昨日まで動いていたLenovoのパソコンが、突然起動しなくなり困っていませんか?
急にパソコンが起動しなくなると困ってしまいますが、対処法を知っておけば修理に出す前に問題を解決することも可能です。
Lenovoのパソコンが起動しない原因や症状はさまざまです。症状に合わせて対処することで、いち早く症状が改善できるでしょう。
この記事では、Lenovoのパソコンが起動しない原因とロゴから動かないなどの症状に合わせた対処法を紹介します。
Lenovoのパソコンが起動しないと困っている方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
目次
パソコンが起動しない原因は大きく分けて次の3つがあります。
Lenovoのパソコンが起動しない場合に考えられる原因の1つに、OSの不具合があります。
OSとは、パソコンに入っているWindowsやMacなどのソフトで、OSに不具合があるとパソコンが起動できません。
Lenovoのロゴから進まない、画面がフリーズする場合は、OSの不具合を疑いましょう。
パソコンには、モニターやマウス、キーボードなどを接続していることが多いのですが、それらの接続機器が故障した場合もパソコンが起動しないことがあります。
たとえば、画面が真っ黒で動かない場合、モニターやケーブルなどの故障が考えられます。パソコンが起動しても、モニターやケーブルが故障していれば画面に何も表示されません。
そのため、パソコンが起動していないように見えるのです。モニター周りだけでなく、キーボードやマウスの故障が原因でパソコンが起動しないこともあります。
パソコン内部にはさまざまなパーツが使用されています。OSや接続機器が問題ない場合、パソコン内部のパーツの故障の可能性があります。
パソコン内部のパーツとは、HDDやメモリ、電源周り、マザーボードなど。どのパーツが故障しても、パソコンが起動できない原因になります。
内部パーツの故障が原因の場合、まずは故障したパーツを探す必要があります。パーツを抜き差しして、一つずつ接続してみながら原因を確認しましょう。
Lenovoのパソコンが起動しない場合、まずはすぐにできる対処法を紹介します。
まずはどうしたらいいのかわからないという場合は、下記の方法を試してみてください。
最も簡単なことですが、意外に多いのが電源ケーブルが抜けていることです。
電源ケーブルが、しっかりとコンセントに接続されていることを確認しましょう。コンセントが抜けていないか、パソコンとの接続部分は問題ないかも合わせて確認してみてください。
ノートパソコンで多いのが、バッテリー切れです。ノートパソコンが充電切れの場合、パソコンが起動しません。
ノートパソコンのバッテリーの寿命は2~3年です。それ以上使用している場合は、バッテリーが故障して充電できなくなっていることも考えられます。
バッテリーを取り外しできる場合は、本体から取り外し電源をコンセントに接続してみましょう。問題なく起動する場合は、バッテリーが原因となっているため交換が必要です。
パソコンのバッテリー交換に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ノートパソコンのバッテリーの交換時期は?交換方法や寿命を伸ばす方法も紹介>>
パソコンを長期間使用しているとパソコン内部の回路や部品に帯電し、動作が不安定になったり起動しなくなったりします。
パソコン内にたまった電力を放電することでパソコンの症状が改善され、起動することがあります。
パソコンを放電する方法は次の通りです。
【パソコンを放電する手順】
パソコンのドライブに、BDやDVD、CDなどの媒体が挿入されていると、Windowsが起動できない場合があります。
媒体が入っている場合には取り出し、再度電源を入れましょう。ただし、媒体を取り出すためには、パソコンの電源が入っている必要があります。
Windowsが起動できない場合でも、パソコンの電源が入ればディスクトレイの取り出しボタンを押せば、トレイが開き媒体を取り出せます。
パソコンの内部にはホコリが溜まりやすく、定期的に掃除しなければパソコンの動作が不安定になります。
ファン周りや排気口付近にホコリが溜まると、パソコン内に熱がこもり熱暴走を起こし起動しなくなることも。
