任天堂が誇る、世界で9,000万台以上も売れている大人気ゲーム機「Switch」。
据え置き型としても携帯型としても楽しめるフレキシブルな部分も人気の一因となっています。
そんなSwitchですが、高価なゲーム機であるため可能な限り長持ちさせたいものの、電化製品というのはすべて消耗品ですのでいつかは寿命を迎えてしまいます。
この記事では、Switchの寿命がどれくらいなのかや、できるだけSwitchの寿命を延ばすための方法などについて解説していきます。
【この記事でわかること】
目次
Switch本体の寿命は、使用頻度や扱い方など個人個人のケースによってバラバラですが、一つの目安になるのが「バッテリーの寿命」です。
バッテリーが劣化してしまうと、安定的な電力供給が行なわれなくなり、Switch本体へ負荷をかけやすくなってしまうため、故障する可能性も高まっていきます。
バッテリーの劣化については、任天堂の公式ページにて以下のように説明されています。
内蔵バッテリーは特性上、充放電を繰り返すと、満充電時に使用できる時間が少しずつ短くなります。
各機器の目安は、次のとおりです。
■Nintendo Switch本体(従来モデル・有機ELモデル共通)
約800回繰り返して充電した場合、新品購入時の約80%となります。
■Nintendo Switch Lite本体
約800回繰り返して充電した場合、新品購入時の約80%となります。
■Joy-Con
約500回繰り返して充電した場合、新品購入時の約80%となります。
■Nintendo Switch Proコントローラー
約500回繰り返して充電した場合、新品購入時の約70%となります。
引用:【Switch】本体やコントローラーの内蔵バッテリーの寿命はどれくらいですか? | Nintendo
上記の通り、充電を繰り返すほどバッテリーは劣化していき、いずれ寿命を迎えて充電ができなくなります。
バッテリーが何年もつのかについては充電頻度によって大きく異なりますが、毎日のようにプレイする場合は2~3年がバッテリー交換の目安となります。
バッテリーの劣化によってSwitchが使えなくなってしまっても、バッテリーを交換すればまた使用できるようになります。
ただ、本体が寿命を迎えてしまうと修理しない限り使えるようにはなりません。
では、バッテリー以外ではどういった要因でSwitchが動かなくなってしまうのでしょうか。
以下にて解説していきます。
最も多いのが、落下や踏みつけといった物理的な衝撃が加わることによる故障です。
携帯して外で遊ぶこともできる上、子供が使用する場合も多いため、誤って落としてしまったり、踏んでしまったりということは珍しくありません。
そこで液晶が割れればおしまいですし、液晶が無事でも内部機器が損傷を受けてしまう可能性も高いです。
据え置き型のゲーム機ならばあまり心配のいらない水没ですが、携帯型でもあるSwitchには水没の危険があります。
例えば、以下のようなパターンです。
当然、精密機器にとって水は大敵です。
Switch本体や付属品であるJoy-Conなどには防水機能が搭載されていないため、水没の際の故障リスクが非常に高いです。
また、水没とまでいかなくとも、湿気の多い場所で使用するだけでもダメージを受けてしまう可能性が高いので、風呂場や加湿器の近くで使用するだけでも故障リスクが伴います。
水没した場合は、適切な対処法を行えば直る可能性があります。間違った対処法をすると、より悪化させてしまうため注意してください。詳しい対処方法については、下記の記事を参考にしてください。
switchが水没したときの対処法!やってしまいがちなNG行為についても徹底解説 | パソコン廃棄.comお役立ち情報
Joy-Con(コントローラー)で操作する際に必要以上に強い力を加えてしまうと、ボタンのへこみなどのトラブルが発生してしまうことがあります。
SwitchのJoy-Conの作りはお世辞にも頑丈とは言えず、「ゲームに熱中して力を入れすぎてしまう」という状態が長く続くと、操作した通りに動かなくなるという不具合が発生しやすくなります。
具体的には、
といった不具合です。
充電などの目的でケーブルの抜き差しをする際に力任せに行ってしまうと、端子が曲がったり壊れたりしてしまうことがあります。
そうなると充電ができなくなったり、必要な付属品を接続することができなくなるので、修理に出さなければならなくなります。
