空き容量を増やせます。ディスククリーンアップを実行すれば、パソコンの反応速度が速くなり、フリーズすることも少なくなるでしょう。
【dynabookのディスククリーンアップの手順】
ディスククリーンアップが完了すると、自動的に画面が閉じます。定期的に実行することで、dynabook内の不要なデータを整理できます。
参考:dynabookサポート 「ディスククリーンアップ」不要なファイルを削除し、ディスク領域を解放する方法<Windows 10>
dynabookがフリーズしたら処理が遅れているだけの場合もあるため、慌てないでまずはしばらく待ちましょう。しばらく待ってもフリーズが解消しない場合は、この記事で紹介している対処法を試してみるのがおすすめです。あらゆる方法を試しても、改善しない場合は初期化しましょう。
フリーズが頻繁に起こる場合は、dynabookが故障している可能性もあります。メーカーサポートへ修理に出しましょう。保証期間を過ぎている場合は、費用が発生し、直るまでに時間がかかる可能性もあります。dynabookを5年以上使用している場合は、寿命を迎えている可能性があるため買い替えるのもおすすめです。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。