パソコンに不具合があると強制終了を試みますよね。しかし、強制終了できなくて困ることも。
パソコンがシャットダウンできない、強制終了できない原因はパソコンがフリーズしているのかもしれません。
この記事では、パソコンの強制終了の方法やできない場合の対処法、パソコンがフリーズする原因と対処法も紹介します。
この記事を読むと、パソコンの強制終了に関する情報がすべてわかるようになっていますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
目次
パソコンがフリーズした場合などは強制終了すると改善することもありますが、強制終了すると作業中のデータが失われます。
パソコン本体やアプリケーションの強制終了は、作業している内容を強制的に終了することのため、最後に保存した状態になります。
強制終了はあくまでも最後の手段です。データが失われると困る場合は、少し時間を置いてみてパソコンの状態が改善されないかを確認しましょう。
パソコンのフリーズは、いつ起こるかわからないため作業中は定期的にデータを保存しましょう。
また、ハードディスクやドライブが動いているときに強制終了すると、突然電源を遮断されるためディスクに大きなダメージを与えることもあります。
アクセスランプのマークが光っている間は、ハードディスクが動作中です。ランプが消えてから強制終了しましょう。
パソコンがフリーズしたら状況に応じてアプリやプログラムやパソコンを強制終了しましょう。
マウスやキーボードの反応があり、使っていたアプリケーションだけがフリーズしている場合は、アプリだけを強制終了しましょう。
アプリケーションの強制終了の方法
Windows
Mac
アプリケーションやプログラムを強制終了できない場合や、強制終了してもパソコンの反応がない場合はWindowsの強制終了を実行しましょう。
参考:富士通 Q&A アプリケーションやパソコンを強制終了する方法
Macの場合もアプリケーションの強制終了ができない場合や、Appleマークも出ない場合は、Macを強制終了しましょう。
以下の方法では、開いているファイルやアプリケーションを終了したあとに強制終了できます。
ここではパソコンメーカー別の強制終了の方法を紹介します。メーカーによっては、通常の強制終了ができない場合に別の方法で強制終了できるモデルもあります。
ダイナブックの「シャットダウンホイール搭載モデル」は先の細い丈夫な棒などでシャットダウンホイールを押すと強制終了できます。
電源長押しによるシャットダウンができない場合や、スリープ状態から復帰できない場合に利用できます。
シャットダウンホイールの位置はノートパソコンの裏側や側面など、モデルによって異なるため、説明書などで位置を確認しましょう。
参考:ダイナブック 電源スイッチを長押ししても強制終了できない場合の対処方法
Dellのパソコンは、通常の強制終了と同じ方法で強制終了しましょう。
OSのシャットダウンでパソコンの電源が切れない場合やパソコンが応答せず、マウスとキーボードも操作できない場合は、電源が切れるまで電源ボタンを押したままにします。
もう一度電源を入れると、パソコンが再起動しチェックディスクユーティリティ(Chkdsk.exe)が自動で実行されます。
ディスクチェックユーティリティでエラーが検出された場合は自動的に修正されますが、修正に時間がかかる場合もあるため余裕をもって行いましょう。
富士通の2015年発表モデル以降のパソコンには、電源ボタンで強制終了できない場合に使用できる「強制終了スイッチ」が搭載されたモデルもあります。
パソコン本体下面の直径2〜3mmの穴の中にあるスイッチに「RESET」や「OFF」、「REPAIR」などが刻印されています。
パソコン本体からACアダプターや周辺機器を取り外して裏返し、強制終了スイッチにクリップなど先の細いものを差し込み押しましょう。
パソコンの電源が切れたらACアダプターを差し、しばらくしてから電源を押してください。
強制終了スイッチの有無や刻印名は機種によって異るため下記サイトで確認しましょう。
参考:富士通 FMVサポート 強制終了スイッチについて教えてください。
hpのパソコンは、通常の強制終了と同じ方法で強制終了します。
キーボードやマウスでの操作で通常の終了ができない場合のみ、強制終了を行いましょう。次の順番に試します。
参考:HP PC – コンピューターを正常にシャットダウンできない場合の対処方法 | HP®カスタマーサポート
NECのパソコンも通常の強制終了と同じです。
キーボードの操作ができる場合は次の方法を試します。
上記の方法で強制終了できない場合は次の方法を試してください。
少し時間をおいてパソコンを再起動して問題なく動作するかを確認しましょう。
参考:NEC LAVIE公式サイト フリーズしたパソコンを強制終了する方法
パソコンが急にフリーズし操作ができず、シャットダウンもできないことがあります。パソコンの電源が切れない場合の対処方法をまとめて紹介します。
アプリで保存されていないファイルがある場合はシャットダウンを妨げます。
タスクマネージャーから作業中のアプリの強制終了が可能です。
以上の方法で作業中のアプリを強制終了できます。
ネットワークとOSが通信を行っているとシャットダウンできない場合もあります。
有線LANケーブルを接続している場合は、LANケーブルを抜きネットワークを切断します。
無線LANの場合は次の方法で無線LAN機能を無効にしましょう。