ホコリが多い環境でSwitchを保管したりプレイしたりすると、充電や付属品の接続のための差し込み口にホコリが詰まりやすくなり、差し込まれたケーブルが認識されづらくなってしまいます。
また、排気口や吸気口にホコリが詰まるとうまく排熱ができなくなり、本体に熱がこもってしまい、基板などの各パーツの劣化を招きます。
Switchが限界を迎えそうな時に出やすい症状について紹介していきます。
まず、本体が異常に熱いと感じた時は要注意です。
本体を冷やすためのファンが壊れていて、正常に冷却できていない可能性が高くなります。
症状が悪化すると、熱暴走により電源が落ちてしまうといった現象も発生します。
こういった症状を気にせずSwitchを使用し続けると、Switch本体の命ともいえる基板の損傷にも繋がってしまうので要注意です。
詳しい対処方法は、下記の記事を参考にしてください。
Switchが熱い原因とは?対処方法や修理方法を紹介 | パソコン廃棄.comお役立ち情報
また、ホコリの詰まりや、経年劣化による差込口の認識不良によってソフトを読み込めないといったトラブルが発生した時も、放置せずに対処すべきです。
バッテリーは、充放電を繰り返すほどに充電できる容量が減っていきます。
満充電になったはずなのに、少し遊んだところで充電切れになってしまう、といった症状が出ると、バッテリーの寿命が近いサインです。
意図した操作通りの動きにならなかったり、何も操作していないのにキャラが動いたりしたら、Joy-Conのボタンやキーに不具合が生じている可能性が高く、修理するか買い替える必要があります。
なお修理する場合は、Joy-Con1本につき2,200円(税込)の費用がかかります。
つまり、2本ならば4,400円(税込)です。
参考:修理の参考価格 Nintendo Switch|サポート情報|Nintendo
しかし、修理したJoy-Conと新品のJoy-Conとでは耐久性が違い、言うまでもなく新品の方が長持ちしやすいです。
新規購入費用が左右セットで8,228円(税込)であることを考慮すると、修理するのか新規購入するのか、どちらがよいとは一概に言えません。
「今後も長くSwitchで遊び続ける」という方は新品を購入し、「とにかく安い方法で」という方は修理を選ぶ、というように、自分の状況や考えに合わせて選択していくとよいでしょう。
高価なSwitchですから、誰しもが「できるだけ長持ちさせたい」と考えていると思われます。
そこで、Switchの寿命を延ばすためのコツについて紹介していきます。
Switchは持ち歩くことも多いゲーム機なので、据え置き型のゲーム機に比べて落下リスクが高いです。
精密機械にとって落下による衝撃は大敵であり、もしアスファルトの上にでも落としてしまえば、高確率で液晶が割れるなどの致命的なダメージを受けてしまいます。
持ち運ぶ際は、細心の注意を払うようにしてください。
お子様が外へ持ち出そうとした時は、Switchをむき出しで持たせず、仮に落としてもダメージを軽減できそうな厚手の布バッグなどに入れて持たせるようにしてください。
また、誤って踏みつけてしまわないように、Switchを使用したら必ずすぐに片付けるように癖付けることも大事です。
やりっぱなしで放置しておけば、それだけ踏みつけリスクも高くなりますので。
こうして、日々Switchを大事に扱うことで物理的な破損を避けることができ、Switchの延命に繋がります。
充電中は本体が熱を持つため、充電しながらのプレイは避けましょう。
熱による負荷で、本体やバッテリーの劣化を早めてしまいます。
過放電の期間が長く続いてしまうと、電源が入らなくなってしまうことがあります。
過放電とは、長期間使用せず電力がゼロの状態が続くことです。
Switchで遊ばない期間が長く続いている場合でも、半年に一度程度は充電をしておきましょう。
なお、充電する際は5℃~35℃の環境で行ってください。
参考:充電のしかた(充電時のご注意)|Nintendo Switch サポート情報|Nintendo
昔の悪習から、「調子の悪い機械は叩けば直ることがある」と信じている方がいまだに一定数いらっしゃいますが、精密機械を叩くことはデメリットしかありません。
叩いて直ることはなく、逆に悪化してしまうことすらあります。
