普通のパソコンと比べて、ゲーミングPCは高価である場合がほとんどです。
その理由は、メインの用途が「ゲーム」や「動画編集」という重い作業となるため、それだけ性能の高いパーツが使用されているからです。
そんな高価なゲーミングPCですから、
「平均でどれくらいの年数にわたって使用できるのか」
「延命する方法はあるのか」
といったことが気になっている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、ゲーミングPCの寿命は何年くらいなのかや、寿命を縮めてしまう原因、延命するための方法について解説していきます。
【この記事でわかること】
目次
ゲーミングPCの寿命は、一概に「何年」とは言えません。
その理由は、ゲーミングPCが持つ役割やランクが関係してきます。
普通のパソコンとゲーミングPCとでは、求められている役割が異なります。
普通のパソコンならば、多少動きが遅くなろうとも、動いている以上はその役割を果たせます。
ネットでの検索もできますし、ショッピングもできるでしょう。
ExcelやWordを使った事務処理も可能です。
しかしゲーミングPCの場合は、「ストレスなくゲームや動画編集などの重い処理を行えること」が前提となります。
例えばゲームをプレイする時、「スペック的に追いつかなくなった」「ゲーミングPCの劣化によって処理が遅くなった」といった理由で動きがカクついてしまっては、ゲームどころではなくなってしまいます。
遅かろうが何だろうがとにかく動けばいい、という考えでゲームをする人はほとんどいないでしょう。
特に通信型ゲームの場合は、一人だけ動きが遅くなることでゲームとして成立しなくなってしまうケースも多々あります。
従ってゲーミングPCの場合は、ネット検索やショッピングは普通にできたとしても、ゲームや動画編集をする上で看過できないほどのカクつきや遅さが発生し始めた時点で、性能的な寿命を迎えたと判断するのが妥当です。
上記の考え方を踏まえた上でのゲーミングPCの平均寿命ですが、どのランクのゲーミングPCを購入したかによって変わってきます。
ゲーミングPCのランクは、以下の3つに大別されます。
ランクが高くなるほど価格も高くなる分、性能も良く寿命も長くなります。
平均寿命については、ローエンドやミドルレンジならば約2~3年、ハイエンドならば約4~5年ほどとなります。
ただし、使用頻度や使用方法によって寿命は大きく変わりますので、あくまで目安としてお考え下さい。
毎日10時間以上ゲームをしていれば当然劣化は早まりますし、短時間使用が週に数回程度ならば寿命は大幅に伸びます。
ゲーミングPCの場合、もう一つ特殊な寿命もあります。
それは、「時代の変化による寿命」です。
例えば、ハイエンドのゲーミングPCを購入して、週に一度程度しか利用せず、保管状態も良好だったとしましょう。
この場合、10年以上もつことも珍しくないと思われます。
しかし10年も経過すると、登場するゲームの性能が大幅に向上し、必要となるスペックがかなり高くなってしまっていることが想定されます。
こうなりますと、10年前のゲーミングPCでは最新ゲームで行われる高度な処理を適切に行うことができず、まともにプレイできないという状態になってしまいます。
ゲームの性能は、10年どころか5年も経てば激変するため、使用や保管にどれだけ気を付けたとしても、5年程度が性能的な寿命となってしまうでしょう。
ゲーミングPCの寿命が縮まってしまう原因は、主に以下のようなものです。
ゲーミングPCのような電化製品は、使用すればするほど劣化します。
こればかりは避けようのないことですし、寿命を気にしてあまりパソコンを使わないようにしてしまっては本末転倒なので、経年劣化についてはあまり意識する必要はないでしょう。
デスクトップの場合はそれほど心配ありませんが、ノートパソコンの場合は持ち歩く機会も多いため、落下リスクが高いです。
落下や踏みつけによる物理的な衝撃が加わると、本体内のパーツに甚大なダメージを与えてしまうことがあります。
マザーボードやCPU、メモリやHDDといった重要パーツが損傷してしまうと、何らかの不具合が発生するか、最悪の場合は起動すらしなくなってしまいます。
衝撃による故障は決して珍しくないので、パソコンを持って移動する際は細心の注意が必要です。
精密機械であるゲーミングPCは、水に対して非常に脆いです。
水没させてしまえば高確率で故障してしまいますし、湿気の多い場所でパソコンを使用・保管することも危険です。
こういった場所は多湿であり、パソコンの劣化が進みやすくなります。
ゲーミングPCを使用していない時の保管場所が悪いと、寿命を縮めることになってしまいます。
パソコンにとって劣悪な保管環境とは、高温多湿な場所です。
特にパソコンは熱に弱いため、直射日光が当たるような場所や、真夏の車内といった暑い場所に保管していると、本体の劣化が進みやすくなってしまいます。
何も操作していなくとも、パソコンに電源が入っている以上は常に各パーツに電気的負荷がかかっています。
また、バックグラウンドで動いているプログラムもあるため、その分の負荷も侮れません。
数日や数週間といった単位ではほとんど影響はないでしょうが、塵も積もれば山となり、長時間使用しないのに電源を入れっぱなしにしていたり、夜寝る前にも電源を落とさないといった行為を長年続けてしまうと、ジワジワとゲーミングPCの寿命を縮めることになってしまいます。
あまりやっている人は多くないかもしれませんが、ゲーミングPCを使ってデータマイニングを行うこともパソコンに対して負荷をかけることになります。
データマイニングとは、統計学やAIなどを駆使して大量のデータを分析し、情報・知識を採掘(マイニング)するための技術です。
