パソコンが起動しない・真っ黒な画面になって困った経験をした方も多いのではないでしょうか。
間違った対処法をすると、パソコンの故障につながります。
この記事では、パソコンが立ち上がらない時の対処法を症状別に紹介します。ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
目次
パソコンが起動しない原因はいくつかあります。
まずは、簡単にできる対処法を5つ紹介します。
起動した際にカーソルが表示されても先に進まない場合は、強制的に電源を落としましょう。
電源ボタンを長押しすると、強制終了が行われます。
再度電源を入れると正常に起動します。
強制終了はパソコンの症状を悪化させる可能性があるので、何度も行わないでください。
USBなど外部機器を全て取り外し、再度電源を入れてください。
もし正常に起動する場合は、周辺機器やUSBポートの不具合が考えられます。
周辺機器に問題がない場合は、電源ケーブルが緩んでいないか確認しましょう。
問題がなければ、USBコネクタの不具合が考えられます。
またOAタップの使用があれば、電力供給が不安定になっていることも。
できる限り、電源ケーブルは直接コンセントに差し込んでください。
ディスプレイケーブルの差し込みを確認しましょう。
改善されない場合は、予備のケーブルがあれば交換して再度電源を入れてください。
モニター本体の故障が想定されます。
ディスクトップパソコンは、モニターを交換して表示されるか確認します。
ノートパソコンであれば、HDMIケーブルを使い外部モニターに接続しましょう。
モニター交換で正常に起動するなら、パソコンの液晶部分の故障が考えられます。
強制終了や外部機器を確認してもパソコンが立ち上がらない時は、以下の原因が考えられます。
対処法もあわせて解説していくので、ひとつずつ確認していきましょう。
ハードウェアとはマザーボードやディスプレイ、ハードディスク、メモリなどパソコンのシステムを構成する機器のことです。
特にマザーボードの故障は、起動時の不具合につながります。
部品の老朽化やほこりがハードウェアの故障になりやすいので、普段からメンテナンスや取り扱いに注意しましょう。
他のモニターやディスプレイに接続して、パソコンが起動するか確かめてください。
もし外部ディスプレイに映る場合は、ディスプレイの不具や接続部分の故障が考えられます。
この場合は、外部ディスプレイにつなげてパソコンを使用するか修理に出しましょう。
電源が入っても画面表示がない場合は、BIOSの故障が考えられます。
BIOSとは、パソコンの各デバイスをつなぐ役割のもの。
グラフィックボードの接触不良・CPUの不具合が原因でBIOSが正常作動せず、パソコンの立ち上がりに影響が出ます。
BIOSはパソコンの要となるプログラムなので、むやみに自己修理せず専門業者に相談しましょう。
BIOSが正常に起動しない!CPUファンが動作に問題ないときの対処法>>
メモリやドライブの不具合が起こると、パソコンの起動や動作は正常に行われません。
内部にホコリが蓄積するとメモリの接続不良が起こるので、定期的にパソコン周辺のメンテナンスを心がけましょう。
パソコンのメモリ寿命についてはこちらでも詳しく解説しています。
電源やバッテリーケーブルがしっかり接続されているか確認してください。
一度ケーブルを抜いて数分後、再度接続すると電源が入ることがあります。
ノートパソコンの場合、ACアダプタの細い部分が破損すると接続不良が起こるため取り扱いに注意しましょう。
電源ユニットが故障すると、電源を入れてもPCがまったく反応しません。
コンセントがきちんと接続された状態でも起動しない場合は、電力が供給されていない可能性が高いです。
電源スイッチを入れた後、少しでも空冷ファンが動くなら電源ユニットの故障が想定されます。
電源ユニットの修理は専門知識が必要なため、専門業者に相談してください。
【パソコンの電源ユニットの寿命は?】故障前の症状や延命するための方法>>
パソコン内部のホコリは、静電気が溜まる(帯電)原因です。
帯電すると、パソコンが起動しない・突然パソコンが落ちるなど悪影響を及ぼします。
パソコンは電子パーツが多く帯電しやすい性質なので、定期的に内部の清掃を行いましょう。
帯電の原因と放電方法はこちらの記事でも詳しく解説しています。
プリンターなどの周辺機器やUSBポートに不具合が発生すると、パソコンが正常に起動しません。
ひとつずつ抜き差しを繰り返し、原因の機器を確認しましょう。
USBやハードディスクなどの機器を接続したままだと、パソコンの電源が入ってもOSが正常に起動しないことがあります。
パソコンから周辺機器を取り外すと、症状が回復します。
