特に何もした記憶はないのにパソコンが再起動を繰り返してしまうことはありませんか?
再起動を繰り返す場合はソフトウェアやハードウェアに不具合が生じていることもあります。
いずれの原因でも放置しておくとパソコンが使えなくなってしまうので、原因を特定して対処していきましょう。
この記事では
について解説していきます。
目次
パソコンのシャットダウンと再起動は同じだと思っている人も多いのではないでしょうか。
シャットダウンとはOSなどのソフトウェアと同時にパソコン本体も終了させます。
再起動はソフトウェアだけを終了させてパソコン本体は終了させません。
シャットダウンの場合は本体も終了させるため、その時の状況などのシステム情報をファイルに書き込む必要があります。
シャットダウン後に再度電源を入れた場合は保存したシステム情報を読み込む必要が出てくるので、少し時間がかかります。
再起動の場合は本体を終了させないので、システム情報を再度読み込むという工程を省くことができます。
システムファイルの影響を受けることもないので、トラブルが起きた場合は再起動させることをおすすめします。
パソコンが再起動を繰り返す原因について解説していきます。
Windowsのシステムファイルが壊れたり、アプリなどが誤動作すると再起動に支障をきたすことがあります。
システムファイルの不具合が発生した場合は再起動が必要です。
Windowsには自動修復機能が備わっており、再起動に2回失敗した場合、3回目に自動修復が行われます。
このWindowsの自動修復が行われると、システムが正常に動作していたときの状態に戻され、症状を改善できる場合があります。
この自動修復機能は不具合が軽い場合にのみ有効で、症状が重い場合は修復できないこともあるので注意してください。
3回以上再起動を繰り返すような重症の場合は電源を切り、修理業者等に相談してみましょう。
ハードウェアの故障の原因としてはハードディスクやメモリが多いといわれています。
メモリは理論上寿命を迎えることはほぼないので、ハードディスから情報を読み込めないケースのほうが多いといえます。
また、電源に不具合があったりマザーボードにトラブルが起きた場合も再起動に支障をきたす原因になります。
電源は経年劣化によって電源不足になることもあるので、コードが熱くなっていたり、折れ曲がったりしていないかを確認してみましょう。
ハードディスクに異常がある場合は異音がすることがあります。ガリガリなどの異音が聞こえたら、直ちにパソコンの電源を切りましょう。
そのままハードディスクを稼働させ続けると修復の可能性がどんどん低くなっていきます。
電源やハードディスクに以上が確認された場合は再度電源を入れることはしないで修理業者に相談しましょう。
再起動を繰り返す場合はパソコンに高負荷の作業をさせていないか確認しましょう。
パソコンのCPUは温度が高くなりすぎると熱暴走といって強制的に電源を落とそうとします。
熱暴走すると突然シャットダウンしたり、再起動を繰り返すという現象が起きます。
パソコンに触れてみて異常に熱いと感じた場合は作業を中断し、温度を下げましょう。
パソコンがウイルスに感染すると勝手に再起動を繰り返したり、正常に起動しなくなるなどの不具合が発生することがあります。
ウイルスは感染してもすぐには症状が出ないこともあるので普段からウイルス対策ソフトをインストールしておきましょう。
パソコンがウイルスに感染すると勝手に再起動したりおかしな挙動をすることがあります。
定期的にウイルスチェックを行い、ウイルス対策の設定が無効になっていないか確認しましょう。
マルウェアの感染も再起動を繰り返す原因となります。
マルウェアの感染はセキュリティソフトでは検知できないこともあり、パソコンを使っているときに見慣れない誘導のポップアップ画面や警告画面が表示されたら、マルウェアに感染している可能性があります。
マルウェアの除去には専用ソフトや特殊な修復作業が必要なため、インターネット接続とパソコンの電源を切って専門の業者に相談しましょう。
Windowsは自動的にアップデート内容を更新する機能がついています。
この自動更新の時間帯がたまたま使用中に重なってしまった場合は勝手に再起動が始まったように見えますが、通常はそのままにしておけば問題なく起動します。
パソコンが再起動を繰り返す場合はどう対処するか解説していきます。
Windowsの初期設定では自動更新がオンになっています。
自動更新をオフにすることで予期しない再起動を防ぐことができるので設定でオフにしてしまいましょう。
