Dynabookのバッテリーは、使用頻度や環境によって劣化します。劣化が進むと、充電時間が長くなったり、電源に接続しないと起動しなくなったりするなど、様々な問題が発生します。
Dynabookのバッテリー交換は、自分でできるモデルもあります。バッテリー交換をすると、パソコンの不具合が改善される可能性もありおすすめです。
この記事では、Dynabookのバッテリー交換方法について詳しく解説します。型番の調べ方や費用、バッテリー交換の必要性と劣化のサインなども解説しますので、参考にしてください。
【この記事でわかること】
目次
Dynabookのバッテリーは、使用頻度や環境によって劣化します。バッテリーの寿命は2~3年と言われてと言われており、劣化によってさまざまな問題が発生します。
また、バッテリーの劣化は、パソコン本体の寿命を縮め、故障リスクを高めます。バッテリーを交換することで、これらの問題を解決し、快適にパソコンが使用できるようになるでしょう。
以下のいずれかの症状が現れたら、バッテリーの劣化のサインです。
それぞれ解説します。これらのサインに気づいたら、Dynabookのバッテリー交換を検討しましょう。
バッテリーが劣化すると蓄電量が減少し、持ちが悪くなります。バッテリーの充電サイクルは限られており、使用回数が増えることで容量が低下します。例えば、使い始めはフル充電で1日持っていたバッテリーが、数時間で切れるようになった場合は劣化している可能性が高いでしょう。
本来よりも充電に時間がかかるようになった場合も、劣化の兆候です。内部のイオンが移動する速度が遅くなり、充電効率が下がるためです。バッテリーの劣化が疑われる場合は、充電にかかる時間にも注目してみましょう。
Dynabookが充電できなくなった場合の対処法は、下記記事でも詳しく解説しています。
dynabookのパソコンが充電できない原因とその解決方法を紹介! >>
バッテリーが完全に機能しなくなり、ACアダプターを接続しないとDynabookが起動しない場合は、交換時期の可能性が高いです。バッテリーが必要な電力を供給できておらず、劣化していることを意味しています。
使用中にバッテリー残量が急激に減少する現象も、劣化のサインです。これはバッテリーセルの不均一な劣化により、正確な残量が計測できなくなっていることが原因です。
バッテリーの膨張は、内部でのガス発生が原因であり、非常に危険な状態です。バッテリーに膨らみがある以外にも、液漏れしている、異臭がするなど場合も速やかに使用を中止して、Dynabookサポートへ相談しましょう。
Dynabookは、ツールによってバッテリー状態の確認もできます。バッテリーの状態をあらかじめ確認しておくことで、事前に備えることができます。
Dynabookはバッテリーの充電能力が低下してくると「バッテリー充電能力が少し低下しています。」または「バッテリー充電能力が大幅に低下しています。早期の交換をおすすめします。」のメッセージが表示されます。メッセージが表示された場合にも、以下の方法でバッテリーの状態を確認しましょう。
Windows11では、「Battery report」を使用して、バッテリーの劣化状況を確認できます。Battery reportは以下の手順で使用します。
【Windows標準機能を使う(Windows 11の場合)】
Windows11 に組み込まれたPowerfgコマンドプロンプトを使用して、バッテリーレポートを生成できます。
Enterキーを押すと、すぐにバッテリーレポートが作成されます。PC上のフォルダにHTMLファイルとして保存されています。ファイルの場所は、コマンドプロンプトウィンドウに表示されるため、確認しておきましょう。
バッテリーレポートを確認するには、エクスプローラーからレポートが保存されたフォルダーに移動します。「battery-report」をダブルクリックすると、ブラウザ上でレポートが表示されます。
バッテリーレポートでは、使用状況と容量などの詳細な情報を取得できます。バッテリー容量は、「Installed batteries」の項目を確認しましょう。バッテリー容量が、購入時よりも50%以下になっている場合は交換するのがおすすめです。
参考:Microsoftサポート バッテリーの取り扱いWindows
Dynabookには、バッテリー寿命を確認できる専用ツール「dynabookサービスステーション」があります。ここでは、Windows11の場合の使い方を紹介します。
以上の操作でバッテリーの状態を確認できます。
参考:dynabookサポート「dynabook サービスステーション」パソコンを診断し、トラブルを解決する方法<Windows 11>
