普段、電源ボタンを押せば当たり前のように起動していたパソコンが、突如正常に立ち上がらなくなってしまったという経験のある方も多いのではないでしょうか?
しかし、このような場合はしっかりと焦らずに対応することが重要です。
この記事では、もしそんな事態に陥ってしまっても焦らずに済むように、dynabookが突如起動しなくなった時の対処法や、立ち上がらない原因について紹介していきます。
【この記事でわかること】
目次
国内のノートパソコンの中で、いまだに高い人気を誇るブランド「dynabook」。
2018年までは東芝から販売されていたノートパソコンですが、東芝がパソコン事業から撤退することになり、事業のほとんどをシャープが受け継ぎました。
2020年には完全にシャープに株式を売却し、名実ともにシャープのブランドとなっています。
「起動しない」・「電源が入らない」といったdynabookブランドのノートパソコンに関する不具合については、まずDynabook株式会社の公式サイトのサポートページを開き、トラブル内容について調べてみてください。
FAQも充実していますし、過去のトラブルに関する回答を検索する機能もあるため、多くのトラブルは公式サイトを見ることで解決します。
参考 : dynabook サポート | dynabook(ダイナブック公式)
ただ、検索に慣れていない方や、パソコン初心者の方などには自己解決が難しい場合もありますので、以下にて、dynabookが起動しない原因や対処法について噛み砕いて解説していきます。
dynabookが起動しなくなる原因は、主に以下のようなものです。
HDDやSSDは無限に使用できるわけではありません。
HDDの場合は約3~4年、SSDの場合は約5年が平均寿命だと言われています。
この平均寿命は、あくまで一般的な使用方法だった時の話ですので、使い方が悪ければ当然HDDやSSDの寿命は短くなります。
高温多湿な環境でdynabookの使用を続けたり、常に電源をつけっぱなしにしていたり、ホコリ除去などのメンテナンスを怠っていたりすれば、平均寿命を遥かに下回る年数で故障してしまう可能性も充分にあります。
パソコンを起動させるためのシステムが入っているのもHDDやSSDですから、これらが寿命を迎えてしまえばパソコンは立ち上がらなくなってしまいます。
ハードディスクの寿命は3~4年!故障の前兆や症状、診断方法を解説>>
SSDの寿命に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【SSDの寿命は5年】故障前のSSDの症状や延命方法を徹底解説>>
電源ユニットやマザーボードといった重要パーツが故障してしまった場合も、dynabookが正常に起動しなくなる原因となります。
こうしたパーツも経年劣化する上、使用方法や環境が悪ければ劣化スピードも速まります。
マザーボード故障時の症状とは?4大原因と2つの調べ方を解説>>
また、ケーブルの断線や差込口の変形といった可能性も疑われます。
電源ケーブルは、重い物の下敷きになったり、力任せに挿しこんだりすることで断線や変形を招いてしまうことがあり、それが原因で正常な電力供給が行われなくなり、起動しなくなるというケースもあります。
HDDやSSD、電源ユニットやマザーボードといったハードウェアに問題がなくとも、ソフトウェアに障害が発生していると、パソコンは正常に起動できなくなってしまいます。
一番多いのはOSの不具合です。
なんらかの原因でOSに障害が発生し、パソコンを起動させるためのプログラムが正しく動かなくなっている場合があります。
dynabookが起動しない原因は多岐に渡ります。
以下に、症状別の対処法について解説していきます。
同じ「画面が真っ暗」という状態でも、電源ボタンを押した後のdynabookの挙動によって対処法が異なってきます。
まず、dynabookの側面部分にあるLEDランプを確認してください。
電源ボタンを押しても、電源が入っているかどうかを示すLEDランプが点灯しない場合は、電気系統のトラブルにより通電自体していないということになります。
考えられる原因は以下のようなものです。
まず確認すべきは、電源ケーブルがしっかりと挿さっているかどうかです。
「そんな単純なことが原因のわけがない」という思い込みから、挿し込みが緩いという可能性を考慮せずに慌ててしまうパターンはありがちです。
ケーブルがしっかり挿さっているのにLEDランプが点灯しない、つまり通電しないという場合は、何かしらのパーツにて異常が発生している可能性が非常に高いです。
最もあり得るのは、バッテリーに異常が発生しているパターンです。
この場合は、まずdynabookに挿さっているケーブルをすべて外してから、パソコンを裏返してバッテリーを抜いてください。
それから、ACアダプターのみを接続して電源ボタンを押し、これで通電すればバッテリーに何らかの異常があるということになります。
これでも解決しない場合は、電源ユニットやマザーボードの故障、もしくはケーブルの断線が疑われるので、修理が必要となる場合があります。
パソコン初心者では難しい作業となるので、まずは公式サポートに相談してください。
参考 : dynabook サポート | dynabook(ダイナブック公式)
また、熱暴走によって電源が入らないという可能性もあります。
dynabook本体を触ってみて異常に熱いようならば、しばらく放置して熱が充分に下がったことを確認してから電源を入れてみてください。
LEDランプが点灯していれば、通電はしているということになります。
通電しているのに起動しない原因の多くは、メモリが帯電してしまっていることです。
メモリの抜き差しをするだけで溜まっていた静電気が放電され、普通に立ち上がるようになることもありますので是非試してみてください。
また、メモリではなくdynabook本体に静電気が溜まっているケースもあります。
よって、dynabookからすべてのケーブルを抜き、10分ほど放置して放電を行なってから再度ケーブルを繋いで電源を入れると、問題なく起動することもあります。
例外パターンとして、内部的には正常なものの液晶が破損している、というケースもあります。
外付けのディスプレイがあれば、dynabookにディスプレイケーブルを挿し込んでから電源を入れてみてください。
