アメリカ発祥のDellは世界中にたくさんのユーザーがいるパソコンの有名メーカーです。動画編集やゲームなど、幅広い用途で使用でき、シーンや予算に合わせて自分に適したパソコンが選べ、なおかつコストパフォーマンスにも優れているなどの魅力的な特徴を持っています。しかし、使用していると不具合が発生するケースもあります。特に「起動せず画面が黒いまま動かない」「急に画面が真っ暗になった」など、ブラック画面による不具合が発生すると、故障したのかと不安になる方もいるはずです。
そこで今回は、Dellのパソコンの画面が真っ暗になる原因や画面が黒くなったまま動かないときに確認すべきポイントなどを解説していきます。対処法もご紹介していくので、画面が暗くなる症状でお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
Dellのパソコン画面が真っ暗になったまま動かない原因は以下の通りです。
・電気元の故障
・ハードウェアやアクセサリーの故障
・システムの破壊
それぞれの原因の詳細を確認していきましょう。
パソコンの電源供給関連に問題があれば、ラップトップ画面が真っ暗になるケースもあります。新しい機器を使用した際にモニターがブラックアウトを起こす可能性もあるので注意してください。
また、ピープ音や電源ランプがオレンジ色に点滅していると電源元が故障している可能性があります。その場合、電源ユニットの故障や静電気の帯電などが原因です。
ディスプレイやマザーボード、グラフィックスカードやメモリなどのパーツが故障している場合も画面が黒くなり動かなくなる可能性があります。アクセサリーとマザーボードの接続が緩んでいるまたは不適切など状態でもブラックアウトを起こすケースがあるので確認してみましょう。
また、マザーボードの電解コンデンサの液漏れ、膨張が見られる場合は交換や修理が必要です。交換や修理を行えば復活するかもしれませんが、場合によっては機器そのものが交換されてしまい、データが初期化されてしまう危険性もあるので注意してください。
パソコンの起動に関連するデータやプログラムが破壊された状態がシステム破損です。HDD内部のデータが異常をきたしている状態となり、「倫理障害」とも言われています。
・突然の電源遮断
・不適切な操作によるデータの削除
上記が原因でシステム破損は引き起こされます。アップデート中に電源を切る行為や不適切な手順によるパソコンの起動には十分に注意してください。システム破損は、ウイルスが原因となっているケースもあります。ウイルスに感染しウイルスシステムが破損する場合もあるので、自力での対処が難しいときには業者に依頼して対処してもらいましょう。
パソコンのデータを保存する記憶装置(HDD/SSD)に破損が起きている際も画面が真っ暗になる、画面が黒くなったまま動かないなどの症状を引き起こす可能性があります。
・パソコンやハードディスクを落とす
・落雷が原因の電力供給の異常
・熱や湿度
・HDDの経年劣化や寿命
上記のような物理障害によって引き起こされます。HDD/SSDの寿命は3年~5年です。長期間使用し続ければディスク部品に傷が付き、データが揮発するなどしてパソコンが起動しなくなる危険性もあります。
物理障害を起こしたHDD/SSDの修復は自力では難しく高度な技術が必要です。データが消失してしまう可能性もあるので、業者に相談した方が安全です。
Dellのパソコン画面が真っ暗になり動かなくなった場合は、パソコンの故障が原因の場合もありますが、違うことが原因かもしれません。以下を確認してパソコンの状態に問題がないか、まずは確認してみてください。
パソコンの画面が真っ暗になっていれば不安を感じてしまいますが、一度「スリープモード」の状態でないか確認してみましょう。スリープモードは省電力機能の1つで、電力の消費を抑えるためにパソコンの動作を一時的に停止する機能です。スリープモードの状態であると画面が暗くなります。
解除する方法としては、マウスやキーボードを動かすだけなので試してみてください。もし、マウスの操作やキーボードの操作でも解除されない場合は、電源ボタンを押すと解除されるケースがあります。
スリープモードは、設定を変えると時間を調整できます。Windows10での調整方法は以下の通りです。
① 「スタート」をクリックして「設定」を選びます。
② 「システム」をクリックして移動してください。
③ 「電源とスリープ」を選択して「画面」で画面をオフにするまでの時間を選択してください。
④ 「スリープ」でパソコンを使用していないときにスリープモードの状態にするまでの時間を選択しましょう。