接触が悪い時は、丁寧なケーブルの抜き差しを繰り返してみてください。
何度試しても接触不良の状態が続く場合は、ケーブルかSwitch本体が寿命を迎えている可能性があります。
精密機械は漏れなく湿気に弱いものです。
当然Switchも湿気には弱いので、湿気の多い風呂場や加湿器の近くでプレイしたり保管したりすることは避けるようにしてください。
ホコリだらけの場所でSwitchを保管してしまうと、ケーブルの差込口などにホコリが溜まりやすくなってしまいます。
なるべく清潔な環境で保管するように心掛けてください。
保管場所に気を配っていたとしても、完全にホコリを寄せ付けないようにするのは難しいです。
Switchの各部にホコリが詰まってしまうと、ファンの故障に繋がったり、接触不良を起こしたり、本体に熱がこもりやすくなってしまいますので、Switch本体の状態を確認してホコリが溜まっているようならばすみやかに掃除をしてください。
特に大事なのは以下の部分です。
差込口のホコリは、接触不良や静電気による内部パーツへのダメージの原因となります。
排気口と吸気口のホコリは、ファンの故障を誘発してしまいます。
冷却ファンが機能しなくなるとうまく排熱できなくなり、本体が熱を持ちやすくなってしまい、Switch本体に負荷をかけてしまう原因となります。
参考:【Switch】本体が熱くなります。故障でしょうか? | Nintendo
Switch本体やJoy-Conを消毒したり、気になる汚れを掃除したりする場合は、以下の方法で行ってください。
【機器の消毒】
【汚れ掃除】
参考:機器のお手入れについて|Nintendo Switch サポート情報|Nintendo
充電器などの付属品は、任天堂が販売している純正品を使用するようにしてください。
非純正品は値段が安いものの、安全性の面で不安が残ります。
安いものを使用した結果Switchの寿命を縮めてしまった、というケースもありますので、目先の安さに惹かれず、純正品のみを使うべきです。
バッテリーが劣化すると、電力の供給が不安定になり、Switch本体にもダメージを与えてしまう場合があります。
使用頻度にもよりますが、一般的な遊び方をしている場合は2~3年を目安にバッテリー交換を行うようにしてください。
バッテリーが寿命を迎えただけならばバッテリー交換で解決しますが、その他のトラブルが原因でSwitchが故障した場合は本体の修理が必要になってしまいます。
なお、修理箇所・交換箇所による修理代は以下の通りです。
【Nintendo Switch本体(有機ELモデル)[HEG-001]の場合】
症状 | 修理・交換箇所 | 価格 |
---|---|---|
電源が入らない 画面が止まる 充電ができない など | CPU基板 | 15,400円 |
画面の割れ・ヒビ 画面の映像が正常に出ない 画面タッチスクリーンが反応しない 電源が入らない など | 有機ELディスプレイ | 11,000円 |
ゲームが読み込まない SDカードが読み込まない イヤホンをさしても聞こえない 充電差込口の不具合 スタンドの破損 バッテリー交換 など | CPU基板、有機ELディスプレイ以外の部品 | 4,950円 |
参考:修理の参考価格 Nintendo Switch|サポート情報|Nintendo
ご覧の通り、それぞれそこそこの修理費がかかる上、内部的な不具合が発生しているということは経年劣化が進んでいる可能性も高いです。
修理したもののまたすぐに壊れてしまい、結局新品を購入することになった、というようなケースも考えられることから、無理に修理しようとせずに思い切って新品に買い替えてしまうという方が結果的に安上がりかもしれません。
持ち歩けるというメリットが仇となり、硬いアスファルトの上に誤って落下させてしまった場合には購入初日に壊れてしまう可能性もある任天堂Switch。
少しでも長くSwitchの寿命を延ばすために、まずは落下や踏みつけといった物理的な破損には細心の注意を払ってください。
その上で、こまめなホコリの除去を心掛け、湿気の少ない場所でプレイ・保管をしたりすることで長持ちさせることができます。
日々の手入れは面倒ではありますが、高価なSwitchの寿命が少しでも長くなるように労わりながら使用していきましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。