Dellのパソコンで作業しているときに突然フリーズして困った経験がある方も多いのではないでしょうか?Dell製品に限らず、パソコンはさまざまなことが原因でフリーズします。
今回は、Dellのパソコンがフリーズする原因と対処法、事前にできる対策をご紹介します。Dellのフリーズを解消したい方はもちろん、事前にフリーズ対策をしておきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
まずは、Dellのパソコンがフリーズする原因を見ていきましょう。
WindowsのOSをアップデートしたタイミングでフリーズするケースがあります。特にWindows10、Windows11にアップデートをしたときに起こることが多いです。
OSのアップデートをすると、パソコンを動作させる役割を持つドライバーが大きく変化します。その大きな変化によってドライバーが正常に動作しなくなり、パソコンがフリーズしてしまう可能性があるでしょう。
パソコンを動かすために欠かせない電源が確保できていない場合もフリーズするケースがあります。電源ケーブルが断線していたり、電源タップが故障していたりすると、動作が安定しないほか、起動できないことも多いです。
一度にたくさんのアプリやソフトなどを使うことでフリーズしてしまう場合は、メモリ不足が原因として考えられるでしょう。パソコンによって一度に行える処理の量が変わります。8GB以下だとExcelやWord、インターネットの利用であれば、問題なく動作します。
しかし、8GB以下のパソコンで動画編集やゲームなどを一度に動かそうとすると、メモリが足りず、フリーズしてしまう可能性が高いです。
新しくアプリをインストールしたタイミングや、特定のアプリを起動するとフリーズが発生する場合は、アプリのエラーが原因かもしれません。アプリのエラーによるフリーズは、OSのアップデート後に起こることもあります。
理由としては、アプリのドライバーがパソコンの動作を妨げている、OSアップデート後アプリのバージョンが合わなくなってしまったなどが挙げられます。
ウイルス感染によってフリーズするケースも多いです。悪質なウイルスに感染した場合、パソコンが正常に動作するために必要なプログラムを壊されてしまい、最悪の場合、パソコンの起動すらできなくなるケースもあります。
フリーズさせるタイプのウイルスは、メモリや命令を処理するCPUにダメージを与えてくるでしょう。その結果、画面が固まって動かなくなってしまいます。
データ保存に欠かせないハードディスクが劣化したり、故障したりしている場合もフリーズが頻発します。特に毎日パソコンで作業している場合は、読みとる量と書きこむ量が膨大になるため、寿命よりも早く故障してしまうことがあります。
パソコンのフリーズに加え、本体から異音がしたり何度もアプリが落ちてしまったりするときは、ハードディスクの故障を疑ってみましょう。
パソコンの土台、中心パーツと言われるマザーボードの不具合も原因として考えられるでしょう。パソコンに欠かせないパーツとはいえ、マザーボードにも寿命があります。3~5年使い続けている場合は、マザーボードの劣化によるフリーズかもしれません。
ほかにも、マザーボードにまで水が入った、高温や低温が続いた、高い所から落としたなど、マザーボードが故障する原因はさまざまです。
パソコンのシステム全体を管理するオペレーションシステムに不具合がある場合、フリーズケースがあります。オペレーションシステムとは、OSの正式名称です。OSのアップデートがうまくいかなかったときや、ソフトウェアに異常があるとき、OSに不具合が発生します。
ディスプレイ自体が故障しており、画面が正常に動かないケースも少なくありません。特にデスクトップパソコンの場合は、映像を画面に反映させるためのケーブルが断線を起こしていたり、モニターが故障していたりすると、フリーズしているように見えることがあります。
突然文字が打てなくなったり、マウスを動かしても反応しなかったりする場合は、接続しているデバイスの故障が考えられます。パソコン自体がフリーズしている可能性は低いでしょう。電池を入れ替えてみたり、新しいキーボードやマウスに交換したりして、正常に動作するか確認してみてください。
パソコンがフリーズすると、焦って強制シャットダウンをしてしまう方は多いです。しかし、強制シャットダウンをする前にできることがあります。パソコンがフリーズしたときは、以下の方法を試してみてください。
デバイスが接続されていない、何かの拍子でパソコンがデバイスを認識できなくなっているなどのケースもあります。まずは、キーボードやマウスがパソコンと接続されているかをチェックしましょう。ケーブルなら抜き差し、ワイヤレス接続なら再接続をしてみてください。