自動更新をオフにするには以下の手順で行います。
これで勝手に再起動されることはなくなるはずです。
再起動を繰り返してしまう場合はセーフモードでの起動が有効な場合があります。
セーフモードとは最低限の構成でパソコンを起動させる方法で、特定のアプリが原因で不具合が起きている場合はそれらを回避してデータにアクセスすることができます。
もしセーフモードでも起動しない場合はメモリやマザーボードなどのハード部分に問題が生じている可能性がありますので、その場合は専門の業者に相談しましょう。
Windowsのパソコンをセーフモードで起動する方法は以下の通りです。
セーフモードで起動するとWindowsの自動修復機能も同時に稼働します。
不具合が軽度であればセーフモードの起動で解決することもあるので、まずは試してみましょう。
システムに不具合が出ている場合は「システムの復元」という操作を実行することで不具合が出る前の状態まで戻すことが可能です。
これは不具合だけではなく、Windowsのアップデートなどで既存のアプリとの相性が悪くなってしまった場合にも使えます。
システムの復元は復元ポイントと呼ばれる定期的にパソコンの状態を保存しているデータを利用して不具合が出る前の状態に戻しますが、データが消えてしまうということはなく、ファイルなどに影響を与えないのがメリットです。
システム復元は以下の手順で行います。
以上で不具合が起きる前にシステムが戻ります。
この状態で正常に再起動ができれば問題は解決です。
パソコンが熱暴走すると再起動を繰り返すだけでなく、パソコンの電源が突然落ちたりフリーズしたりするようになります。
またハードディスクやCPU、メモリなどの部品の故障など様々な悪影響があります。
パソコンの熱暴走させないようにするためには以下の方法が有効です。
ちなみにいくら冷やした方がいいからといって保冷剤などを直接当てることは避けましょう。
急に冷やされて常温に戻ると結露が発生し、パソコンのパーツにダメージを与えることがあるので注意しましょう。
見慣れない警告やポップアップなどが確認できるときはウイルス感染を疑いましょう。
ウイルスに感染している場合は、早急にウイルス対策ソフトを使って、ウイルスを駆除しましょう。
正常に再起動できない場合はウイルス対策ソフトでウイルスを駆除することはできないので、セーフモードでパソコンを起動します。
セーフモードでパソコンが起動できる場合は、アンチウィルスソフトでウィルスのスキャン、駆除を試みてください。
強制的に終了させることはハードディスクの回転を強制停止し、CPUやメモリにも影響を及ぼすので、最後の手段として使うことを覚えておきましょう。
強制再起動の方法は簡単で「電源ボタンを長押し」するだけです。
以前は「Ctrl」+「Alt」+「Delete」を2回入力することでできていましたが、Windows10以降ではできませんので注意しましょう。
ちなみにこの方法はハードディスクのデータが読み込めなくなったり、消失したりするリスクがあります。
他の方法を試してもどうしても解決しなかった場合のみに使用してください。
不要なレジストリを削除することでパソコン起動の際に読み込む情報を整理し、負担を軽減できることがあります。
レジストリとは設定やユーザー情報、アプリケーションの状況などパソコンに関係する情報が記録されているデータベースのことです。
このレジストリというデータベースは非常に重要なもので、誤って削除してしまうとパソコンが起動しなくなるなどのトラブルになるので、レジストリの削除は最終手段の一つとしてください。
また万が一に備えて必ずバックアップを取りましょう。
レジストリを削除するには以下の手順で行います。
近年ではレジストリの削除はデメリットの方が多いとも言われているので、よく考えてから実施するようにしましょう。
以上、パソコンが再起動を繰り返すときの対処法と原因を解説してきました。
Windowsには再起動に2回失敗した場合に自己修復する機能が備わっているので、3回目までは慌てずに様子を見ましょう。
それでも再起動を繰り返す場合はいったんセーフモードで起動し、システムの復元を実行することで解決することもあります。
レジストリの削除や強制終了はどうしようもなくなったときの最後の手段なので、可能であれば避け、それでも修復できなかった場合はパソコンの廃棄も検討した方が良いでしょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。