上記の方法で設定を変えられるので、スリープモードになるまでの時間が短いと感じた場合は調整してみましょう。
Dellのパソコンに不具合が起きたとき、電源ランプによって状態を確認できます。電源ランプの点灯パターンは、モデルによって異なるので画面が真っ暗のまま動かなくなった際には、説明書を確認してランプの色を確認してみてください。Dell OptiPlexシリーズの点灯パターンは以下の通りです。
・ランプが消灯している:電源がオフになっている
・ランプがオレンジ色に点滅している:初期状態もしくはエラーが発生している
・ランプがオレンジ色に点灯している:電源装置が正常な状態
・ランプが白色に点滅している:電源供給が少なくなっている
・ランプが白く点灯している:通常の電源状態
ランプが白く点灯しているなら、パソコンが正常に起動されている証拠です。それでも画面が黒くなっているときには、パネルやモニターの故障を疑ってください。白点滅の状態であれば、充電してから再び起動すると解消されるケースもあります。
Dellのパソコン画面が真っ暗になる問題の対処法として9つの方法をご紹介していきます。スリープモードでもなく、再起動をしても問題が解消されない場合は、以下の方法を試して対処してみてください。
画面が黒くなり起動しない場合、まずは強制シャットダウンでブラック画面が解消されるか試してみましょう。
① ライトが消灯するまで電源ボタンを長押しします。
② 電源が完全にオフになったのを確認後、ACアダプターや電源コード、バッテリーなどを電源から外してください。
③ 再度電源ボタンを長押ししてコンピュータの残りの電力を使い果たしましょう。(約60秒)
④ メディアカードやUディスク、USBフラッシュドライブなど、接続されている外部デバイスや周辺機器を取り外してください。
⑤ バッテリーを元に戻して電源コードとACアダプターを再度差し込みます。
⑥ Dellの電源を入れて黒い画面が表示されるか確認してみてください。
普段通りに映るようであれば、そのまま使用してみましょう。
ディスプレイ不良であれば、新しいディスプレイに交換するだけで問題を解消できます。まずは、以下の方法でディスプレイに不具合がないか確認してみてください。
① 上記の強制シャットダウンをしてから再度Dellの電源を入れてください。
② 起動プロセス中に電源ボタンの上にあるLEDの表示があるかチェックしてみましょう。
③ 電源ボタンやCaps LockのLEDが点灯していない場合は、外付けモニターをWindowsに接続し、正常に表示されるかチェックしてください。
④ 正常に表示されない場合、ディスプレイに不具合があるので新しいものと交換しましょう。
必要最低限の構成でパソコンを起動させる機能がセーフモードです。不具合の原因を見つける際にも役立てられます。
① パソコンの電源ボタンを長押しして電源を切ってください。
② パソコンの電源を入れます。
③ ロゴが表示される前に「Shift + F8キー」を押すと回復モードメニューに入ります。回復モードにならない場合は、再度上記手順を繰り返してみてください。
④ 「詳しい修復オプションを表示する」または「詳細オプション」を選択して「トラブルシューティング」に進んでください。
⑤ トラブルシューティング画面で「詳細オプション」をクリックします。
⑥ 「スタートアップ設定」「再起動」の順に進みましょう。
⑦ 起動したらキーボードの「4」もしくは「F4」を押してセーフモードで起動してみましょう。ネットワークに接続したい場合は、「5」または「F5」を押してください。
正常にセーフモードで起動した場合はMサードパーティのアプリケーションや古いグラフィックドライバー、ウイルスなどが原因で画面が黒くなっている可能性があります。対応の修正法をとって問題を解決しましょう。
Windowsを再インストールする対処法でも問題の解消が期待できますが、個人情報や設定などの必要なデータが削除されてしまうので、再インストールをする前にデータのバックアップを行いましょう。Windows10の再インストール方法は以下の通りです。
① BIOS設定を変更します。パソコンの電源を入れてロゴが表示されている間に「F2」を押してBIOSを起動させてください。
② Windows10インストールメディアから起動するように設定します。
③ Windows10のセットアップ画面が表示されたら言語や時刻、通貨の形式や入力方式、キーボードの種類などのセットアップ項目を確認し、「次へ」に進みます。
