「Macのパソコンが起動しない・・・どうしよう・・・・」
いつも通りMacのパソコンを立ち上げようとした時に、うんともすんとも言わなかったり、画面上に見たこともないマークが出現したりすると焦りますよね。
しかし、慌てる必要はありません。
物理的な障害が起こっているのでなければ、パソコンが起動しない問題を解決できる可能性も充分にあります。
この記事では、Macパソコンが起動しなくなった時の対処法を中心に、なぜ起動しなくなるのか、起動しない時にやってはいけないこととはどんなことなのか、といって点について詳しく解説していきます。
【この記事でわかること】
目次
Macのパソコンが起動しなくなってしまう原因は、主に以下の4つです。
原因が単純すぎて意外と見落としがちなのが、電源ケーブルが抜けていることによって電力がパソコンにきていない、という現象です。
ACアダプタに常時接続しながら使うタイプのデスクトップPCの場合、ACアダプタが抜けてしまったりうまく挿さっていなかったりすると、電源はつきません。
一見挿さっているように見えても、いつの間にか緩んでしまいしっかり挿さっていないというケースも多いです。
電源ケーブルや差込口に何らかの不具合が生じていることで、正常な電力供給が行われずにMacが起動しなくなっている、というパターンも考えられます。
こういったことが原因で、ケーブルや差込口に異常が発生することがあります。
特にケーブルは、パソコンに挿す際に力任せに無理やり挿し込んだりすると簡単に変形してしまい、接続不良を起こします。
また、ケーブルの上に重い物を載せてしまい断線するという事態も珍しくありません。
何らかのシステムトラブルが発生していることで、Macが起動しなくなることがあります。
特に多いのは、OSのトラブルです。
起動はOSが担当している部分なので、OSファイルに何らかの異常があるとパソコンが立ち上がらなくなってしまうことが多いです。
その他、ファイルシステムやファームウェアなどのソフト面でのトラブルによっても、起動に問題が生じることがあります。
Macを起動させるためのシステムファイルが入っているHDDやSSDに物理的な障害が発生している、という可能性もあります。
特に、パソコンの使用環境が悪かったり、長年使用したことによる経年劣化が進んでいたりすると、物理的な障害が発生しやすくなります。
Macが起動しなくなる前に、HDDから異音がしたり、冷却ファンの音が異常に大きかったりした場合は、ハードディスクの故障が原因である可能性が高くなります。
電源ユニットが物理的に故障している場合や、長期間Macを使っていなかったことにより完全放電してしまい、正常に起動しないということもあります。
【パソコンの電源ユニットの寿命は?】故障前の症状や延命するための方法>>
Macが起動しない時に、焦ってあれこれと思い付きの行動をとってしまいそうになると思いますが、適当な行動はかえって状況を悪化させてしまうこともあります。
以下のような行動は避けるようにしてください。
再起動は、簡易的なトラブルを解消してくれる可能性があるので、一度や二度試してみるのは良いことなのですが、繰り返し何度もやってしまうのは駄目です。
場合によっては、状態が悪化してしまう危険性もあります。
また、電源を長押ししての強制シャットダウンも、システムファイルへのダメージの原因となってしまうので、できるだけやらないようにすべきです。
ハードウェア面で物理的な障害が起こっている場合、パソコンが通電したままですと状態が悪化してしまう可能性があります。
通電しているということは、HDDや電源ユニットといったハードウェアに負荷をかけ続けることになるからです。
Macが起動しない原因がよくわからない時は、通電した状態であれこれと適当にいじったりせず、一旦電源を落としておいた方がよいです。
通電するのは、後述する「起動しない時の対処法」を実践する時だけにした方がよいでしょう。
初期化はシステムトラブル解消に効果的な方法ですが、安易に行っていいものではありません。
データがすべて消えてしまいますし、事前に機種に応じた作業を行わないと初期化に失敗することもあるため、初期化前には入念な準備が必要となります。
「試しに初期化してみようかな」といった軽い気持ちで何の準備もなく初期化作業に入るような行動はくれぐれも避けてください。
Macを起動しようとしたのに立ち上がらない時は焦るものですが、案外単純な理由で起動しないだけということもあります。