また、BIOSの設定変更すると正常な起動・シャットダウンが可能です。
Windows updateに失敗したパソコンは、正常に起動しません。
失敗の原因と対処法は、エラーコードでわかります。
Microsoftのサポートでエラーコード検索した結果を参考に対応してみましょう。
Windowsupdatが終わらない場合の対処法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
Windows Updateが終わらない時の対処法を解説!上級者向け手順も紹介>>
パソコンが立ち上がらない原因を解説してきました。
ここからは、詳しい対処法を症状別に紹介します。
パソコン起動後、ロゴが表示されず画面が黒いままの場合はいくつかの原因・対処法があります。
その中でも、手軽に試せる対処法を2つ紹介します。
起動後に黒い画面が表示されたら、強制シャットダウンするしかありません。
パソコンの電源を長押しすると強制的に電源が切れます。
強制終了はデータの破損や内部へのダメージが大きいので、繰り返し行わないようにしましょう。
パソコンに何も表示されない場合は、モニターケーブルが正しく接続されているか確認してください。
また、ホコリが溜まると接続不良が起こすことも。
接続部分の確認とあわせて、汚れを取り除くようにしましょう。
パソコンの画面が真っ暗になる原因と対処法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンの画面が真っ暗になる原因は?カーソルが動くときなど症状別対処法>>
青い画面は「ブルースクリーン」と呼ばれ、WindowsOSに深刻なエラーが発生したときに表示されます。
焦って電源を切る必要がなく、多くの場合は約10分後に再起動します。
以下では、有効な方法3つを紹介するので確認してみてください。
外付けのUSBメモリーをすべて取り外すとパソコンが正常に起動することがあります。
この方法で解決する場合は、最新のドライバーか確認してください。
もし、特定の機器が原因のときはドライバーが自身のパソコンに非対応か故障の可能性があります。
メモリーの取り付けや差し込みが緩むなど接触不良を起こすと、ブルースクリーンが発生する原因になります。
メモリーのカバーが簡単に外せる場合、自分で差し直しが可能ですが静電気対策をしながら行ってください。
差し込み直しても改善しなければ、メモリの故障が考えられます。
パソコン内部に触れる作業なので、不安な方は専門業者に依頼しましょう。
ウイルス感染が原因で、ブルースクリーンが表示されることがあります。
再起動ができたら、ウイルス対策ソフトを実行して感染の確認をしてください。
ウイルスを駆除すると、パソコンが正常に起動する可能性があります。
WindowsUpdate後にブルースクリーンが表示された場合は、更新プログラムをアンインストールすると問題が解決します。
アンインストールする前は、念の為にデータのバックアップをしてください。
もしHDDやSSDの不具合の場合は、アンインストールするとかえって状況が悪化することもあるので慎重に行いましょう。
ブルースクリーンに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンのブルースクリーンが頻発する原因は?エラーコードの種類と対処法>>
電源ケーブルに問題がなく、起動ランプがつかない場合は以下の2つを試して見てください。
電源を切った状態で、ケーブルやACアダプター、周辺機器をすべて取り外します。
5分以上パソコンを放置した後に、再度機器を接続してください。
電源ボタンを押して、起動するか確認します。
放電によってパソコン内部の熱が放出されるので、正常に起動するケースが多いです。
パソコンの放電方法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
内部に埃が蓄積すると、熱暴走は起こり電源が入りません。
パソコンは冷却ファンが作動しているので、埃が溜まりやすい環境です。
電源が切れている状態で、内部の埃をとると問題が解決することがあります。
ケースを開けて蓄積した汚れを落とすのが理想ですが、難しい方は吸気口から埃を吸い取るだけでも効果が高いです。
電源がついても、画面が真っ暗な場合はモニターの接続不良が考えられます。
ケーブル接続に問題がなければ、外部ディスプレイ出力に設定されていないか確認しましょう。
また、モニターのバックライト切れや液晶の故障が原因であれば、修理が必要です。
参考:Notebook PC シリーズ – 電源を入れても画面に何も表示されない場合の対処方法