④ 「今すぐインストール」をクリックしてください。
⑤ Windows10のプロダクトキーを入力し、Windows10のエディション項目を選んで「次へ」に進み、ライセンス条項に同意します。
⑥ 「カスタム:Windowsのみをインストールする(詳細設定)(C)」を選択します。
⑦ 「新規」「次へ」「適用」の順にクリックしてください。
⑧ 「OK」をクリックしてWindows10をインストールするドライブ項目を選んで「次へ」に進みます。
画面が暗くてもカーソルのみ動く場合やカーソルが点滅している場合は帯電が原因の可能性があります。その場合は放電をして起動を促してみてください。
① パソコンの電源を切りましょう。
② ACアダプターとバッテリーを外してください。
③ 数分放置します。
④ 放置後、ACアダプターとバッテリーを再び取り付けます。
⑤ パソコンの電源を入れてください。
以上の方法で起動すれば帯電が原因の可能性が高いです。起動後、異常が無ければそのまま使用できます。
・電源ランプが白色に点灯している
・画面が突然真っ暗になった
などのケースでは、ディスプレイの故障が疑われるので、外部モニターに接続をして問題が解消するか確認してみてください。ディスプレイの不具合確認方法は前述した「ディスプレイを新しいものにする」を参考にチェックしてみてください。ディスプレイが原因であれば交換で解決しますが、そのほかの異常が原因の可能性もあります。詳しい原因を知りたい場合は、業者に確認してもらった方が部品交換もできるので、的確に対処できます。
電源がオンになっても黒い画面のままであればグラフィックドライバーとシステムの接続で問題がある場合もあります。再起動をして問題解決できるか確認してみましょう。
① 「Windows + Ctrl + Shift + B」を同時に押してください。
② 再起動プロセスが完了するまで待機します。再起動後に解消される可能性がありますが、万が一解消されない場合は、以下の手順を実行してみましょう。
③ 「Win+R」を同時に押して実行ウィンドウを表示させます。
④ 編集ボックスに「msc」と入力してエンターキーを押してください。
⑤ デバイスマネージャ内の「ディスプレイアダプター」を選択して右クリックをして「ドライバーの更新」に進んでください。
⑥ 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」オプションをクリックして画面の指示に沿って更新操作を完了させます。
h3:BIOSをリセットさせる
BIOSを工場出荷時の状態にリセットすれば問題が解消されるケースもあります。BIOSとは、マザーボードに搭載されたプログラムを指します。管理と制御を行う役割を持っています。
① パソコンの電源を入れてロゴが表示される前に「F2」キーを数回押します。
② BIOSが起動した後、「Restore Settings」もしくは「Load Defaults」をクリックしてください。機種によって表示項目に違いがあるので、表示された項目を選んで「Esc」キーを押して終了します。終了する際には「保存して終了」を忘れずにクリックしてください。
起動を鑑賞するプログラムや邪魔をするプログラムを特定する際に活用できます。
① 管理者権限でパソコンにログインして「スタート」をクリックしてください。
② 画面左下にある検索窓で「msconfig」と入力して「システム構成」を選択しダイアログを起動します。
③ 「スタートアップ」「タスクマネージャーを開く」の順に進んでください。
④ 一覧に表示されている項目の状態が「有効」なものを選択し、画面下にある「無効にする」をクリックします。
⑤ 「有効」な項目部分を「無効」にしたらタスクマネージャーを「×」で閉じてください。
⑥ 「システム構成」ダイアログの「スタートアップ」タグに戻り、「OK」を押してパソコンを再起動させます。
プログラムの有効・無効を判断できない場合は、安易に無効にしないよう注意してください。
Dellのパソコンの画面が真っ暗になったときの対処法を解説してきました。上記の方法を試しても改善されない場合ややり方が分からない場合は、症状の悪化やデータの消失を防ぐためにも自力で回復せずに業者に相談してみてください。専門家による知識や技術があれば、大切なパソコンのデータを失わずに問題解決が望めます。どういった症状で悩んでいるのか問い合わせを行い、的確な方法で対処してもらいましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。