Dellのノートパソコンはコストパフォーマンスが高く、種類も豊富なのでビジネスシーンでも取り入れられています。ビジネスでも活躍するDellのパソコンですが、ずっと使っているとバッテリーの消費が早くなってしまうものです。そうなると充電の回数も増えてしまい、使っている側は手間に感じてしまいます。
バッテリーの消費が早くなったら、バッテリー交換をしたいと考える方もいるでしょう。そこで今回は、バッテリー交換のタイミングや劣化する原因、交換方法、交換する際の注意点、交換手順を解説していきます。Dellのノートパソコンを使っていて、バッテリー交換をしたいと考えている方は参考にしてみてください。
目次
Dellのノートパソコンを使っている中で、バッテリー交換をどのようなタイミングですべきなのか迷ってしまうケースも少なくありません。そこでまずは、バッテリーの寿命や状態の確認方法から解説していきます。
パソコンのバッテリーは、寿命が約2~3年です。駆動時間が短くなってきたら新しいものと交換する必要性が出てきます。ただし、電源を確保できる環境でしかパソコンを使わないのであれば、そこまで気にする必要はありません。
Dellのノートパソコンを電源の確保ができない外出先でも使う場面があり、駆動時間を長くしたいのであれば、バッテリー交換を行うのがおすすめです。2年以上使っている場合は、バッテリーの寿命が近いと考えられます。
Dellのノートパソコンは、バッテリーの状態を確認できるようになっています。オペレーティングシステム環境からチェックが可能です。Dellのノートパソコンでバッテリーの状態を確認する方法は以下のとおりです。
・Dellのノートパソコンの電源をOFFにする
・電源を入れ、Dellのロゴ画面で「F2」を押す
・左側の「General」下にある「Battery Information」を選択する
・バッテリー性能の情報を確認する
バッテリー性能の確認は、「F2」キーを押し、「Advanced」を選択する方法でも確認可能です。バッテリーの状態をチェックすれば、交換すべきか判断する指標になります。
Dellのノートパソコンに限った話ではありませんが、使い続けているとバッテリーは劣化してしまいます。続いては、ノートパソコンのバッテリーが劣化してしまう原因をみていきましょう。
使用年数が長くなると、経年劣化が起こります。経年劣化は、パソコンに良くない影響を及ぼします。具体的にはシステムエラーや内部パーツの破損、動作不良などの不具合です。
経年劣化を止めることはできません。しかし、ソフトウェアを最新のものにアップデートしたり、安定した動作環境を維持したりすると、安定化が可能です。メーカーや専門の業者の修理を依頼すれば、経年劣化が起こっても正常な状態を維持できます。
Dellのノートパソコンを使っていて経年劣化と思われる症状が出てきたら、早急に修理や交換を行うのがポイントです。
ノートパソコンに使われているリチウムイオン電池は、高温に弱い性質を持っています。そのため、真夏に暑い部屋の中で使ったり、持ち運び時に高温になる可能性がある車内に放置したりすると、本体が熱くなってバッテリーの劣化を早める可能性があります。デスクトップパソコンよりもパーツが詰まっているので、熱を溜め込みやすい特徴もあるので注意しなければいけません。
パソコンの頭脳とされるCPUは40~70度が適正温度とされていて、使用時の室温は16~25度が適温だと言われています。問題視されるのは高温ですが、低温過ぎるのもパソコンにとって負担となり、性能を低下させる原因になりかねません。暑過ぎず、寒過ぎない場所で使用・保管するのが望ましいです。
ノートパソコンのバッテリーは、充電可能回数が決まっています。Dellをはじめとした数々の製品だと、充電可能回数の目安は500回です。しかし中には、1,000回程度充電できるモデルもあるので、購入する際にバッテリーの性能も確認しておきましょう。
いずれにしても、決められた充電回数を超えると性能が低下し、最終的には充電不可となります。500回が充電可能回数だった場合、毎日充電すると約1年半で寿命を迎えるでしょう。残量が減っていないのにACアダプターにつないでおくなど、無意味に回数を増やすのは避けるのが無難です。