最近では、仮想通貨のマイニングを行うために自分のパソコンを提供し、その報酬を得るというような形態が存在します。
しかし、負荷のかかるゲームをプレイしてから、空き時間にはマイニングを行う、といったようなゲーミングPCの使い方をしていると消耗が激しく、短命で終わってしまうことになるかもしれません。
処理能力の高さから、ゲーミングPCは高価なことが多いです。
特にハイエンドのゲーミングPCともなると30万円を超えることもザラにあり、中には50万円、100万円といったものまであります。
そんなゲーミングPCですから、できるだけ長年使いたいと思うのが心情でしょう。
ここでは、ゲーミングPCを延命するための方法について紹介していきます。
ゲーミングPCにもノートパソコン型とデスクトップ型の両方が存在しますが、長持ちさせたいのならば迷わずデスクトップ型を選択すべきです。
持ち運びしやすく、コンパクトなので場所も取らないという理由から、ノートパソコン型が欲しいという方も多いと思いますが、ノートパソコンの方が熱がこもりやすくどうしても故障しやすくなってしまうのです。
またノートパソコンは、一体型となっていることが多く、どこかのパーツが故障しても簡単に交換することができません。
しかしデスクトップならば、熱を逃がしやすい構造になっている上、パーツが壊れても容易に交換が可能です。
ゲーミングPCの場合は、HDDよりもSSDの方が向いています。
SSD搭載パソコンの方が高額にはなってしまいますが、処理性能が高く、重い処理が要求されることの多いパソコンゲームにも対応しやすいからです。
またSSDの方が衝撃にも強いため故障しにくい、というメリットもあります。
ゲーミングPCを購入する時は、HDDではなくSSD搭載のパソコンを購入するのがよいでしょう。
パソコンが通電している状態の時は、常に負荷がかかっていることになります。
何も操作していない状態ならば微々たる負荷ですが、そんな小さな負荷でも日々の積み重ねによって劣化具合は徐々に進んでいきます。
長時間使用しない時はなるべく電源を落としておくべきでしょう。
特に、寝る前に電源を落とさず寝る方も多いですが、極力控えるべきです。
高額なゲーミングPCを延命するためだと思って、面倒くさがらず、こまめに電源を落とすようにしてください。
パソコンの各差込口や冷却ファンに大量のホコリが付着してしまうと、様々な不具合を誘発することがあります。
特に冷却に関しては、後述する通り非常に重要です。
上記のような問題を引き起こさないよう、数か月に一度程度は差込口やファンの掃除を行うようにしてください。
また、パソコン周辺にホコリが溜まってしまうことでパソコンがホコリを吸い込んでしまうことになりますので、こまめに取り去るようにしてください。
パソコンは、熱に対して弱い製品です。
特にゲーミングPCの場合、長時間にわたって重い処理が要求される場面が多いため、熱を持ちやすくなることがあります。
真夏の屋内でクーラーもつけずに長時間使用するような行為は避けましょう。
また、冷却ファンについては性能の良いものが搭載されているパソコンを選ぶようにした方がよいです。
ここで変にケチってしまうと、後々痛い目に遭うことも考えらえます。
熱対策を怠ることで、異常な温度上昇によるパソコンの動作停止や、最悪の場合は故障や発火もあり得ますので。
参考:NEC製ノートパソコンが異常発熱で停止した事例 | ドスパラ
こうした湿気の多い場所でゲーミングPCを使用・保管することで、着実に寿命が縮まってしまいます。
熱同様、湿気もパソコンの大敵ですので、湿気とは無縁の場所で使用・保管するようにすべきです。
お手持ちのゲーミングPCのスペックに合わないゲームをプレイし続けると、パソコンに多大な負荷をかけ続けることになり、故障の原因となってしまいます。
例えば、ローエンドのゲーミングPCで大量のメモリを必要とする最新ゲームをプレイする、といったようなケースです。
重いゲームをプレイする場合は、それに見合ったスペックのゲーミングPCを用意した方がよいです。
性能的な寿命を延ばすためには、グラフィックボードの交換が有効です。
各パーツにはまったく問題がなく、物理的な寿命がまだまだ先だと思われる場合は、グラフィックボードを交換することで最新ゲームの解像度にも対応することができ、カクつかせることなく高画質を実現できるようになるでしょう。
デスクトップ型であれば、グラフィックボードの交換は比較的簡単ですし、メリットも多いです。
参考:BTOパソコンでのグラフィックボード交換方法やアップグレード時の注意点をご紹介 | ドスパラ
以上、ゲーミングPCの平均寿命や、寿命を延ばすための対処法について解説しました。
ゲーミングPCの寿命については、購入の段階からある程度決まっています。
SSDを搭載したデスクトップ型で、ミドルレンジ以上のランクのものを購入することで、長く使用できる可能性が高くなります。
加えて、日々の使用方法や保管方法に注意することで、更なる延命が可能となりますので、面倒くさがらずに実践していただければと思います。
とはいえ、ゲーミングPCは消耗品ですから、どんなに大切に扱っていてもいつかは寿命を迎えてしまいます。
そんな時にはゲーミングPCを捨てる必要が出てくると思われますが、その際には「パソコン廃棄.com」の利用が便利です。
「パソコン廃棄.com」ならば、費用は一切かからず、事前のやり取りも不要。
ただ壊れたパソコンを梱包して送付するだけで、無料廃棄が完了します。
送られてきたパソコンのデータ消去も、責任を持って行わせていただきますので、セキュリティ的にも安心です。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。