Chromebookの動作が重い、画面が頻繁にフリーズするといった不具合は、パソコンの初期化によって改善される場合があります。
Chromebookの初期化方法は、MacやWindowsパソコンとは異なります。手順や注意点を把握して、慎重に初期化作業を行いましょう。
今回は、Chromebookの初期化方法や注意点、初期化できない場合の対処法について詳しく解説します。
【この記事で分かること】
目次
Chromebookの不具合が続く場合、すぐに初期化するのではなく、まずは以下の作業を試してみましょう。
それでも不具合が改善しない場合、初期化作業を行ってください。
また、初期化によってデータがリセットされる前に、バックアップしておく必要があります。
Chromebookの不具合が気になった時は、最初に再起動を試してみましょう。
再起動すれば、動作の重さや画面のフリーズといったトラブルが改善される可能性があります。
ただ、一時的に正常な状態に戻るだけのケースもあるため、初期化ほどの効果はありません。
再起動を試しても不具合が続く場合、ハードウェアをリセットしてみてください。
ハードウェアのリセット方法は、以下の通りです。
これで、ハードウェアのリセットは完了です。再起動、ハードウェアリセットを試して、不具合が改善しない場合は初期化を試してみましょう。
初期化作業を行う前に、データをバックアップする必要があります。
Chromebookを初期化すると、デバイス内のデータがリセットされます。重要な写真やビデオ、ドキュメントが消去されるため、事前にデータのバックアップを取っておきましょう。
Chromebookのデータバックアップ方法は、大きく分けて5通りあります。
なお、基本的にChromebookのデータはGoogleアカウントに自動バックアップされています。ただ、他の機器やクラウドサービスにバックアップする方法もあるため、自分に合った方法で行ってください。
それでは、一つ一つの方法について見ていきましょう。
Chromebookのほとんどのデータは、自動的にGoogleアカウントにバックアップされるようになっています。
Chromebookのコンセプトは「常に同期=常に最新」なため、デバイスにバックアップ機能や復元機能は搭載されていません。
自動バックアップがオンになっているかどうかは、以下の手順で確認できます。
また、自動バックアップの対象外になっているデータもあります。Androidアプリ、ブラウザでダウンロードしたファイルなどはバックアップされません。
自動バックアップの対象外のデータをバックアップするためには、違う手順が必要です。
自動バックアップに非対応のデータは、以下の通りです。
ダウンロードフォルダのデータをバックアップするためには、ChromeOSのダウンロード先をGoogle Driveに変更する必要があります。
Androidアプリのバックアップ方法は今のところ提供されていません。
ダウンロードフォルダの自動バックアップ設定の手順は以下の通りです。
これで、ダウンロードフォルダはGoogle Driveに自動的にバックアップされます。
外付けHDDやUSBメモリといった外部機器を利用してバックアップする方法もあります。
Chromebookと外部機器を接続し、バックアップしたいデータを選択して移行するだけで完了します。
非常に簡単に完了するバックアップ方法ですが、外部機器を破損・紛失してしまった場合は復元不可能なため、慎重に管理しましょう。
手順は以下の通りです。
DropBox、FleekDriveなどのクラウドサービスを利用する方法もあります。
クラウドサービスにバックアップを取っておくと、初期化後のデータ復元が簡単に完了します。
ただ、無料会員と有料会員でデータ容量の上限が異なるケースが多いです。
主なクラウドサービスのデータ容量をまとめたので、参考にしてみてください。
クラウドサービス | データ容量 |
---|---|
DropBox | 無料会員:2GB 月額1,200円:2TB |
GoogleDrive | 無料会員:15GB 月額250円:100GB 月額380円:200GB 月額1,300円:2TB |
FleekDrive | 月額500円:100GB 月額1,500円:2TB 月額4,000円:無制限 |
OneDrive | 無料会員:5GB 月額224円:100GB 月額1,284円:1TB |
手順は以下の通りです。
データのバックアップが無事に完了したら、実際に初期化作業に入りましょう。
Chromebookの初期化方法は、大きく分けて4通りあります。
Chromebookの状態によって利用できる初期化方法が異なるため、適切な方法を選択してください。
それでは、一つ一つ解説します。
Chromebookが正常にログインできている場合、設定画面から初期化を行いましょう。この方法は最も簡単に完了します。
これで、設定画面からの初期化は完了です。
不具合やパスワード忘れにより、Chromebookにログインできない場合、ショートカットキーを利用して初期化しましょう。
ショートカットキーを利用すれば、ログイン前の画面からChromebookを初期化できます。
手順は以下の通りです。
Chromebookにどうしてもログインできない場合は、この方法で初期化してください。
不具合によりChromebookが起動しない場合、OSのリカバリーイメージからの初期化が有効です。ログイン画面にすら進めない場合は、この方法を試してみましょう。
ChromeOSが故障していない限り、この方法での初期化が有効です。
OSのリカバリーイメージからの初期化が不可能な場合、USBを用いた初期化を試してみましょう。
この方法には、以下の準備が必要になります。
上記のものを準備できたら、「Chromebookリカバリーユーティリティ」を利用して初期化しましょう。
この方法は、Chromebookが起動不可能かつリカバリーイメージからの初期化も不可能な場合に有効です。最終手段として用いてください。
初期化は、全てのデータをリセットするという大がかりな作業です。誤った方法で初期化すると、トラブルにつながるリスクもあるため、正しい手順で行いましょう。
それでは、Chromebook初期化の注意点について見ていきましょう。
初期化作業は、完了するまでにかなり時間がかかってしまう可能性があります。
Chromebook内に入っているデータが多ければ多いほど、初期化に時間を要します。
初期化に長時間を要することを見越して、時間に余裕を持って行いましょう。
初期化の途中でChromebookをシャットダウンすると、トラブルの原因になります。初期化エラーになったり、初期化後の不具合に繋がったりするリスクがあります。
初期化中は必要な操作以外はせず、電源ボタンには触らないようにしましょう。
Chromebookをどうしても初期化できない場合の対処法について解説します。
初期化は、Chromebookの不具合に対する最終手段です。その初期化作業が不可能な場合、業者に修理を依頼するか、処分・売却して手放すことを検討してください。
初期化できない場合、Chromebookを修理に出すという手もあります。
Chromebookを購入した店舗やメーカーに問い合わせて、修理可能かどうか確認しましょう。
Chromebookの修理に対応している業者はまだ少ないため、メーカー修理に出すケースがほとんどです。また、どのメーカーで購入しても1年保証が付帯している場合が多いです。
保証対象内かどうかも確認してみましょう。
Chromebookの初期化方法について解説しました。不具合を解消したい場合、初期化を行う前にまずは「再起動」や「デバイスのリセット」を試してみてください。
Chromebookの状態によって有効な初期化方法が異なるため、適切な方法を選択しましょう。
また、Chromebookの初期化によって完全にデータが消えるわけではありません。Chromebookを手放す場合、個人情報の漏洩には注意が必要です。
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監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。