Dellのノートパソコンを使っていて、バッテリーの交換をしたいと考える場面でも出てきます。しかし、ノートパソコンのバッテリーを交換する機会はそこまで多くないので、どのようにすべきかわからない方もいるでしょう。そのため続いては、バッテリーの交換方法を解説していきます。
DELL公式サポートでは、Dellのノートパソコンを購入してから1年間の保証サポートを行っています。保証期間内なら、バッテリーの交換も無償でしてもらえるので、利用するようにしましょう。修理費用などもかかりません。
保証期間外であっても、オプションで3年間の保証サポートに加入できます。保証サポートでバッテリーの交換をしてもらう場合は、DELLの公式サイトから「サポートサービスと契約」で使っているノートパソコンの型番を入力し、手順に沿った対応をしてもらってください。
保証期間を過ぎている場合は、DELLの公式サイトから使っているノートパソコンに合うバッテリーを購入できます。
コストを抑えつつ早急にバッテリー交換をしたいなら、非正規店になりますが対応している業者に依頼する選択肢もあります。非正規店であってもパソコンに関する知識やスキルを持つプロなので、依頼しても問題ありません。メーカー保証の対象外になってしまいますが、短期間かつリーズナブルな修理をしてもらえます。
店舗によっては、即日対応も可能です。そのため、すぐにDellのノートパソコンを使わなければいけないなどの場合にも役立つでしょう。複数の業者から見積りを出してもらえば、より費用を抑えられます。
Dellのノートパソコンは、ユーザー自身がバッテリーを取り外し、新しいものへと交換できるようになっています。自分で交換する場合は、使っているパソコンの型番に合うバッテリーとドライバーが必要です。メーカーや業者に依頼するわけではないので修理費用がかからないため、コストを抑えられる方法でもあります。
本体の裏に書かれている型番をチェックし、対応するバッテリーを公式サイトやネットショッピングサイトで購入します。届いたら古いバッテリーをノートパソコンから取り外し、新しいバッテリーを装着したら完了です。
ノートパソコンにはDellのモデルのように自分でバッテリー交換ができるものもあります。しかし、その際に注意すべきポイントもあるので、チェックしておかなければいけません。続いては、自分でバッテリーを交換する際の注意点をみていきましょう。
ノートパソコンのバッテリー交換を行う際は、事前のバックアップを忘れないようにしてください。自分で交換する場合だけではなく、メーカーや業者に依頼する場合も例外ではありません。なぜなら、データを消失する可能性がゼロではないためです。
バックアップをしていないと、万が一データが消えてしまった場合、復元ができなくなります。Dellのノートパソコンのデータは、クラウドストレージや外付けのHDDやSSDに保存しておくのがおすすめです。複数の場所にバックアップを取っておくとより安心感が高まります。
バッテリーの交換を行う場合は、感電のリスクがあるので、バッテリーや電源ケーブルなどすべて外します。電源ケーブルをつないだまま作業をしてしまうと、より一層感電するリスクが高まるので注意が必要です。安全に作業するためにも、コード類をすべて外しておいてください。
バッテリー残量に関しては、25%まで減らしておくことをおすすめします。減らしておくことで、修理中に誤ってバッテリーを破損してしまったときに火災が発生するリスクを軽減できるためです。
バッテリー交換を行うなら、外したネジをしっかりと締め切ることも注意すべきポイントです。バッテリーを外す際に、ネジも外さなければいけないモデルがDELLのノートパソコンにはあります。ネジがしっかり締まっていないと、接続不良の原因になりかねません。
また、どこにネジが締まっていたか忘れないようにしましょう。交換する前に写真をスマホなどで撮影しておくのがおすすめです。