バッテリーの外観を目視で確認することも大切です。膨張や変形が見られる場合は、バッテリーの寿命が尽きている可能性が高く、交換が必要です。
外観を確認する際には、以下の点を特に注意しましょう。
ただしバッテリーを確認するためには、パソコンのカバーを開ける必要があります。故障や保証の対象外になるリスクもあるため、自信がない場合は開けないようにしましょう。
バッテリーが劣化すると、パソコンのパフォーマンスが下がり、快適に使用できなくなります。バッテリーを交換すると、以下のメリットがあります。
バッテリーを交換することで、バッテリー持ちが改善されます。そのため、長時間の外出時でも充電の心配が減ります。
バッテリーが劣化していると、パソコンの動作が遅くなったり、電源が落ちたりするなどの問題が発生します。バッテリーを交換することで、パソコンのパフォーマンスが向上し快適に使用できます。
さらにバッテリーのみを交換すれば、新しいパソコンを購入するよりも経済的です。長期的なコストを抑えつつ、最適な状態でパソコンを使用できます。
ただし、ノートパソコンの寿命は3~5年と言われているため、それ以上経過している場合は、バッテリーのみを交換しても、その他の箇所に故障が見られる場合も。たとえバッテリーを交換しても、別の不具合が現れる可能性があるため、買い替えも選択肢に入れましょう。
Dynabookのバッテリーには、ユーザー自身で交換が可能なバッテリーパック搭載モデルと、専門の修理が必要なバッテリーパック内蔵モデルの2種類があります。
バッテリー交換の際には、パソコンにあった交換用のバッテリーを選ぶ必要があり、型番は正しいバッテリーを知る上で重要です。以下で、Dynabookバッテリーの型番の調べ方を紹介します。
バッテリー型番の調べ方は、次の3つの方法があります。バッテリーの型番がわからない場合は、Dynabookのカスタマーサポートに相談しましょう。
【本体底面やバッテリーパックのシール】
まずは、本体底面のシールで確認する方法です。Dynabookの底面をひっくり返し、そこに貼られているシールを確認します。
シールには製品のシリアル番号やモデル番号が記載されており、バッテリー型番の情報もここに含まれていることがあります。
または、本体カバーを外し、バッテリーパックを取り出します。バッテリーパックに貼付されたシールにバッテリーパックの型番が記載されています。
【BIOS画面】
パソコンを起動して、F2キーまたはDeleteキーを押し続けBIOS画面に入ります。BIOS画面が表示されたら、矢印キーで「System Information」のタブを選択します。システム情報の中に、バッテリーの型番が記されていることがあります。
【Dynabook公式サイト】
Dynabookの公式サポートサイトにアクセスし、使用しているDynabookのモデル名を入力します。スペック表などで、対応するバッテリー型番が確認できます。
バッテリー交換の費用は、使用するバッテリーの種類やモデルによって大きく異なります。以下に、純正バッテリーと互換バッテリーの場合とバッテリーパック内蔵モデルの修理費用についての目安を紹介します。
種類 | 費用の目安 |
---|---|
純正バッテリー | モデルによって異なる(目安:2万円前後) |
互換バッテリー | 約4,000円~9,000円 |
Dynabookのバッテリーパック搭載モデルの場合、純正バッテリーの交換費用はモデルによって異なりますが、2万円程度が目安となります。純正バッテリーはメーカーが提供するため、品質や互換性に関しては安心ですが、価格は高めです。
一方、市場には純正品ではない互換バッテリーもあります。互換バッテリーは純正品よりも安価であることが多く、価格は数千円から始まることが一般的です。ただし、互換バッテリーを使用すると故障などのリスクもあり、選ぶ際には品質や安全性を確認することが重要です。
バッテリーパックが内蔵されているモデルでは、ユーザー自身での交換ができないため、Dynabookサポートに修理を依頼する必要があります。修理費用は数万円からが目安となりますが、モデルによって異なります。
修理費用は、修理代金の見積もりを確認後に決まります。なおバッテリー交換の費用の目安は、以下の通りです。
パソコンの種類 | 費用 |
---|---|
スタンダードノートPCシリーズ | 39,400円~ |
モバイルノートPCシリーズ | 40,200円~ |
5in1/2in1モバイルノートPCシリーズ | 40,200円~ |
参考:Dynabookサポート Dynabook修理 概算料金
Dynabookのバッテリー交換は、バッテリーパック搭載モデルと、バッテリーパック内蔵モデルで異なります。バッテリーパック搭載モデルは自分で交換できますが、バッテリーパック内蔵モデルは修理が必要です。以下で、それぞれのバッテリー交換方法を紹介します。