パソコン排気口周りなどは、掃除機でホコリを掃除しましょう、パソコン内部を掃除する場合は、ケースを開けてエアダスターなどを使用しホコリを払います。
パソコン内部には小さなパーツが多く吸い込む恐れがあるため、掃除機は使用しないようにしましょう。
またパソコンは静電気に弱くわずかな電流で故障することもあります。作業する際には、手袋を付けるなど静電気対策をしましょう。
ハードウェア診断を実行することで、パソコンの不具合の原因を特定できます。
Lenovoのパソコンは、Windowsが起動しない場合「Lenovo Diagnostics」を使用して診断が可能です。
【Lenovo Diagnosticsでの診断手順】
結果は次の3パターンで表示されます。
PASSED | FAILED | NOT APPLICABLE |
---|---|---|
成功:異常なし | 失敗:異常あり | 該当なし:診断対象から除外 |
「NOT APPLICABLE」と表示されるのは、RAID構成やSSDの状態などシステム診断ツールで対応できない場合に表示されます。異常ではないため、修理する必要はありません。
「FAILED」と表示された場合は、次の項目をメモして「Lenovoサポート電話窓口」へ相談しましょう。
参考:パソコンの診断方法( Windowsが起動しない場合) UEFI DIAG VER3.0
すぐにできる対処法を試しても改善されない場合は、Lenovoのパソコンが起動しない症状に合わせて次の対処法を試しましょう。
電源ボタンを押しても電源ランプが点灯しない場合は、パソコンにまったく通電されていません。電源やケーブルの接続状態を確認しましょう。
電源ボタンを押しても起動しない場合は、使用可能なすべての電源ボタンを押し電源ランプが点灯するかを確認します。
電源ボタンがある場所は、パソコン本体やキーボードです。ワイヤレスキーボードやリモコンなどの電源ボタンが反応しない場合は、電池交換や登録をし直しましょう。
パソコン本体の電源ボタンが反応しない場合は、電源ボタンの故障の可能性があります。
本体の電源ケーブルや、本体とディスプレイのケーブルなどが、正しく接続できているかを確認します。ケーブルが外れかけている場合はしっかりと差し込んでください。
コンセントの先が曲がったり、ケーブルの途中が裂けたりして断線していることもあります。ケーブルの状態もよく確認しましょう。
また、電源タップを使用している場合は電力が不安定になることもあります。壁のコンセントに直接電源ケーブルを接続し、パソコンが起動するか確認しましょう。
Lenovoのロゴが出てフリーズする場合は、Windowsの不具合やパソコン内部のHDDに問題がある可能性があります。
パソコンは電源を入れると、メーカーロゴが表示され、その後Windowsが起動します。Lenovoのロゴから進まない場合は、Windowsの不具合の可能性が考えられます。Windowsの不具合の場合は、次の方法を試しましょう。
Windows10が正常に起動できなくなった場合に、原因を自動で修復する機能が「スタートアップ修復」です。スタートアップ修復は、修復の完了までに時間がかかる場合があります。また、処理途中に電源が切れないようにノートパソコンの場合は電源を接続して実行してください。
Windowsのスタートアップ修復は、起動に2回続けて失敗すると自動で実行されます。スタートアップ修復が自動で実行しない場合は、手動で実行も可能です。
【スタートアップ修復の手順】(Windows10)
BIOSとは、パソコンに接続されている機器類の設定情報です。BIOSのデータに異常がある場合、パソコンが正常に起動しません。BIOSを初期化することで、問題が改善する場合があります。
BIOSの初期化を実行する前には年のためにデータのバックアップを取りましょう。また、BIOSの数値を変更している場合は、Windowsが再起動した後に設定し直す必要があります。
【BIOSの初期化の手順】
Lenovoのロゴ画面からフリーズして進まない場合は、強制終了を実行する方法もあります。強制終了した場合は、保存していないファイルのデータは失われます。
キーボードが使える状態であれば、ショートカットを利用して強制終了ができます。
以上のどちらかの¥ショートカットを入力し、シャットダウンを選択します。