自分でバッテリーを交換するのであれば、正しい手順を把握しておく必要があります。最後に、Dellのノートパソコンのバッテリー交換を自分で行う際の手順を解説していきましょう。
交換時に用意すべきものは以下のとおりです。
・新品のバッテリー
・パソコン本体
・精密ドライバー(星型と+ドライバー)
・静電気防止手袋(パソコンは精密機器で静電気に弱いため)
・マグネットトレイ(米粒ほどのネジを紛失しないようにするためにあると便利)
Dellのノートパソコンのバッテリーを交換する場合、まずは公式サイトやネットショッピングサイトで使っているモデルに対応するバッテリーを購入してください。公式サイトでは、使っているパソコンの型番を選ぶと専用のバッテリーが表示されるため、間違えることなく購入できます。
公式サイトからの購入が安心ですが、Amazonなどのネットショップでも購入可能です。「DELL バッテリー (型番)」などで検索すると、使用できるバッテリーを探せます。Amazonで普段から買い物をしている方は、探してみてください。
購入したバッテリーが届いたら、交換作業に取り掛かりましょう。Dellのノートパソコンは、底面に8~10ヶ所ネジ止めされています。モデルによってはネジを外さずにバッテリーのつけ外しができるタイプもあるので、使っているのはどのようなタイプか確認してから作業を進めるようにしてください。
ネジを外す際は、星型と+ドライバーを使用しましょう。周辺は星型ドライバー、中央部は+ドライバーを使ってください。ネジを外せば、底面のカバーの取り外しが可能です。
外したネジはとても小さいので、なくさないようにマグネットトレイを用意しておくと安心です。
ネジを外したら、カバーを取っていきます。この作業は神経を使うので、慎重に行ってください。意外としっかりはまっているので、外しにくいと感じてしまう場合もあるので注意が必要です。
なかなか外れない場合に備え、オープニングピックを用意しておく方もいます。オープニングピックがあれば、ドライバーなどで無理にこじ開けずに済むので、本体に傷がつきにくくなるためです。
カバーを外すことができたら、バッテリーを取ります。カバーが付いているモデルのバッテリーを本体から取り外す際は、ネジやコードテープ、コネクタを外さなければいけません。コネクタ付近にあるネジはサイズが特に小さいので、慎重に作業する必要があります。
コードテープはカッターなどで切らないようにしてください。なぜなら、新しいバッテリーを取り付けたときに再度貼り付けなければいけないためです。
ネジなどを外した状態でバッテリー本体を手前に引っ張るようにして持ち上げると外せます。
外したら、新しいバッテリーの取り付け作業を行います。取り付け方は外し方と逆の手順です。バッテリー本体をノートパソコンにつけ、コネクタからネジ、コードテープの順でつけていけば完了となります。
新しいバッテリーを取り付けたら、カバーを戻してください。戻すときは「パチン」と音が鳴るまでしっかりとはめるのがポイントです。
外したカバーを取り付けたら、ネジを締めます。ネジは真ん中の+ネジ、周囲の星型ネジの順で締めるようにしてください。
バッテリーの交換が完了したら、放電と充電を行ってください。放電は、パソコンの内部にある不要な電力を外に逃がすための作業です。放電しないままパソコンを起動した場合、エラーが発生しやすくなってしまいます。
放電する際は、電源ケーブルを接続せずにパソコンの電源を入れてください。しっかり放電ができたら、電源ケーブルを接続し、充電します。
Dellのノートパソコンを使っていて、電源を接続していないときのバッテリー持ちが悪くなったように感じる場合があります。それは、バッテリーが劣化している証拠です。劣化したまま使っていると、いずれ使えなくなってしまうので、交換する必要があります。
交換は、正しい手順を知っていれば自分でもできるでしょう。しかし、自分で交換したり、非正規店に依頼したりすると、保証対象外になってしまうケースが多くなっています。そのため、保証期間がある場合はメーカーに依頼するのが無難です。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。