外付けディスプレイの方で普通に起動できていれば、液晶の破損が原因だと特定できます。
上記の対策を施しても直らない場合は、メモリやマザーボードなどの重要パーツが故障している可能性が高いです。
このケースも、「LEDランプが点灯している状態で画面が真っ暗」という場合と同じ対処方法となります。
通電はできているものの正常に起動しない、という状態ですので、原因は同じであることが多いです。
そのため、まずはバッテリーを外してACアダプターのみ接続してから電源を入れ、それでも電源が入らないようならdynabookの放電を行なってください。
これで直らなければ、重要パーツの故障が疑われます。
dynabookのロゴの下に「自動修復を開始しています」のメッセージが表示される場合は、とりあえずしばらく待ってみてください。
これは故障ではなく、停電や強制終了などの予期しないシャットダウンが原因で発生したシステムトラブルを、Windowsが自ら修復しようとする時に出るメッセージですので、待っていれば自動修復が完了し、普通に起動することも多いです。
待ち時間が長かったり、自動修復が繰り返されたりすることもありますが、我慢強く待ちましょう。
しかし、待った結果「PCを修復できませんでした」・「PCが正常に起動しませんでした」といったメッセージが出た場合は、システムの復元が必要です。
システムの復元方法は、使用しているWindowsのバージョンによって異なります。
これでWindows10におけるシステムの復元は完了です。
完了するまでかなり長い時間がかかる場合もありますが、復元中は下手にパソコンをいじらず、ひたすら待ちましょう。
Windows8.1の自動修復は、一度電源を落とすところから始めます。
参考:「システムの復元」「トラブルシューティング」からコンピューターを以前の状態に復元する方法<Windows 8.1>|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
Windows7の自動修復も、まずは電源を落とします。
参考:「コンピューターの修復」を使用して「システムの復元」を起動する方法<Windows(R)7>|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
パソコンの画面が真っ青になり、その青い画面に白い文字が表示されて操作不能となってしまう恐怖の現象、ブルースクリーン。
発生原因は、重要パーツの故障やソフトウェアトラブル、ウイルス感染など多岐に渡り、ブルースクリーンが出現しただけでは不具合のある場所はわかりません。
ブルースクリーン状態となった場合は何も操作ができないので、とりあえず電源ボタンを長押しして強制終了するしかありません。
その後もう一度電源を入れると普通に立ち上がることもありますが、何かしらのトラブルが発生している可能性が高く、いつdynabookが動かなくなるかわからないので必ずバックアップを取っておきましょう。
「ブルースクリーン出現後にバックアップを取った」、もしくは「何度起動してもブルースクリーンになってしまう」という場合には、リカバリを試みてください。
リカバリとは、パソコンを初期状態に戻すことです。
つまり、パソコン内にあるデータはすべて消去されてしまいますのでご注意ください。
以下、Windows10におけるリカバリ手順について掲載します。
参考:このPCを初期状態に戻す”機能を使用してWindowsを再インストールする方法<Windows 10>|サポート|dynabook(ダイナブック公式)
ブルースクリーンに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンのブルースクリーンが頻発する原因は?エラーコードの種類と対処法>>
画面がただ真っ暗なだけでなく、黒い画面に白文字が表示されたまま正常に起動しないというケースもあります。
表示される白文字は以下のようなものです。
この白文字は、エラーの原因が表示されていたり、どのような行動を取ればいいのかを指示していたりします。
例えば上記の1.と2.の「Press F1 to Resume」や「Strike the F1 Key to continue」ならば、どちらも「F1キーを押してください」というような意味なので、指示された通りF1キーを押すだけで正常に起動することがほとんどです。
また、3.の「Boot Failure」ならば単に「起動に失敗した」ということを表しており、4.の「Fan Error」ならば「冷却ファンに異常がある」ということを表しています。
エラー箇所が指摘されている場合は、エラーメッセージをメモしてから一旦再起動してみましょう。
再起動するだけで問題なく動作することもあります。
再起動しても同じエラーが出たり、うまく起動しなかったりする場合は、エラー箇所の点検を行なってください。
起動しないという不具合だけでなく、dynabookに何かしらのトラブルが発生した場合は、まず公式のサポートページを参照すべきです。
参考 : dynabook サポート | dynabook(ダイナブック公式)
dynabookに関するトラブル解決のためのFAQや、ユーザーから寄せられた過去の不具合に対する公式回答が大量にログとして残っているため、非常に情報量が豊富です。
公式サポートサイトをじっくり確認するだけで、抱えている問題が解決することも珍しくありません。
とはいえ、パソコンは消耗品です。
何年も使っていれば、自分で対処できるレベルの不具合ではなく、専門業者へ有料で依頼しなければ直らないような故障である可能性も高くなってきます。
そして使用年数が長いほど各パーツの消耗も激しく、修理費用は高くなりやすい上、修理直後にまた別の箇所が故障した、というようなパターンも多いです。
従って、ある程度の年数を使っている場合は、いっそのことパソコンを買い替えてしまう方が長い目で見ると安上がりかもしれません。
なお不要になったパソコンを廃棄する際は、「パソコン廃棄.com」を利用すると便利です。
費用が一切かからない上、事前のやり取りも一切不要。
ただ壊れたパソコンを梱包してパソコン廃棄.comに送るだけでOKとなっています。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。