法人のパソコンを廃棄する方法
更新日: 2021年6月24日 著者: 前田 知伸
法人・会社でパソコンを処分するときに、どうしたらいいかわからない、家庭のパソコン廃棄と何か違うの?など疑問が多いと思います。特に法人のパソコンには企業情報や顧客情報が入っているだけに情報漏えいは絶対避けなければなりません。ここでは、法人・会社のパソコンを廃棄する方法を説明したいと思います。
1. 法人パソコンとは
法人パソコンとは、ビジネスPCともいわれ、家庭用パソコンと異なります。デザインはシンプルで、家計簿ソフトや年賀状ソフトなどソフトウェアも入っていません。また企業によっては、ウイルス対策ソフトやインターネット接続がサーバで管理されています。
家庭用パソコンは購入時にメーカーのPCリサイクル料金が上乗せして販売されていますが、法人パソコンはPCリサイクル料金が入っていませんので、別途廃棄費用が必要です。
2. 法人のパソコンを廃棄する方法
法人のパソコンを廃棄する方法には以下の3つがあります。事業ゴミと同様に、法人・会社のパソコンは自治体では処理を行っていません。またパソコンがリースの場合は、リース会社に返却してください。
- メーカー(システムベンダー)
- 産業廃棄物処理業者
- パソコンリサイクル業者
3. メーカー(システムベンダー)
メーカーの法人担当かパソコンの販売会社(システムベンダー)にパソコン廃棄を依頼できます。一部メーカーを除いて、パソコンにPCリサイクルマークがついていても関係なく、廃棄費用が掛かります。事前に見積もりが必要です。
メーカーとシステムベンダーの違いは以下の通りです。
3.1. メーカー
- メーカー製品のみの取り扱い
- 広域認定産業廃棄物処理者として産業廃棄物を回収、リサイクル、処理します。
- メーカーによって費用は異なる。
- データ消去は有料です。
メーカーでは、見積り依頼から廃棄証明書が発行されるまで(廃棄処分が完了するまで)は、1ヶ月程度の期間をみておいたほうがいいでしょう。費用としては、各々のメーカーによって違いがありますが、おおまかには1台3,000円程度のところが多いようです。廃棄証明書作成料・手数料等がその費用に加えられます。
3.2. システムベンダー
- その他のメーカーの廃棄も取り扱っています
- 直接廃棄を行っておらず、他社へ廃棄依頼を代理で行ってくれます。
- ベンダーによって費用は異なる。
- データ消去は有料です。
家庭用PCとの違いは、サーバルータ、プリンタやUPSなども有料で廃棄できます。パソコンを入れ替える際は、入れ替え時に廃棄も依頼すると入れ替えがスムーズにできます。数台程度の小口の廃棄の場合は、家庭用PCと同じ、ゆうパックを利用した配送による廃棄手順になる場合があります。
4. 産業廃棄物処理業者
産業廃棄物処理業者では、有料でパソコンの廃棄を行っています。パソコン1台当たり1000円~4000円程度で廃棄証明書(マニフェスト)を発行する場合は、別途料金が必要です。一部の産廃業者を除いてデータ消去作業は行っていません。
5. パソコンリサイクル業者
パソコン廃棄.com(当サイト、パソコンリサイクル専門会社)では、法人・企業向けパソコン廃棄を無料で行っています。ISMS(ISO 27001)や・プライバシーマーク(JIS Q 15001)取得企業様もご利用いただけます。データ消去作業証明書等、各種証明書も発行しております。
無料の理由は、回収したパソコンを「再利用(リユース)」「再資源化(リサイクル)」することでパソコン廃棄費用を無料で提供しています。データ消去後に再セットアップできるパソコンは中古パソコンとして、故障や古いパソコンはCPU・メモリなどの部品として再利用します。また、破壊したハードディスクやケーブルは素材として再資源化します。
まとめ
メーカーに依頼する場合は、マニフェストの起票・管理が不要で高いコンプライアンスが期待できますが、料金がかかります。産業廃棄物処理業者はパソコンの専門ではないので、ご自身でデータ消去を行っておけば安心です。パソコンリサイクル業者は消去も行ってくれるので簡単で料金も安いですが、どういった企業なのか、プライバシーマーク取得や情報漏えい保護対策をしているかしているか確認しておいたほうがいいでしょう。
それぞれの廃棄パソコンの処理工程については、以下を参照してください。