まずは、以下のような方法を試してみてください。
電源ケーブルの挿し忘れや、挿したつもりがうまく挿さっていなかったいうことは意外に多いものです。
まずは、コンセントやパソコンのケーブル差込口を確認し、しっかりと挿さっているかどうかを確認してみてください。
Macパソコンにあるケーブル差込口にホコリが溜まっていると、接触不良を起こして正常な電力供給が行われなくなっていることがあります。
差込口にホコリが溜まっているようならば、綺麗に掃除するようにしましょう。
その際、ウェットティッシュなどの湿気があるもので拭くのはNGです。
清潔な布などで丁寧に拭くようにしてください。
電源に接続しない状態でパソコンを長期間放置していると、完全に放電してしまい、すぐには通電しない状態になっていることがあります。
従って、こういった場合は数時間ほど電源ケーブルを繋いでおき、それから電源ボタンを押してみてください。
なお前述の通り、最近まで普通に使えていたのに急に起動しなくなったような場合は、ハードウェアの損傷を防ぐために一旦通電しない状態にすべきです。
ここでは、Macが起動しない場合の8つの対処法を紹介します。
ここでは、それぞれの対処法をみていきましょう。
なお、Macの画面が突然真っ黒になった場合は下記の記事を参考にしてください。
パソコン内に不要な電力が帯電していると、電源が入らないことがあります。
そこでPCに接続されているケーブルを抜いてから、電源を立ち上げることによって、パソコン内の不要な電力を放電できます。
放電は、下記の手順で行います。
システム管理コントローラとよばれる「SMC」をリセットすれば、Macの異常が改善されるケースがあります。
以上で、SMCリセットが行われます。パソコンを起動して、改善されているかチェックしてみてください。
PRAMはMacのアクセスをスムーズにするのに欠かせません。Macが不調の場合は、PRAMのリセットを行うことで改善される可能性があります。
ただし、PRAMのリセットができるのは、intel製CPUを搭載したMacのみです。
PRAMのリセット方法は、下記の手順通りです。
PRAMのリセットを行うと、起動ディスクのエラーや音量調整、時間帯の設定などが初期設定になることがあります。
設定を復元したい場合は、「システム環境設定」を使用します。
セーフモードで起動すれば、最小限のシステムだけで起動できるため、パソコンへの負担を軽減できます。
さらにセーフモードで起動すれば、Mac本体に異常があるのか、ソフトに問題があるのかがわかるようになります。
セーフモードでの起動方法は、下記のとおりです。
以上でセーフモードでの起動が完了です。一度電源を落として、再び電源を起動します。
リカバリーモードで立ち上げることによって、OSの再インストールやハードディスクの修復が可能です。
リカバリーモードは下記の手順で行ってください。
注意点として、バックアップを取ってからリカバリーモードを行うようにしましょう。
外部の起動ディスクを利用して、パソコンを立ち上げることも可能です。
外部の起動ディスクを利用して、パソコンを立ち上げる方法は次のとおりです。
以上で外部の起動ディスクでパソコンを立ち上げられます。
パソコンが物理的に壊れているわけではないのならば、Time MachineというMacのバックアップ機能を利用してみましょう。
Time Machineを利用すれば、起動がスムーズにいく可能性があります。
新しくHDDやメモリを追加した場合は、互換性があるか確認してみてください。
HDDやメモリの規格が、パソコンの規格と合っていないと起動できません。
そのため、HDDやメモリの互換性を確認してみてください。
簡易的な対処法では改善しない場合や、画面に普段見ることがないマークが出現するようならば、ケースに合わせて以下の手順にて対処してください。
円に右下がりの斜線(スラッシュ)が入っている、「禁止サイン」のようなマークが画面に表示された場合は、起動ディスクにMacのオペレーティングシステムが入っているものの、Macパソコンで使用できるmacOSではない、ということを表しています。
この場合の対処法は以下の通りです。
こちらの手順でも問題が解決しなかった場合は、Appleサポートへの問い合わせが必要となります。
参考:円に斜線が入ったマークが Mac の起動時に表示される場合 – Apple サポート (日本)