まずは、バッテリーパック搭載モデルのバッテリー交換方法を紹介します。
以上の手順で交換しましょう。
手持ちのDynabookにあったバッテリーを購入しましょう。次にバッテリー交換に必要な道具を準備します。
必要な道具は以下の通りです。
バッテリーパックの取り外し方法は、モデルによって異なります。
ここではdynabook T45/D、T55/D、T65/D、T75/D、AZ15/D、AZ25/D、AZ35/D、AZ45/D、AZ55/D、AZ65/Dシリーズを例に挙げ、紹介します。
以上で取り外しは完了です。
バッテリーパックを取り付けたらDynabookの裏蓋を閉め、ネジを締め直します。電源を入れてDynabookが正常に起動するか確認します。新しいバッテリーの充電と放電が正常に行われるかも、チェックしましょう。
バッテリーパックが内蔵されているモデルは、自身での取り外しや交換ができません。バッテリー交換が必要な場合は、以下の手順でサポートに依頼しましょう。なお、バッテリー交換は保証期間内であっても有料になります。
Dynabookあんしんサポートの修理相談窓口へは、電話やFAXで申し込みできます。インターネットで申し込む場合は「PC i-repair」で手続きします。電話は9時~18時のみの対応ですが、FAXやインターネットなら24時間受付できます。
バッテリー交換を申し込むと、修理状況がWebで確認できるようになります。申し込み受付から修理が完了しDynabookを出荷するまで8段階で修理状況を確認できるため便利です。バッテリー交換にかかる期間は、およそ1週間ですが、交換用のバッテリーが在庫切れの場合はさらに時間がかかる場合があります。
修理代金の支払方法は、代金引換とクレジットカード払いです。代金引換の場合は、修理が終わったDynabookと引き換えに代金を支払いましょう。
バッテリー交換は、パソコンを快適に使用するために必要ですが、以下のように注意点もあります。
それぞれ解説します。
純正品は、Dynabookの推奨バッテリーで、デバイスとの完全な互換性と安全性が保証されています。
互換品は他社が製造しており、純正品と同等の性能を有する場合がありますが、以下のリスクもあります。
互換バッテリーは、品質が不安定で中には性能が悪い物もあります。新しいバッテリーを取り付けても、すぐに劣化する可能性もあります。またパソコンとの相性が悪い場合には、故障する原因となる場合も。
さらに品質が低い互換バッテリーは、過熱や発火のリスクもあります。互換バッテリーを購入する際には、信頼できる業者で購入しましょう。初めてバッテリーを購入する際には、リスクを避けるためにも純正品がおすすめです。
パソコンにとって静電気は大敵です。静電気によって故障する可能性もあるため、Dynabookのバッテリー交換作業をする際には、以下のような静電気対策をしましょう。
高温多湿の環境では、バッテリーが過熱しやすく、劣化が早まることがあります。また、湿気はパソコン内部の電子部品に悪影響を及ぼす可能性があるため、涼しく乾燥した場所で作業を行ってください。
バッテリーに膨張、液漏れ、破損が見られる場合は、使用を直ちに中止しましょう。これらの症状はバッテリーの劣化や内部ショートの兆候です。異臭がする場合などは過熱によって発火するリスクもあるため、すぐに使用を中止しましょう。
Dynabookのバッテリー内蔵モデルの場合は、自分でバッテリーを交換すると保証の対象外となる可能性があります。たとえ保証期間内であっても、バッテリー交換で故障した場合にも無料修理の対象にはなりません。バッテリー交換を行う前には、必ず取扱説明書や保証書を確認しましょう。
Dynabookのバッテリーは、バッテリーパック搭載モデルの場合は自分でも交換できます。バッテリーが劣化すると、外出先でDynabookが使用できなくなる、すぐに電源が切れるなど、不具合が起こります。またバッテリーパックに膨張が見られる、異臭がする場合には、発火の危険もあるためすぐに使用を中止してください。
バッテリー交換すると、それらの不具合が改善され快適に使用できるようになります。バッテリーパック搭載モデルの場合は自分でも交換できるため、パソコンにあったバッテリーの型番を調べて交換しましょう。バッテリー内蔵モデルの場合は、Dynabookあんしんサポートに依頼することで1週間程度で交換可能です。
この記事を参考にDynabookのバッテリーを交換し、快適なパソコン生活を送りましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。