のショートカットキーを入力すれば、メニューから強制終了が可能です。
マウスもキーボードも操作できない場合は、電源ボタンを長押しして電源を切りましょう。パソコンが再起動できた場合は、通常のシャットダウンを行い、再度電源を入れ正常に起動することを確認してください。
参考:Lenovo Windows 10でフリーズしたパソコンを強制終了する方法
電源を入れても画面が真っ暗な場合は、モニターの不具合もしくはパソコン内部のパーツの故障が考えられます。
パソコンを別のモニターに接続してみて、問題なく表示される場合は、モニターの故障の可能性が高いです。
ノートパソコンの場合は、パソコンを落とす、パソコンの上にものを置くなどで、モニターの液晶が破損することがあります。
モニターが故障している場合は、新しいモニターに交換しましょう。
マザーボード故障時の症状とは?4大原因と2つの調べ方を解説>>
マザーボードはパソコンの各パーツに電源を供給する、情報のやり取りを手助けするなどパソコンのメインとなるパーツです。
マザーボードが故障するとパソコンは起動しません。マザーボードの状態を確認するためには、まずパソコンのケースを開けて目視しましょう。ホコリがあれば除去してください。
マザーボードにはボタン電池が使用されており、電池切れの可能性もあります。不具合がある場合はまず電池を交換してみましょう。
電解コンデンサーが液漏れしたり、膨らんだりしている場合は、マザーボードの寿命の可能性があり、交換が必要です。
メモリーが故障した場合も、パソコンは起動しなくなります。メモリーは故障していなくても接触不良により、不具合を起こす可能性があります。
まずは、メモリーの抜き差しを何度か実行することで、不具合が解消する可能性もあります。
マザーボードに関しては、下記でも詳しく解説しています。
マザーボードの寿命の年数は?寿命がきたときの症状や交換方法を解説>>
在宅ワークが増え、Webカメラを使用する機会も増えています。突然、Webカメラが起動しないと困ってしまいます。
Lenovoのカメラが起動しない場合は、パソコンの以下を確認してみてください。
黒井画面にエラーメッセージが表示される場合は、指示通りに対処しましょう。
画面に「Press F1 to …」「Press <F1> to …」といった英語のメッセージが表示されている場合、「F1」キーを押してWindowsが起動するか確認してください。
「F1」キーを押すとWindowsが起動した場合は、Windowsをいったん終了し、再度電源を入れて正常に起動することを確認します。
ただし何度もこの症状が現れる場合は、パソコンに問題が発生している可能性があります。
パソコンの画面が真っ暗になる原因は?カーソルが動くときなど症状別対処法>>
Windowsに問題が発生すると、ブルースクリーンになりクラッシュすることがあります。
ブルースクリーンエラーは、パソコンに問題が発生しシャットダウンや再起動が必要な場合に表示されます。
ブルースクリーンになると、スタートメニューやタスクバーなどは表示されず、パソコンの再起動を促すメッセージが表示されます。
ブルースクリーンが発生した場合は、次の対処法を試してみてください。
参考:Microsoft ブルースクリーンエラーのトラブルシューティング
ブルースクリーンに関しては、下記の記事でも詳しく解説しています。
パソコンのブルースクリーンが頻発する原因は?エラーコードの種類と対処法>>
Lenovoのパソコンの電源を入れても起動せず、ビープ音が鳴る場合があります。ビープ音はパソコンに異常がある場合に発生します。
ビープ音は音の鳴り方で異常を教えてくれます。「ピ、ピ、ピ」「ピー、ピ」など、ビープ音の鳴り方や回数を記録しましょう。
Lenovo ThinkPadの一部モデルでは、ビープ音のコードを使用したLenovo PC の診断アプリが利用できます。
このビープコードアプリをダウンロードして実行すると、ThinkPadに異常やエラーが発生した場合に、メロディが聞こえます。そのメロディを手持ちのスマホに聞かせることで、パソコンの異常が表示されます。
ただし利用できるスマホはAndroidに限るため、注意してください。
参考:ビープコードで Lenovo PC を診断する – ThinkPad