パソコンの異音は、パソコンの不具合によるものです。
原因は、HDD・ファン・パーツなどありますが、判断が難しいことがほとんど。
また、そのままにしておくとデータの破損や故障につながります。
異音の原因がわからない場合は電源を切り、周辺機器を取り外して専門業者に修理依頼をしましょう。
パソコンの異音についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
パソコンからの異音は修理が必要?原因や対処法を詳しく解説します
作業中に勝手に再起動する場合は、電気の帯電・BIOSの設定・ソフトの問題が挙げられます。
ここでは、再起動を繰り返す際に有効な対処法を2つ紹介します。
スタートアップ修復は、起動時のトラブルを修復することです。
手順は以下の通りです。
これにより、問題を発見したら自動的に修復してくれます。
参考:Windows 10でWindows(OS)が起動しない状態からスタートアップ修復を行う方法
システムの復元は、あらかじめ作成した復元ポイントの状態に戻すことです。
パソコンの起動に問題があった時点の状態に戻すことで、症状が解決する可能性があります。
ただし復元ポイントの作成がされていないと、システム復元はできません。
完了すると自動的に再起動されるので、正常に復元できたか確認しましょう。
起動後にメーカーロゴで止まる場合は、ソフトウェアに問題がある可能性があります。
下記の3つの対処法を試してみましょう。
更新プログラムをインストールすると、Windowsが起動しない不具合が起こることがあります。
その場合、更新プログラムをアンインストールすると改善されます。
何をしても起動しない場合は、Windowsの初期化を行ってください。
初期化するとパソコン購入時の状態に戻り、追加したデータやアプリが全て削除されます。
実行する前に、大事なデータのバックアップを作成しましょう。
先述で紹介したシステム復元は、起動後ロゴで止まる場合にも有効です。
システム復元は、時間がかかりますが電源を切らず待ちましょう。
もし途中で電源が切れたときは、トラブルが発生することも。
電源アダプターに接続して、システム復元を行いましょう。
パソコン起動時のサインイン画面に切り替えても、パスワードの入力画面が表示されないことがあります。
ログイン画面がでない場合、高速スタートアップの解除・システム復元を行いましょう。
実行後、Windows10のログイン画面が表示されるか確認してください。
それでも起動しない場合は以下の対処法を実践しましょう。
セーフモードは、内部トラブルを診断する機能です。
パソコンがうまく起動しなくても、セーフモードを起動すると立ち上がることもあります。
この方法で立ち上がる場合は、プログラムやドライバーに原因があることが多いです。
トラブルの原因になるプログラムを削除すると、通常通り起動するようになります。
復元ポイントを使い、正常に動いていた時の状態に戻しましょう。
復元完了まで時間がかかるので、ノートパソコンの場合はACアダプタをつなげで電源が落ちないようにしてください。
参照:Windows 10でシステムの復元を使用してパソコンを以前の状態に戻す方法
ここまでの対処法を試しても改善しないときは、メーカーや専門業者に頼みましょう。
特にパソコン内部が原因の場合は、専門業者に修理してもらうのが最善の方法です。
起動時の不具合が繰り返しあるなら、買い替えも検討しましょう。
パソコンの寿命を迎えたら、修理よりも買い替えがおすすめです。
修理費用を踏まえても、性能の良い新しいパソコンの方が作業効率も上がります。
パソコンの買い替え時はいつ?おすすめの購入時期や買い替え前にやること>>
パソコンが起動しないときは、以下の2点に注意してください。
今よりも状態が悪くなり、故障につながる場合があります。
繰り返し強制再起動すると、パソコン内部が破損することがあります。
かなり負担がかかる行為なので、強制再起動は最終手段としてください。
もし強制再起動を行う場合は、データが消滅するかもしれません。
あらかじめバックアップをとるようにしましょう。
起動時の不具合は、パソコン内部の問題の可能性があります。
だからといって、知識がない人が内部の精密機器を修理するとさらに状態が悪化して取り返しがつかないことも。
自身で対処できない場合は、専門業者に依頼して修理してもらいましょう。
パソコンが立ち上がらないときは、自己判断で触るのは危険です。
正しい対処法を実践しても回復しない場合は、専門業者に修理依頼をしましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。