ネットワークが切断できたら、もう一度シャットダウンを試してみましょう。
Windowsをアップデートするとパソコンのフリーズが改善する場合もあります。Windows updateを実行するとパソコンが最新の状態になります。
Windows updateの手順
以上でアップデートは完了です。
Windows updateは環境によっては時間がかかることもあります。時間に余裕を持って行いましょう。
参考:マイクロソフト Windowsサポート「Windows update」
ハードディスクに不具合があるとシャットダウン時のエラーでシャットダウンできないことがあります。
ハードディスクにエラーが起きた場合は次の手順で修復をします。
エラーが検出された場合は再起動します。
高速スタートアップはWindows8から搭載されている機能です。
正常に動作するためには、すべての周辺機器が高速スタートアップに対応している必要があり、Windows8以前の機器を接続している場合は正常に動作しない可能性も。
高速スタートアップの機能が正常に動作していない場合、パソコンがシャットダウンできず再起動をくり返すことがあります。
高速スタートアップを無効にするとパソコンの起動は少し遅くなりますが、症状が改善する可能性もあります。
以上で高速スタートアップが無効になります。
参考:富士通FMVサポート 高速スタートアップを無効にする方法を教えてください。
ドライブや周辺機器の不具合や故障でシャットダウンを妨げている場合があります。周辺機器をすべて取り外し、シャットダウンを試してみましょう。
周辺機器を取り外した状態でシャットダウンできる場合は、周辺機器の不具合の可能性が高くなります。
周辺機器の買い替えやドライバーの更新を行いましょう。
パソコンがフリーズして強制終了できない場合は、パソコンになんらかのトラブルが発生しているためです。
Windows10がフリーズを続ける、ブルースクリーンが出る、プログラムが正常に起動しない、パソコンが遅いなどの場合は、セーフモードで起動すると原因を特定して正常な状態に戻せます。
セーフモードで起動する手順
パソコンが再起動され、デスクトップ画面に「セーフモード」と表示されたら、セーフモードで起動されています。
セーフモードで正常に終了できる場合は、常駐のプログラムの影響でシャットダウンできない可能性があります。
常駐プログラムの解除を行いましょう。
上記の対策でも問題が解決しない場合は、Windowsに問題がある可能性を考え、パソコンのリカバリー(初期化)を行います。
リカバリーを行うと、パソコンは初期状態に戻り問題解決する可能性があります。初期化を行うとデータが消えてしまうためあらかじめデータのバックアップを取っておきましょう。
リカバリーは電源ケーブルをつないだ状態で行います。リカバリーの途中で電源が切れるとOSが破損する恐れもあります。
初期化が完了すると自動でWindows10の再インストールが開始されます。
参考:マイクロソフトサポート Windowsの回復オプション
【Windowsパソコンの初期化方法】手順や注意点をわかりやすく解説>>
パソコンを強制終了する前にはアプリの終了が必要です。ここでは、アプリの強制終了ができない場合の対処方法を紹介します。
「Alt+F4」の同時押しでは、アプリケーションの終了ができます。アプリを終了するときには画面右上の☓ボタンを押しますが、「Alt+F4」を同時に押すと☓ボタンを押さずにアプリを終了できます。
「Alt+F4」のショートカットは間違えて押さないように無効化されている場合があります。
ショートカットでアプリが終了できない場合は、「Alt」+「Space」+「C」の同時押しでも同様の操作が可能です。
タスクキルを実行すると、ファイル名やアプリを指定してタスクを強制終了できます。
タスクキルを実行するには次の2つの方法があります。
ショートカットを作成して実行
コマンドラインから実行
※アプリ名はリストにある該当アプリの名前を入力する。またアプリ名の前後には半角スペースを入れる。
以上の方法でアプリが終了できない場合は、アプリだけでなくシステム異常の可能性もあります。
アプリの強制終了ができない場合は、パソコンを再起動しましょう。再起動できない場合は次に紹介する、パソコンを強制終了できないときの対処法を試してみてください。
パソコンの不具合の改善にはパソコンの強制終了が有効な場合もありますが、パソコンがフリーズすると強制終了できないこともあります。
ここではパソコンを強制終了できない場合の対処方法を紹介します。
Windows8/10ではシステムの不具合ではなく、ディスプレイの不具合でフリーズしたように見える場合があります。
Windowsにはグラフィックドライバーを再起動するための、標準ショートカットキーが用意されています。
グラフィックドライバーの再起動
この方法では使用中のアプリやソフトはそのまま残るため、フリーズが改善されれば再びアプリを利用できます。
エクスプローラーは、Windowsに標準搭載されたフォルダーやファイル管理のためのツールです。
Windowsすべての不具合ではなく、エクスプローラーの不具合などで使用中に「応答なし」となりフリーズすることがあります。
「応答なし」のまましばらく待っても改善しない場合は、エクスプローラーを再起動するとWindowsの動作が改善します。
エクスプローラーの再起動の手順
パソコンを再起動し、エクスプローラーが正常に動作することを確認してください。