デバイスの接続に問題がなくても、すぐに強制終了したり電源を抜いたりするのは危険です。フリーズした場合、3時間は待ってみましょう。6時間以上経っても状況が好転しない場合は、そのほかの対処法を試してみてください。
特にメモリが少ないパソコンの場合、アプリなどの処理に時間がかかってしまい、パソコンが重くなることは多いです。アプリの処理が原因であれば、5~10分で回復するでしょう。マウスを動かすと反応する、読み込み中のマークが動いているときはフリーズしているわけではないため、しばらくの間待ってみてください。
Dellのパソコンは、フリーズするとエラーコードが表示されるケースがあります。画面に表示されるエラーコードを検索すると、フリーズの原因が特定できるだけでなく、対処法もチェック可能です。
公式サイトでチェックすればそのエラーコードが出たとき、どういった手順で改善できるのかも詳しく書かれているため、より適切な対処ができます。エラーコードによっては、パーツの交換やパソコンの修理が必要になることもあるので注意しましょう。
次に、DellのPCがフリーズした際の対処法を見ていきましょう。
フリーズの原因が特定できない場合は、ハードウェア診断プログラムを起動させましょう。
Dellのパソコンにはソフトウェア「SupportAssist」が備わっています。これには、不具合や故障が起きたときに知らせてくれる機能が備わっており、フリーズしたときにも焦らず対処できることから、とても便利なものとして認知度も高いです。
しかし、より包括的にパソコンを診断したい場合は、ハードウェア診断プログラムを起動させてみましょう。ハードウェア診断プログラムは、下記の手順で起動できます。
①パソコンを再起動する
②ロゴ画面が表示されたら「F12」キーを押す
③矢印キーを操作して「Diagnostics(診断)」を選択し、「Enter」キーを押す
④表示された指示に従って回答していく
Dell製PCは、オンライン診断テストを実行できます。オンライン診断テストは、下記の手順に沿って実行してみましょう。
①Dellサポートサイトを開き、Dell製品を手動で選択またはタグやコード、シリアル番号で検索する
②「Diagnostics(診断)」を選択する
③「Run Full Test(フルテスト)」を実行する
しばらく待ってみても状況が変わらない場合は、パソコンを強制シャットダウンしましょう。Dell製品の多くは電源ボタンを長押しすると強制シャットダウンできます。しかし「Ctrl」キー、「Alt」キー、「Delete」キーの3つを同時に押してメニューが表示される場合は、そこからシャットダウンを選択してください。
電源ボタンの長押しによる強制シャットダウンは最終手段だと考えておくのがおすすめです。しかし、フリーズはパソコンの再起動によって改善するケースも多くあります。理由は、誤作動で起動したアプリや見えない場所で動作しているシステムをストップさせられるためです。
アプリやシステムを終了させることで、処理に追われていたメモリに余裕が生まれ、パソコンが正常に動作します。特に、パソコンを長時間使っていたときにフリーズした場合は、再起動で解決されることが多いです。
パソコンの電源を切った後にマウスとキーボードだけでなく、USBドライブやプリンター、Webカメラ、SDカードなど、全てのデバイスをパソコンから外しましょう。パソコンのデバイスは正しく取り付けられていても、障害をもたらすケースがあります。
使っているデバイスが、パソコンのメモリやハードディスクなどに異常がないかを診断する「自己診断」に影響していることもあるでしょう。デバイスを取り外した後、再起動して正常に動作すれば、デバイスが自己診断の完了を妨げていた可能性があります。どのデバイスが原因となっているかを特定し、原因となるものは新しいものや相性がいいものに交換しましょう。
バッテリーを取り外すのもトラブル解決に有効です。接触不良などが原因で、動作が不安定になっている可能性があるからです。
バッテリーを取り外すときは、パソコンから電源ケーブルを外してから作業を行うようにしましょう。また、バッテリーの取り外し方はパソコンによって異なるため、安全に取り外せるよう、マニュアルなどで手順を確認してください。
パソコンの内部に電気が溜まり過ぎると、トラブルの原因になることがあります。帯電を解消するためには、放電を行う必要があります。フリーズ以外に突然電源が切れる、画面が真っ暗になるなどのトラブルが多い場合は、以下の手順で放電を行ってみてください。
①電源を切る
②ケーブルやデバイスを全て取り外す
③電源ボタンを15秒~20秒押し続ける
④1時間ほど放置する