パソコンからビープ音が鳴り続ける時はどうする?ビープ音の種類と対処法を解説>>
ここまで紹介した対処法でもLenovoのパソコンが起動できない場合は、次の方法を試してください。
セーフモードはパソコンを最小の構成で起動するモードです。正常に起動しない場合でも、セーフモードで起動できる場合もあり、緊急時に使用できます。
また、パソコンに不具合がある場合に、原因を特定するためにも利用可能。ただし、セーフモードはハードディスクの状態の悪化やデータ消失の可能性もあるため、不安な場合は実行しないようにしましょう。
セーフモードで起動する方法はいくつかありますが、ここでは、Shift+再起動からセーフモードで起動する方法を紹介します。
【セーフモードで起動する手順】
参考:Lenovo Windows 10 をセーフモードで起動する – ThinkPad
システムの復元を実行すると、システムファイルなどをあらかじめ作成した復元ポイントの状態に戻せます。
パソコンに不具合がある場合は、システムの復元を実行することで、不具合が起こる前の状態にパソコンを戻せるため、不具合が解消する可能性があります。
システムの復元では、データは消去されませんが、パソコンの動作が不安定になる場合もあるため、事前にバックアップを取りましょう。
ハードディスクの容量が128GB未満の場合は、システムの復元が実行できない可能性があります。また、システムの復元の実行には時間がかかるため、時間に余裕があるときに実行しましょう。
【Windows10のシステムの復元の実行手順】
参考:Lenovo Windows 10でシステムの復元を使用してパソコンを以前の状態に戻す方法
どんな方法を試しても、問題が改善しない場合、Lenovoのパソコンを初期化することで、改善する場合があります。
Lenovoのパソコンを初期化すると、工場出荷状態に戻ります。パソコン内のデータは消去されるため、事前にデータのバックアップを取りましょう。
Lenovoのパソコンを再セットアップする前には次の準備をしましょう。
個人用ファイルを保持するを選択した場合は、作成したファイルやアカウント情報などを残した状態でパソコンの設定を初期状態に戻します。ただし、インストールしたアプリやドライバーなどはすべて消去されます。
「すべて削除する」を選択した場合は、パソコンのハードディスク内のデータはすべて消去されます。
パソコンを廃棄する、他人に譲渡する場合は、「すべて削除する」を選択しましょう。
Lenovoのパソコンは、次の3種類のブランドごとに異なる初期化ツールが用意されています。
それぞれの初期化ツールの起動方法を解説します。
【Thinkブランドの場合】
【Lenovo/Ideaブランドのデスクトップパソコンの場合】
【Lenovo/Ideaブランドのノートパソコンの場合】
【Lenovo 「Onekey Recovery」で初期化する手順】
Lenovo「Onekey Recovery」はバックアップと復元をするために、初期インストールされているソフトです。
参考:Windows10が起動しない状態からWindowsを初期化する方法
Windowsパソコンの初期化方法に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【Windowsパソコンの初期化方法】手順や注意点をわかりやすく解説>>
Lenovoのパソコンが起動しない場合は、まずは電源コンセントやバッテリーを確認しましょう。
問題ない場合は、パソコンを放電する、掃除するなどして再起動してみます。パソコンを放電するだけで問題が解決することもよくあります。
それでも解決しない場合は、ハードウェア診断を実行し問題を特定しましょう。
Lenovoのパソコンが起動しないときには、いろいろな症状が出現します。パソコンの症状によっても対処法が異なるため、症状に合わせて対処しましょう。
パソコンのパーツが故障した場合は、交換や修理が必要です。しかし、パソコンの購入から3年以上経過している場合は、パソコンの寿命の可能性もあります。
1つのパーツを交換しても次々に不具合が起こり、新しいパソコンを購入した方が安いこともあり、買い替えがおすすめです。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。