参考:NEC LAVIE公式サイト Windows 10でエクスプローラーが「応答なし」になる場合の対処方法
どのような操作もできない場合は電源ボタンを長押しするとパソコンを強制終了できます。電源ボタン長押しで強制終了するときに、ハードディスクが動作中の場合はファイルが失われる、ハードディスク破損などのリスクがあります。
アクセスランプを確認したり、動作音を聞いたりしてハードディスクが動作していないことを確認してから行いましょう。
電源ボタンを長押ししても電源が切れない場合は、ACアダプターを抜いて電源の供給を断ちましょう。
ノートパソコンの場合は、バッテリーを抜くと強制終了できます。バッテリーが抜けない場合は、バッテリーがなくなるまで待ちましょう。
パソコンを強制終了するとパソコンに負担がかかります。強制終了後はしばらく待ってから再起動してパソコンの状態を確認しましょう。
Windowsが正常に動作し、通常通りにアプリケーションを起動、使用して動作がスムーズであれば、改善されたと判断します。
さらに次の2点についても確認しましょう。
作業中にパソコンがフリーズし強制終了した場合は、作業中のファイルが失われている可能性もあります。
強制終了前の最後に保存した状態になるため、ファイルの状態を確認しましょう。
アプリケーションによっては編集中のデータを一時的に保存しているものもあり、そこからデータを復旧できる場合もあります。
Windowsでは、正常終了時に削除されるシステムやアプリケーションが利用する一時ファイルなどがあります。
パソコンを強制終了した場合には、これらが残っている場合もあるため削除しましょう。
ドライブ内の不要なファイルを整理することで、フリーズしにくくなる可能性があります。
ドライブ内の整理には「デフラグ」ツールを利用します。
参考:マイクロソフトサポート Windows10PCを最適化する
パソコンがフリーズするのにはさまざまな原因があります。ここではパソコンがフリーズする原因とそれぞれの対処法を紹介します。
パソコンのメモリには、CPUで処理するデータを保管しています。
メモリ容量が不足すると処理スピードが落ち、パソコンがフリーズする原因になります。
パソコンのメモリは比較的簡単に増設可能です。自分で増設も可能ですが、難しい場合はパソコン修理業者などに相談しましょう。
パソコンが頻繁にフリーズする、パソコンの動きが遅いなどの場合はメモリの増設が効果的です。
パソコンにホコリがたまり内部に熱がこもる、室内の気温が高いなどでパソコンに不具合が発生することを熱暴走と言います。
熱がこもらないようにするためには、パソコンをこまめに掃除してホコリを取る、パソコンの冷却ファンを利用して排熱するなどがあります。
パソコンがウイルスに感染するとパソコンが正常に動作しなくなり、フリーズすることがあります。
パソコンのウイルス感染を防ぐためには、怪しいメールやファイルを開かないことが重要です。
Windowsには標準でセキュリティソフト「Windows Defender」が搭載されています。
基本的な用途でパソコンを使用する場合は他のソフトは不要ですが、より強固にセキュリティを高めたい場合は別のセキュリティソフトも検討しましょう。
ハードディスクの容量が不足すると処理速度が落ちデータの読み込みに時間がかかるようになります。
大量のデータ処理はハードディスクに負荷がかかり、故障やフリーズの原因になります。
ディスクのクリーンアップを実行すると、不要なファイルを削除しハードディスクの空き容量を増やせるため実行しましょう。
ディスククリーンアップの手順
Windows updateは基本的に自動更新されますが、まれにアップデートにより不具合が発生することもあります。
正常にアップデートができない場合、ソフトウェアなどに不具合が生じフリーズする原因になります。
手動でアップデートを行うと改善する可能性があるため、試してみましょう。
手動でWindows updateを行う手順
参考:NEC LAVIE公式サイト Windows 10のWindows Updateを手動で行う方法
パソコンで作業中には、必要最低限のアプリケーションだけを起動しましょう。必要以上のアプリケーションを開くとパソコンに大きな負荷がかかります。
調べものをする場合は大量のタブを開く場合もありますが、不必要なページを閉じることでパソコンへの負担も軽減します。
使用していないアプリケーションが常駐しているとパソコンに負荷がかかるため、こまめにチェックして、不要なアプリケーションは削除しましょう。
上記の対処法を試しても何度もフリーズし強制終了が必要なのは、パソコンの寿命の可能性もあります。
また強制終了をくり返すことで、パソコンに負担がかかり寿命を迎える場合も。突然パソコンが故障して動かなくなると困ってしまいます。
何度も強制終了をくり返す必要のあるパソコンは、処分し買い替えを検討しましょう。
パソコンはさまざまな不具合からフリーズして、シャットダウンできなくなることがあります。
シャットダウンできない場合は強制終了が有効です。強制終了できない場合は電源を切るなどの方法でも対処できます。
強制終了のあとは再起動してパソコンの状態を確認しましょう。
強制終了が何度も必要な場合はパソコンが寿命を迎えている可能性もあるため処分も視野に入れましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。