Windowsのアップデートを行うと、ディスククリーンアップもあわせて行われます。その際、ディスククリーンアップがなかなか終わらない経験を持つ人は多いのではないでしょうか?なぜ時間がかかってしまうのか原因がわからないと対処もできません。
そこで今回は、ディスククリーンアップが終わらない原因や対処法を解説していきます。ディスククリーンアップが終わらないと悩んでいる方は、参考にしてみてください。
アップデートした時のディスククリーンアップが終わらない原因はいくつか考えられます。まずは、どのような原因が考えられるのかみていきましょう。
更新プログラムが溜まった状態になっていると、ディスククリーンアップに時間がかかってしまうので、定期的に更新しなければいけません。Windows10と11で更新プログラムの確認方法が異なるので確認しておきましょう。
Windows10の場合は、「Windows + I」をクリックし、「スタート」から「設定」を開きます。「設定」の中にある「更新とセキュリティ」をクリックし、左側のパネルにある「プライバシーとセキュリティ」を選択してください。そして「更新プログラムのチェック」をクリックすると、Windowsが自動で更新プログラムのチェックとダウンロード・インストールをしてくれます。
Windows11の場合は、「Windows + I」をクリックし、「スタート」から「設定」を開くところまでは同じです。次に、左パネルにある「プライバシーとセキュリティ」をクリックしましょう。そして、ウィンドウの右側にある「更新プログラムの確認」をクリックすると、パソコンが自動的に更新プログラムをチェックします。
この時、「最新の状態です」と書かれている場合は、いずれの場合も更新の必要はありません。
パソコンを使い続けていると、システムエラーが発生することがあります。「-2018375670」と書かれたファイルシステムエラーは、Windows自体のシステムエラーを示すものです。システムファイルの破損している、マルウェア・ウイルスに感染している、競合するアプリケーションによる干渉が起こっている、ドライバーのバージョンが古くなっている、などの原因がシステムエラーを引き起こします。
Windowsアップデートサービスが終了または停止している場合も、ディスククリーンアップが終わらない原因となります。このような状態だと、アップデート辞退できない状態です。
アップデートサービス自体が終了している場合は更新がそもそもできません。しかし停止している場合は、設定を変更するとWindowsアップデートやディスククリーンアップができるようになります。
設定がどうなっているか確認するには、管理ツールをチェックしてください。サービス一覧からWindows Updateを見つけ、右クリックで「プロパティ」を開きます。スタートアップの種類を「無効」になっているか見てみましょう。
「無効」になっていると自動更新がされないので、手動で更新しなければいけません。
Windowsのシステムファイルが破損してしまうと、アプリケーションやサービスが正常に動作しなくなってしまいます。また、ブルースクリーンなどのエラーが発生する原因にもなるのです。最悪の場合、Windowsが起動しなくなってしまうケースもあります。
システムファイルが破損してしまう原因には、ハードディスクの破損やウィルスの感染、急な電源オフなどが挙げられるでしょう。破損したままだと、アップデートが正常に行われず、ディスククリーンアップが終わらないなどの状況になる可能性が高いです。
ディスククリーンアップが終わらない場合、どうすればいいのか悩んでしまうでしょう。そこで続いては、ディスククリーンアップが終わらない時の対処法を解説していきます。
ディスククリーンアップがなかなか終わらない時は、しばらく様子を見てみましょう。待っているだけでは何も変わらないように思うかもしれませんが、時間の経過と共に解決する場合もあります。フリーズしていないのであれば、パソコン側は一生懸命内部の掃除をしてくれているためです。
ファイルが多い時や更新内容が多い時は、どうしても時間がかかってしまいます。ただ時間がかかっているだけだと、とにかく待つしかありません。どうしても待てない時は、他の方法を試してみてください。
アップデートを停止したり、アップデートファイル・プログラムにエラーが発生したりしている場合に有効な方法は、Windowsアップデートのクリーンアップのチェックを外すことです。以下の手順で作業を進めてみてください。
まずはクリーンアップをキャンセルし、パソコンを再起動します。そして、エクスプローラーのPCフォルダからWindows(C:)を右クリックし、プロパティを選択してください。プロパティの中にある「全般」の中にあるディスクのクリーンアップをクリックしましょう。
ディスクのクリーンアップをクリックすると、「Windows Updateのクリーンアップ」の項目があるので、チェックを外します。その後、クリーンアップを試してみてください。アップデートの関係でクリーンアップが終わらない時は、この方法を試すと改善する可能性が高いです。
セーフモードでWindowsアップデートを実行する方法も、アップデートが関係してディスククリーンアップが終わらない時に効果が期待できます。セーフモードでWindowsアップデートする手順は以下の通りです。
まずはパソコンを再起動し、起動している最中に「F8」キーを押します。詳細ブートオプションが憑依されるため。「セーフモード」を選び、「Enter」キーを押してください。デスクトップが表示されたら「スタート」から「設定」を開いて、「更新とセキュリティ」(Windows11の場合は「システム」)をクリックしましょう。
「更新とセキュリティ」を開いたら、「Windows Update」内にある「更新プログラムのチェック」をクリックしてください。そして、再起動してディスククリーンアップを再度試します。アップデートが関係して時間がかかっているのであれば、この方法を試すことで改善される可能性が高いです。
ストレージセンターは、Windows10に搭載された新たな機能で、ディスククリーンアップを引き継いだものです。ディスククリーンアップが正常に行われない時は、ストレージセンターを使用してみてください。