疑問符である「?」が付いたフォルダアイコンが画面に表示された場合は、起動ディスクが利用できない状態になっているか、正常に動作するmacOSが起動ディスクに入っていないということを表しています。
この場合の対処法は以下の通りです。
なお、上記手順「1.」のNVRAMのリセット方法がわからない場合は、以下のApple公式ページを参考にしてください。
参考:Mac で NVRAM または PRAM をリセットする – Apple サポート (日本)
起動オプションのウインドウに、ギアマーク(下部に「オプション」の文字)が表示されることがあります。
この場合の対処法は以下の通りです。
セーフモードでMacを立ち上げたい場合は、以下のApple公式ページを参考に実行してください。
参考:Mac でセーフモードを使う方法 – Apple サポート (日本)
Macを起動した際に画面に何も表示されなくなることがあります。
例えば、黒や灰色、青といった一色の画面が表示される、というパターンです。
この画面のまま動かなくなるような時は、以下の手順を試してみてください。
【Appleシリコン搭載の場合】
【Intel プロセッサ搭載の場合】
Mac起動時に起動ディスクが検出されると、画面にはAppleロゴが表示されます。
そして起動が進んでいる間は、進行状況バーが表示されます。
そのまま何もせず待っていれば普通に起動することも多いですが、途中で何も表示されなくなったり、半日以上といったようなあまりにも長い時間に渡って動きがないようならば、以下の手順を実行してください。
ディスクユーティリティを使って起動ディスクを修復する方法は、以下のApple公式ページを参考にしてください。
参考:ディスクユーティリティで Mac を修復する方法 – Apple サポート (日本)
地球儀に警告シンボル(△マークの中に感嘆符)が表示される場合は、Macがインターネット接続で macOS復旧から起動しようとしているものの、うまくいってない状態であることが示唆されています。
この場合は、以下のような対処法をそれぞれ試してみてください。
「別のディスクやボリュームからの起動」や「起動可能なインストーラ」については、以下のApple公式ページを参考にしてください。
■別のディスクやボリュームからの起動
参考:Macの起動ディスクを変更する – Apple サポート (日本)
■起動可能なインストーラ
参考:macOS の起動可能なインストーラを作成する方法 – Apple サポート (日本)
Macでファームウェアパスワードが使われている際に、外付けのドライブやmacOS復旧などの別のディスクから起動しようとすると鍵のアイコンが表示されます。
ファームウェアパスワードを入力すれば、普通に起動が始まります。
上記の対策法をすべて試しても起動しなかった場合は、最終手段として「初期化」を試してみてください。
正常に起動しない状態でも、セーフモードでならば起動するような時は、初期化が可能です。
ただし、初期化を行うとパソコン内のデータがすべて消えてしまいます。
もし実行する場合は、必ずデータのバックアップを取るようにしてください。
また、初期化はシステム的なトラブルには有効ですが、ハード面でのトラブルに対してはまったく意味がありません。
ハードウェアの物理的な故障が疑われる場合は、初期化によって状況が悪化することもありますので注意が必要です。
【Macを初期化する方法】事前準備や初期化できない時の対処法も解説 >>
Macには、macOS復旧というシステムが搭載されており、このシステムを使うことによってディスクの修復ができるため、一時的に起動しなくなってしまっても、上記にて解説した方法を実行することで回復することも多いです。
画面に表示されるアイコンや現象に応じて適切な対処を施し、回復を目指してみてください。
なお、何をやっても起動しなくなり、パソコンの買い替えを決断することもあると思います。
その場合、お使いのMacパソコンは不要になると思われますが、もし廃棄を検討するならば「パソコン廃棄.com」を利用すると便利です。
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監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。