WindowsのOSアップデート後にフリーズするケースをご紹介しましたが、反対にOSをアップデートするとフリーズを改善できる場合もあります。OSのアップデートは、下記の手順で実行できます。
①「設定」を開く
②「更新セキュリティ」の「Windows Update」から「更新プログラムをチェック」を選択する
セーフモードは、必要最低限の機能だけが使えるモードになります。不具合の原因を特定するための診断機能も使えるので、フリーズしたときにも便利です。セーフモードでの起動が可能であれば、ソフトウェアやアプリ、ハードウェアなど、どこに原因があるのかを調べてみましょう。
セーフモードで診断した結果、特定のアプリに原因があれば、アンインストールや再インストールを試してみましょう。アンインストールで改善、再インストールで再度フリーズする場合は、そのアプリに不具合がある可能性が高いです。
セキュリティ対策に特化したソフトを使い、マルウェアやウイルスの侵入を確認しましょう。ウイルスが見つかった場合、しっかりと除去すればフリーズが解消する可能性があります。
ここで注意したいのは、使用するセキュリティ対策ソフトを1種類に絞ることです。複数のセキュリティ対策ソフトを起動していると、動作が安定しづらくなり、トラブルが起きやすくなります。
パソコンの動作を不安定にする外的要因として挙げられるのは、浸水だけではありません。ホコリや異物が通気孔を塞いでしまうと、パソコンに熱がこもり、トラブルが起きやすくなってしまいます。しばらく掃除をしていない、どの方法を試しても改善しない場合は、通気孔のゴミを取り除いてみましょう。
ここからは、DellのPCをフリーズさせない対策方法をご紹介します。
ファイルのクリーンアップやチェックディスクなどを定期的に行い、不要なファイルの削除・ドライブの修復を行いましょう。システムメンテナンスを行うことで、容量やメモリに余裕が生まれ、フリーズしにくい環境を作れます。
パソコンに熱がこもるとトラブルが起きやすくなるため、高湿・高温が避けられる環境に設置しましょう。特に直射日光や通気口付近に物を置くのは厳禁です。結露による故障もあるため、寒暖差が生じないような環境づくりを心掛けてください。
使っていないアプリや、しばらく使う予定のないアプリは消去しておくのがおすすめです。メモリはもちろん、容量を圧迫してしまい、フリーズにつながる恐れがあります。定期的にアプリの整理を行うこともフリーズ対策として有効です。
ソフトウェアやドライバーは、自動でアップデートされるものが多いことから、わざわざチェックしない方も多いでしょう。中には自動アップデートされないものもあるため、定期的に最新のものがないかチェックしてみてください。
ウイルスに感染したらすぐに分かる・早急に駆除できるウイルス対策ソフトをインストールしておくことも対策の1つです。ウイルス対策ソフトの中には、体験版が用意されているものも多いため、好みのソフトを見つけやすいでしょう。インストールする前にメモリ不足にならないよう、チェックしておくことも大切です。
同じパソコンを長期にわたって使用している場合、1つのデータが複数の場所に書き込まれてしまうことがあります。書き込まれる場所が分散されることによって、動作するまでに時間がかかってしまったり、フリーズしてしまったりするトラブルが起きやすくなります。これを改善してくれるシステムメンテナンスを「デフラグ」と言います。
デフラグを頻繁に行うとハードディスクに大きな負担がかかってしまうため、半年~1年に1回程度の頻度でメンテナンスを行うのがおすすめです。
高いスペックが求められるアプリやソフトを使いたい、快適に作業したい場合は、メモリ容量の増設も視野に入れましょう。メモリが足りず、フリーズが頻発する場合は、増設によって改善できるかもしれません。
ただし、メモリの増設は知識や技術が求められるため、素人には難易度が高いです。安全に増設したい場合は、パソコンの修理業者に依頼するのがおすすめです。
今回は、Dellのパソコンがフリーズする原因や対処法をご紹介しました。パソコンがフリーズしたときはまずその原因を特定し、適切に対処しましょう。間違った対応をしてしまうと、フリーズを解消できても大切なデータなどが消えてしまう可能性があります。
フリーズする原因によって適切な対処方法があるため、焦らずじっくり原因を見極めてみてください。また、突然のフリーズを防げるよう、普段から対策しておくことも重要です。ぜひ今回ご紹介した「DellのPCをフリーズさせない対策」を参考にして、フリーズ対策を行ってみてください。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。