ストレージセンターは、まず左下にある「スタート」から歯車のマークをクリックして開きます。歯車のマークをクリックすると「システム」や「デバイス」などが一覧で表示されるので、「システム」を開きましょう。開くと左側の「ストレージ」の項目があるのでクリックしてください。
「ストレージ」を開くと、「ストレージセンターを構成するか、今すぐ実行する」を選択します。そして下にスクロールしていくと、「今すぎ空き領域を増やす」項目があってクリックすると、「今すぐクリーンアップ」を選べるようになるので実行しましょう。クリーンアップが完了すれば、ディスククリーンアップが終わった時と同じ処理ができた状態になります。
ディスククリーンアップが終わらない時は、パソコンに何らかのトラブルが起こっていないかチェックするためのトラブルシューティングも試してみましょう。アップデート関連の問題以外で終わらない状態になっている可能性もあるので、トラブルシューティングが効果的な場合もあります。
トラブルシューティングを行う場合は、ディスククリーンアップをキャンセルしなければいけません。デスクトップの「スタート」から「設定」をクリックします。「更新とセキュリティ」(Windows11の場合は「システム」)を開いたら、「トラブルシューティングツールの実行」を選んでください。
その後、再度ディスククリーンアップを試してみましょう。
Windowsには、一時的にファイルを保存する「temp」フォルダがあります。「temp」フォルダ内のファイルを直接削除すると、ディスククリーンアップが正常に行える場合もあるので試してみてください。
「temp」フォルダ内のファイルを削除するためには、まず「Windowsキー」と「Rキー」を同時に押して「ファイル名を指定して実行」のダイアログを開きます。「名前」の部分に「%TEMP%」と入力したら、「OK」をクリックしましょう。そうすると、Windowsの「temp」フォルダが開くので全て選択肢、右クリックして「削除」を行います。
「temp」フォルダのファイルを削除したら、再度ディスククリーンアップを試してみてください。
Windowsのシステムファイルの問題があってディスククリーンアップが終わらない時は、システムファイルチェッカーを実行してみましょう。システムファイルチェッカーを実行する手順は以下の通りです。
「スタート」を右クリックして開いたら、「WindowsPowerShell(管理者)」をクリックします。ユーザーアカウント制御の確認が表示されるので、「はい」を選んでください。そしてコマンドラインに「sfc /scannow」と入力し、「Enter」キーを押して実行します。システムファイルのスキャンが行われるので、終了するまで待ちましょう。
終了までに15分くらい時間がかかってしまうので、余裕がある時に行うのがおすすめです。スキャンが問題なく終わったらWindowsの再起動を行い、ディスククリーンアップができるか確認してください。
システムファイルチェッカーが動作しない場合や問題があった場合は、DISMを代替手段として活用しましょう。DISMはDeployment Image Service and Managementの頭文字を取った言葉で、Windowsのシステムファイル修復にも使われています。DISMを実行する手順は以下の通りです。
「スタート」を右クリックして開いたら、「WindowsPowerShell(管理者)」をクリックします。ユーザーアカウント制御の確認が表示されるので、「はい」を選ぶところまではシステムファイルチェッカーを実行する場合と同じです。
しかし入力するコマンドは、「DISM/Online /Cleanup-Image /ScanHealth」・「DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth」・「DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」の3つなので異なります。これらのコマンドを1つずつ入力し、「Enter」キーを押して実行してください。実行すると、破損したファイルが検出され、修正をしてくれます。
処理が完了したらWindowsを再起動し、ディスククリーンアップが問題なく行えるかチェックしましょう。
スタートアップ修復はWindows10の場合だと、起動に2回連続で失敗すると自動で行われるようになっています。スタートアップ修復が行われていると、「PCを診断中」と画面に表示されるので、しばらく待ちましょう。
手動でスタートアップ修復を行う方法もあります。手動で行うには、「F8」キーを連打し、光学ドライブから起動してください。Windows回復環境が表示されたら、「トラブルシューティング」を選択します。
「トラブルシューティング」を開いたら、「詳細オプション」から「スタートアップ修復」を選びましょう。実行するアカウントを選び、パスワードを入力して「続行」をクリックすると実行されます。
通常だとWindowsの更新ファイルはOSにインストールされる前の段階でSoftwareDistributionフォルダに保存されるようになっています。SoftwareDistributionフォルダに入っているファイルが破損してしまうと、ディスククリーンアップが上手くいかず、終わらない状態になってしまう可能性があるので要確認です。
ディスククリーンアップがなかなか終わらない時は、SoftwareDistributionフォルダに入っている古いファイルを削除してみてください。削除する手順は以下の通りです。
まずは「スタート」からWindowsエクスプローラーを起動し、アドレスバーに「C:WindowsSoftwareDistribution」を貼り付けます。SoftwareDistributionフォルダが開いたら、フォルダに入っているサブフォルダを全て選択肢、「削除」で一掃するだけです。
Windows10以上のバージョンでは、ディスククリーンアップが終わらない時にストレージセンターを使うことが推奨されています。ストレージセンターは、不要なデータを定期的かつ自動的に削除してくれるので、パソコンが重くなってしまう原因を減らせるためです。ストレージセンターの使い方は前述したように簡単なので、パソコンが重くなったように感じたら試してみると良いでしょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。